常緑のグランドカバー30種!踏みつけに強い種類から低木や花咲く種類まで

山田智美
このライターの記事一覧

グランドカバーとは?グランドカバーの意味から、一年中グリーンを絶やさない常緑のグランドカバーを、踏みつけに強い種類、花が咲く種類、低木、日向、日陰、ハーブに分けて30種類紹介します。
目次
- グランドカバーとは?グランドカバーの意味
- 芝生の代わりになるグランドカバーとは?
- グランドカバーは常緑がおすすめ
- 踏みつけに強い常緑のグランドカバー4種
- 低木の常緑のグランドカバー5種
- 日向に向いている常緑のグランドカバー4種
- 日陰に強い常緑のグランドカバー6種
- 花が咲く常緑のグランドカバー5種
- ハーブの常緑のグランドカバー3種
- 和風の常緑のグランドカバー3種
グランドカバーとは?グランドカバーの意味
グランドカバーあるいはグラウンドカバーとは、英語のGround coverが日本語として定着した言葉。グランドカバーの意味は地面の表面を覆うことです。
グランドカバーは、土を隠すため、また周囲の植栽との調和や雰囲気を和らげることを目的として植えられます。
芝生の代わりになるグランドカバーとは?
芝生はグランドカバーとして最もポピュラーな植物の一つです。芝生はグリーンのカーペットのようにその場の雰囲気を和らげます。また踏みつけにも強く、育てやすいのが特徴です。
芝生の代わりになるグランドカバーとは、踏みつけに強く、手間のかからない植物のことです。
グランドカバーは常緑がおすすめ
グランドカバーは庭の中の少し寂しいスペース、あるいは人があまり入らないような場所、むき出しの地面に少しの彩りがほしいような場所に使用します。
ただし耐寒性の弱い植物をグランドカバーとして使用すると、冬には地上部が枯れて地表がむき出しになってしまいます。常緑のグランドカバーは通年グリーンの葉で彩ってくれるので、冬でも寂しい景色になることはありません。
踏みつけに強い常緑のグランドカバー4種
リュウノヒゲ
- 学名:Ophiopogon
- 科名:キジカクシ科
リュウノヒゲの特徴
リュウノヒゲはキジカクシ科の常緑多年草で、日本庭園だけでなく洋風のお庭にも使われます。踏みつけに強いので駐車スペースなどの植栽にも使用されます。
リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)
- リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)日本や東南アジア、フィリピンなどの森林地帯に自生するキジカクシ科の常緑多年草で、日本庭園だけでなく洋風のお庭にもワンポイントとして使われる品種です。 暑さ寒さにも強く、日陰にも強いのでグランドカバーとしても利用されます。花や実を楽しみたい場合はある程度の日照が必要なので、管理場所には注意しましょう。 リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)の根は生薬の麦門冬となり、漢方薬で咳止めなどに効果のある麦門冬湯などに使われます。 リュウノヒゲはジャノヒゲとも呼ばれ、蛇の髭と表記することもありますが、蛇には髭はありませんよね。これは、もともとは「ジョウノヒゲ」と呼ばれていたものが「ジャノヒゲ」になったんだとか。ジョウノヒゲは「尉の髭」と書きます。能面の中に老人を表す「尉(じょう)」というお面の種類があります。尉の髭とは老人の髭のことです。
ヤブラン
- 学名:Liriope
- 科名:ユリ科
ヤブランの特徴
ヤブランはすっとした葉を伸ばす常緑のグラウンドカバーの定番です。濃いグリーンのものから白やクリーム色の斑入りなど、園芸品種も多く出回っています。「リリオペ」という学名で呼ばれることもあります。
リシマキア・ヌンムラリア
- 学名:Lysimachia
- 科名:サクラソウ科
リシマキア・ヌンムラリアの特徴
リシマキアは世界中に何百という種類が存在する多年草。中でもリシマキア・ヌンムラリアや葉の色がライム色のリシマキア・ヌンムラリア・オーレアはグランドカバーとして人気です。
セイヨウシバ
- 科名:イネ科
セイヨウシバの特徴
