多摩川で見られる野草と雑草一覧。春の川辺を彩る美しい草花たち
山田智美
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多摩川で見られる野草や雑草の名前を写真付きで紹介します。色別に分けてあるので、探している野草の名前がわかるかもしれません。
目次
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|紫
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|ピンク
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|青
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|白
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|黄色
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|オレンジ
- 多摩川で見られる野草と雑草の花|緑
- 多摩川で見られる野草と雑草|その他
多摩川で見られる野草と雑草の花|紫
アレチハナガサ
- 花期:4月~10月
アレチハナガサは、草丈1m以上、先端にピンクとも紫とも言いがたい色の花を咲かせます。三尺バーベナの仲間ですが、園芸種に比べて花は小さいのが特徴です。
ツタバウンラン
- 花期:3月~10月
ツタバウンランは、地面を這うように伸び、小さな淡い紫色の花を咲かせる多年草です。多摩川の日当たりの良い草の間や、コンクリートの壁の隙間から生えているのを見かけます。
ナヨクサフジ
- 花期:4月~7月
ナヨクサフジは、5~10cm程度の濃い紫色の花を咲かせるマメ科のつる植物です。草丈1m以上、直立せずに周囲に絡みつきながら、大きくうねるように伸びていきます。
群生してたくさんの花を咲かせるので、満開の時期は紫色の海のような美しい景色を楽しめます。
ハマダイコン
- 花期:3月~5月
ハマダイコンは、ダイコンの花によく似た花を咲かせる草丈70cmくらいの一年草。まだ肌寒い頃から花を咲かせ始め、晩春まで咲き続けます。多摩川では一面を淡い紫色から白に染め上げるように群生している姿が見られます。
多摩川で見られる野草と雑草の花|ピンク
イモカタバミ
- 花期:4月~9月
イモカタバミは、濃いピンク色の花を咲かせるカタバミの仲間です。もとは園芸用に輸入されたものが広がったとされている帰化植物です。春から夏の終わりまで咲き続けます。
ムラサキツメクサ(アカツメクサ)
- 花期:4月~7月
ムラサキツメクサは、ピンク色の花を咲かせるマメ科の野草です。シロツメクサと違い、草丈30~60cm程度、すっと上に伸びるように花を咲かせます。
カラスノエンドウ
- 花期:3月~5月
カラスノエンドウは、花径1cm程度のピンク色の花を咲かせるマメ科の野草です。公園や道端など、身近な場所で見かけることの多い花です。花の後には小さなえんどう豆ができます。アブラムシが付きやすいので、テントウムシもたくさんやってきます。
ナワシロイチゴ
- 花期: 5月~6月
ナワシロイチゴは、小さなベージュピンク色の花を咲かせるバラ科のつる性低木です。地面を這うように低く横に枝を伸ばしていきます。
多摩川では段差のある場所に上の方から枝を垂らすように生えているのを見かけます。花びらが開くことがなく、つぼみのように見えて咲いているという不思議なフォルムをしています。
ヒメオドリコソウ
- 花期: 3月~5月
ヒメオドリコソウは、草丈10cm程度のシソ科の野草です。淡いピンク色に薄紫を混ぜたような色の花を咲かせます。ホトケノザとよく似ていますが、葉や茎の形が違います。
ヒメジョオン
- 花期: 5月~10月
ヒメジョオンは、草丈30~60cmのキク科の野草です。花径2cm程度、色は淡いピンクや白、マーガレットのようなかわいい花を咲かせます。
ホトケノザ
- 花期: 3月~5月
ホトケノザは、草丈10cm程度のシソ科の野草です。濃いピンク色の花を咲かせます。多摩川以外でも、公園や道端でよく見かける花です。春の七草のホトケノザとは別種です。