セイヨウシバにはいくつかの種類があります。耐寒性があり、冬でもグリーンの葉が残る種類をセイヨウシバと呼びます。日本の芝に比べて草丈が高く、生育旺盛です。踏みつけに強く、庭のグランドカバーとしてよく使用されます。
低木の常緑のグランドカバー5種
コトネアスター
- 学名:Cotoneaster
- 科名:バラ科
コトネアスターの特徴
コトネアスターは地面を這うように生長するバラ科の低木です。落葉の品種もありますが、常緑種もあります。冬に赤く色づく実が印象的です。
- コトネアスターはヨーロッパからアジアまで広範囲に分布する、バラ科の落葉または常緑の低木です。地面を這うように横に大きく枝を広げる姿が美しく、グランドカバーとしても人気があります。斜面や高さがある場所に植えると、大きく枝垂れるように枝が広がっていく様が見事です。 コトネアスターは秋から冬に直径1㎝に満たない小さく真赤な果実を実らせます。コトネアスターの果実は食用にはできませんが、冬の色の少ない景色の中に鮮やかな彩りを与えてくれます。 コトネアスターは冬の赤い果実ばかりが注目されがちですが、花も見事です。コトネアスターの花は初夏、5~6月頃に開花します。真白で小さなユキヤナギのような可愛らしい花です。
ロニセラ・ニティダ
- 学名:Lonicera nitida
- 科名:スイカズラ科
ロニセラ・ニティダの特徴
ロニセラ・ニティダはスイカズラ科の常緑低木です。大きく横に枝を広げるように生長します。生長速度はゆっくりですが、数年で地面を覆い隠すように大きくなります。
アベリア
- 学名:Abelia × grandiflora
- 科名:スイカズラ科
アベリアの特徴
アベリアは光沢のある小さな葉と四季咲きの花が可愛らしい常緑低木です。生垣にも使用されます。枝を大きく広げるため、グランドカバーに向いています。品種が豊富にあり、2mくらいまで生長するものもあります。グランドカバー向きの品種を選んでください。
アベリア
- アベリアは生垣や下草、公園、川沿いの緑道、街路樹などにとてもよく使われている半常緑低木です。(一般的には常緑ですが、寒冷地では落葉する場合があります。)最近では、マンションなどのエントランスの植栽にも、アベリアを使用されているのを見かけます。 アベリアは性質が丈夫で、特別な手入れをしなくても生長する手入れが簡単な植物です。また、花の時期が5月~初冬までと、とても長く咲き続けるのも特徴のひとつです。花は白やピンクですが、花びらが散ったあとにガクがきれいに残るので、その状態も観賞価値があります。 ▼アベリアについて詳しくご紹介しています。 アベリアとは?花の季節や種類、育て方や剪定のコツまで紹介 アベリアは耐寒性が強く、強健でとても育てやすい樹木です。お庭はもちろん公園や、公道の脇など多くの場所に植えら… 山田智美 2020.09.27 庭木・シンボルツリー
フィリフェラ・オーレア
- 学名:Chamaecyparis pisifera
- 科名:ヒノキ科
フィリフェラ・オーレアの特徴
フィリフェラ・オーレアは明るいグリーンの葉がきれいな低木の針葉樹です。葉の密度が高いのでグランドカバーの他、生垣にも好まれます。
セイヨウネズ
- 学名:Juniperus communis
- 科名:ヒノキ科
セイヨウネズの特徴
セイヨウネズはヒノキ科の低木。地表を這うように枝を伸ばして広がっていくので、グラウンドカバーとして人気があります。
日向に向いている常緑のグランドカバー4種
ハツユキカズラ
- 学名:Trachelospermum asiaticum
- 科名:キョウチクトウ科
ハツユキカズラの特徴
ハツユキカズラは赤や白の斑がきれいな常緑多年草。地面を這うように生長していくため、グランドカバーに向いています。
ハツユキカズラ(初雪葛)
- ハツユキカズラはテイカカズラの園芸品種で、キョウチクトウ科のつる性常緑低木です。不規則に白く染まる斑入りの葉の模様が雪のようであることが名前の由来です。 日本に自生するテイカカズラの園芸品種のため、日本の環境に合い、暑さ、寒さにも強い上に日陰でも育つ丈夫な植物です。生長のスピードがゆっくりなので、鉢植えや寄せ植えの素材としても利用できます。這うようにつるを伸ばしていくため踏みつけに強い常緑のグランドカバーにもなります。 ハツユキカズラの遠目で見ると花のようにも見える斑入りの葉は、ピンク~白~グリーンと色が変化します。耐陰性がありますが、新芽の頃のピンク色を楽しむためには、日当たりの良い場所でないと美しく発色せず、緑一色の株になることがあります。 常緑ですが、寒さにあたって紅葉した葉も美しく、観賞価値があります。
ディコンドラ
- 学名:Dichondra
- 科名:ヒルガオ科
ディコンドラの特徴
ディコンドラは小さなハート型の葉が可愛い、横に広がって這うように伸びる多年草。シルバーリーフが美しく、周囲を明るくしてくれます。
ディコンドラ(ダイコンドラ)
- ディコンドラは、小さなハート型の葉が可愛い、横に広がって這うように伸びる多年草。ハンギングバスケットや寄せ植えのアクセント、庭や花壇のグランドカバーとして人気があります。耐寒性がそれほど高くないので、葉をつけたまま冬を越すためには-1℃以上の気温が必要です。冬に-1℃を下回る場合、関東以南の地域であれば一時的に地上部が枯れることがありますが根は生きていて、春には再び芽吹きます。春から初夏に3mm程度の小さな花が咲きますが、気付かれないことも多いかもしれません。 ディコンドラには緑葉のミクランサ種と、銀白葉のアルゲンテア種があり、ミクランサ種は日本にも分布していてアオイゴケの和名があります。緑葉のミクランサ種は湿り気のある土壌を好み耐陰性があります。銀白色のアルゲンテア種は乾燥した日なたの環境を好みます。銀白葉のアルゲンテア種は、葉の表面が細かい毛に覆われて銀白色に輝いてとても美しいのですが、若干蒸れに弱く葉がいたみやすいので乾かし気味に育てるとよいでしょう。 ディコンドラは両種ともタネか苗から育てることができます。緑葉のミクランサ種は造園用に大袋に入った種も販売されており、庭に種をまいてグランドカバーに育てることもできます。また、緑葉のミクランサ種は、銀白葉のアルゲンテア種に比べて生育が早く、季節にもよりますが種をまいて1~2か月後には地面を覆います。芽が出始めると生長はとても速く、生えそろってきたら少々踏みつけても大丈夫です。ディコンドラは踏まれた場所は細かな密の葉が茂り、踏まれない場所は大き目の葉がふんわりと育ちます。繫殖力が強く、環境が合えばどんどん増える育てやすい植物です。
ワイルドストロベリー
- 学名:Fragaria vesca
- 科名:バラ科
ワイルドストロベリーの特徴
ワイルドストロベリーは食用のイチゴを小さくしたような草姿が可愛らしい常緑多年草です。花も実もイチゴのようで可愛らしく、半日陰でもよく育つため、グランドカバーとして人気です。
フィカス・プミラ
- 学名:Ficus pumila
- 科名:クワ科
フィカス・プミラの特徴
フィカス・プミラはクワ科の常緑多年草です。丸みを帯びた小さな葉が可愛らしく地面を這うように生長していくため、グランドカバーに向いています。斑入り種は景色を明るくしてくれます。
フィカス・プミラ
- フィカス・プミラは、付着根を出してよじ登るつる性のフィカスです。木や岩、塀、壁などにも這ってぐんぐん生長します。その性質をいかして針金などで造った鉢物仕立てやハンギングバスケット、寄せ植えのアクセントにも使われます。緑葉のタイプに加え、緑の地に白い斑が入る斑入りタイプが観賞用に人気があります。 日なたから半日陰、湿気のある用土を好みます。多少の耐陰性はあるので、室内の明るい場所でも育てられますが、あまり暗い場所だと徒長したり弱々しくなります。一方、真夏の直射日光では葉焼けを起こして葉の状態が悪くなります。真夏は半日陰になるような場所に植えるのがよいでしょう。 地植えにすると木化して根が太くなり、塀をよじ登って覆いつくしてしまいます。こまめに切り戻しを行わないと育ちすぎてしまうので注意が必要です。
日陰に強い常緑のグランドカバー6種
アイビー
- 学名:Hedera
- 科名:ウコギ科
アイビーの特徴
アイビーは葉の形や色が多様なつる植物です。地面を這うように生長するのでグランドカバーに向いています。壁などに這うようにして上にも生長していくため、建物の近くに植えるときには注意が必要です。
アイビー(ヘデラ)