ユウゲショウ
- 花期: 5月~9月
ユウゲショウは、草丈20~50cm程度のピンク色の花を咲かせる野草です。名前の由来は夕方に開花するからだといわれていますが、昼間から咲いているのを見かけます。緑濃くなってきた草むらのアクセントになるような花です。
多摩川で見られる野草と雑草の花|青
オオイヌノフグリ
- 花期: 2月~5月
オオイヌノフグリは、春に水色の小さな花を咲かせる野草です。草丈低く、地面を這うように広がります。風で散ってしまうような儚い花ですが、満開の時期には一面水色のカーペットを敷いたような見事な景色に出会えます。
キュウリグサ
- 花期: 4月~5月
キュウリグサは、ワスレナグサを小さくしたような水色の花がかわいらしい野草です。とても小さな花ですが、群れるようにたくさんの花を咲かせるので、遠くから見ると水色の霞のようです。
タチイヌノフグリ
- 花期: 3月~5月
タチイヌノフグリは、草丈10cm程度、花径3~4mmの小さな野草でオオイヌノフグリの仲間です。他の草が茂っていないような、開けた場所に自生しています。オオイヌノフグリと一緒に群生している姿を見つけると、嬉しくなってしまうようなかわいらしい花です。
多摩川で見られる野草と雑草の花|白
シロツメクサ
- 花期: 4月~6月
シロツメクサは、クローバーとも呼ばれるマメ科の野草です。地下茎で増えるので、一面カーペットを敷いたように群生します。ウサギのしっぽのようなふわふわとしたかわいらしい花を咲かせます。踏みつけにも強いので、歩道の脇など人が通るような場所で見かけます。
スイカズラ
- 花期: 4月~6月
スイカズラは、甘い香りの花を咲かせるつる植物です。花の色は、咲き始めは白、咲き進むにしたがって黄色に変化していきます。木々の枝に絡みついて大きくなっているので、満開の時期には、木の上の方から甘い香りがしてきます。
スズメノエンドウ
- 花期: 3月~5月
スズメノエンドウは、2~3mmのとても小さな花を咲かせるマメ科の野草です。草丈は20~30cm、高いもので50cm程度です。ふわっと群れるように葉を茂らせ、その中にかすむように白い花を咲かせます。気が付くと見入ってしまうようなかわいらしい花です。
ナズナ
- 花期: 4月~7月
ナズナは、白い花を咲かせるアブラナ科の野草です。身近な場所で見かける野草の一つで、多摩川にはグンバイナズナがたくさん生えています。
ノイバラ
- 花期: 4月~6月
ノイバラは、バラの仲間のつる性低木です。白い一重の香りの良い花を咲かせます。多摩川の日当たりの良い場所でこんもりと茂っている姿を見かけます。優しい香りを楽しむことができるので、ぜひ近くに寄ってみてください。秋には真赤な小さな果実を実らせ、鳥たちに提供しています。
ハコベ
- 花期: 2月~5月
ハコベは、小さな白い花を咲かせる一年草です。春の七草にも数えられています。地面を這うように横に広がって増えていきます。周囲の草が茂り始めるとどこに生えているのかわからなくなってしまうので、初春に探してみるのがおすすめです。
多摩川で見られる野草と雑草の花|黄色
オニタビラコ
- 花期: 5月~7月
オニタビラコは、黄色い花を咲かせるキク科の野草です。草丈20cmから、大きなものは70cm程度にまで生長します。緑が濃くなるころから次々と花を咲かせます。
カタバミ
- 花期: 3月~10月
カタバミは、黄色の花を咲かせる野草です。草丈低く、地面を這うように伸びていきます。太陽に反応して開花するので夕方には花が閉じてしまうという特徴があります。
ツンととがったロケットのようなフォルムの果実は、中の種が透けるくらいに熟してから指でつまむとはじけます。この遊びに夢中になると散歩が一向に進まなくなります。
コマツヨイグサ
- 花期: 5月~9月
コマツヨイグサは、黄色い花を咲かせるマツヨイグサの仲間です。草姿は直立せず、うねるように横に伸びていきます。花径3cm程度と小ぶりな花を咲かせます。
夕方に開花して朝には閉じてしまうからマツヨイグサのはずが、まだ明るい昼間から咲いているのを見かけます。
コメツブウマゴヤシ
- 花期: 4月~7月
コメツブウマゴヤシは、花径3~4mmの黄色い花を咲かせる野草です。地面を這うように横に伸びている姿や、直立して上に向かって花を咲かせている姿を見かけます。
コメツブツメクサとの違いは葉に細かい毛が多いところです。他にコメツブウマゴヤシは花がらが完全に取れた状態で種子が出来ます。
コメツブツメクサ
- 花期: 4月~7月
コメツブツメクサは、花径3~4mmの黄色い花を咲かせる野草です。地面を這うように横に伸びていきます。他の草が生い茂る下の方で、小さな黄色い花を咲かせています。
コメツブウマゴヤシとの違いは、葉の基部に枝を抱くように托葉があるところです。他にコメツブツメクサは花が枯れた後に花がらが残り、その中に種子が出来ます。
タンポポ
- 花期: 3月~5月
タンポポは、春に黄色い花で私たちの目を和ませてくれる野草の一つです。花の後にできる綿毛もかわいらしく、老若男女問わず愛されている花です。多摩川の河川敷でもタンポポのかわいらしい花が見られます。
菜の花
- 花期: 2月~5月
菜の花は、アブラナ科の植物の黄色い花のことです。春の多摩川では、一面を黄色に塗りつぶすように菜の花が咲き乱れる景色を見ることができます。
多摩川で見られる菜の花には、セイヨウアブラナ、セイヨウカラシナ、アブラナなどがあります。
ノゲシ
- 花期: 4月~10月
ノゲシは、黄色い花を咲かせる野草です。ちょっとギザギザとした葉が特徴です。草丈50cmから大きなものは1m程まで生長します。
多摩川で見られる野草と雑草の花|オレンジ
ナガミヒナゲシ
- 花期:4月~5月
ナガミヒナゲシは、オレンジ色の花を咲かせるケシ科の一年草です。近年急激に増えてきている帰化植物。繁殖力旺盛なので敬遠されがちですが、風にそよぐ淡いオレンジ色の花はきれいなものです。
多摩川で見られる野草と雑草の花|緑
カラスムギ
- 花期:5月~7月
カラスムギは、イネ科の野草です。草丈60cm~1m、茎の先に下げるように緑色の花を咲かせます。花といっても花びららしいものはなく、およそ花とは思えないような楔型の花です。そよそよと風に揺らす姿が美しいグラス類です。
ギシギシ
- 花期:6月~8月
ギシギシは、グリーンの花穂が印象的なタデ科の野草です。図鑑等で確認すると花期は夏となっていますが、多摩川は日当たりが良いせいか、4月から見かけます。草丈1m程度まで大きくなる野草です。
ヤエムグラ
- 花期:4月~6月
ヤエムグラは、草丈30~70cm程度、黄緑色の花を咲かせる野草です。葉茎に細かいトゲがあり、服に付くのが特徴。河原だけでなく、公園や空き地など、身近な場所でも見かけます。
ヨモギ
- 花期:9月~10月
ヨモギは、春の若葉を食用にする野草です。昔から日本では食用や薬用に重宝されてきました。花が咲くのは秋ですが、初春のまだ枯草だらけの河原で、柔らかいグリーンの葉を出し始めるヨモギのかわいらしさは何とも例えがたいものがあります。
多摩川で見られる野草と雑草|その他
ヤセウツボ
- 花期:4月~5月
ヤセウツボは、ハマウツボ科の一年草で寄生植物です。草丈10~40cm、葉はなく、ベージュのような色をしています。周囲の植物の根に寄生して、栄養を吸い取りながら開花、結実する植物です。ちょっと異様な見た目をしているので、見つけると見入ってしまいます。
ツクシ(スギナ)
- 鑑賞時期:3月
ツクシは、スギナの胞子茎(胞子穂)です。正式な植物名はスギナです。ツクシは春に地面から顔を出し、胞子を飛ばすと枯れてしまいます。日本の春の景色に欠かせないかわいらしい存在です。
ヘラオオバコ
- 花期:4月~8月
ヘラオオバコは、オオバコの仲間の帰化植物です。名前の由来は葉がヘラに似ているからだそう。草丈20~70cm、花茎の先に黒いボールのような花序を付け、白い小花を咲かせます。
多摩川は、首都圏を流れる1級河川。河川敷には公園やグラウンド、歩道があり、緑豊かな憩いの場所として人気があります。
春には花咲き乱れ、夏は緑が生い茂り、秋は風にそよぐグラス類が美しく、冬は川面が太陽を照り返してキラキラと輝きます。
自然豊かな多摩川は、目移りするくらいの野草の宝庫。気持ちの良い季節に多摩川をお散歩してみませんか。見たことのない植物に出会えるかもしれません。
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