- アイビーはウコギ科キヅタ属に分類されるツル性植物で、属名のヘデラの名前でも流通しています。葉の模様が様々あり、白い斑が入っているものやグレーやライトグリーンなどのマーブル模様の葉などがあります。アイビーは性質も非常に強健で屋外で難なく越冬することができます。そのためグランドカバープランツとして使用されることもあります。 また、地面に植えたアイビーは家屋の壁に活着し、外壁を覆いつくしてしまうこともあります。アイビーは水耕栽培でも育てることが出来るため、いろいろな模様のアイビーを少量ずつビンやビーカーなどに水挿しにするとインテリアにもなります。アイビーは耐陰性もあるため、出窓のある洗面所などに置くこともできます。
セダム
- 学名:sedum
- 科名:ベンケイソウ科
セダムの特徴
セダムは北半球に広く分布し、日本原産の品種は約40種と言われています。日本にも多く自生しているとても身近な多肉植物。草丈低く広がるように生長していく育てやすい植物です。
ヒューケラ
- 学名:Heuchera
- 科名:ユキノシタ科
ヒューケラの特徴
ヒューケラは常緑多年草で、カラーリーフプランツとして寄せ植えや花壇に用いられる近年人気の高い植物です。明るい葉の色で周囲の雰囲気を和らげる他、春には花も咲くので一年を通して楽しめます。
ヒューケラ(ツボサンゴ)
- ヒューケラは常緑多年草で、カラーリーフプランツとして寄せ植えや花壇に用いられる近年人気の高い植物です。 草丈20cm~50cm程度で葉が重なるように密に茂り、葉色のバリエーションが幅広いのが人気の理由です。 ヒューケラの葉は直径3~10cmほどで薄く丸みを帯びたアイビーのようなフォルムをしています。葉色は赤、シルバー、オレンジ、緑、黄緑、黄、紫、黒や斑入りのものなど変化に富みます。花は原種のツボサンゴをはじめ園芸品種もすっと立ち上がった花茎から釣鐘型の小花を群れるように咲かせます。ヒューケラは花もちもよく約1カ月近く咲き続けるので切り花としても楽しめます。 ヒューケラは耐陰性も強く、半日陰程度であれば問題なく開花します。カラーリーフだけでも楽しめますので、暗くなりがちなシェードガーデンに彩りと明るさを加えられます。
ツワブキ
- 学名:Farfugium japonicum
- 科名:キク科
ツワブキの特徴
ツワブキ(石蕗)は、関東以南の海岸部や山林に自生するキク科の多年草です。秋になるとキクに似た黄色い花を咲かせます。大きな葉を茂らせて地表を覆い隠してくれます。
ツワブキ(石蕗)
- ツワブキ(石蕗)は、関東以南の海岸部や山林に自生するキク科の多年草です。岩の上など厳しい環境でもたくましく育つことから、「石蕗」と表記されます。日本原産だけに育てやすく、塩害や日陰にも強い丈夫さが特長です。九州を中心に山菜として広く食用になっており、宮崎県・日南市では市の花に指定されています。 管理が楽で日陰でも育ち、秋になるとキクに似た黄色い花を咲かせます。開花期間が長いため、個人宅をはじめ公園などにも植えられています。 ツワブキ(石蕗)は古典園芸植物のひとつで「葉芸」と表現される葉の形や形状、大きさ、斑などの柄にこだわった園芸品種がたくさん作出されています。葉芸は一年を通して固定されているものと季節によって斑などの出具合が変わるものがあります。最近は葉だけでなく、花も八重咲きや黄色以外の品種もあります。 盆栽として愛でられている他、樹木の下草やグランドカバーとしても使われます。 花の時期以外も葉の美しさが庭を彩ってくれる存在です。花のあとにタンポポのような綿毛をつけた種子が風に飛んでいくさまも風情があります。
ユキノシタ
- 学名:Saxifraga stolonifera
- 科名:ユキノシタ科
ユキノシタの特徴
ユキノシタは、湿った山野に自生し、庭の下草としてもよく植えられる常緑の多年草です。半日陰から日陰のやや湿った環境を好むので日陰のグランドカバーとして重宝されています。
雪の下(ユキノシタ)
- 雪の下(ユキノシタ)は、本州から四国、九州にかけての渓谷沿いの湿った斜面の岩陰に分布し、人家周辺にも庭の下草としてよく植えられる常緑の多年草です。半日陰から日陰のやや湿った環境を好みます。 葉は直径3cm~8cmほどで丸く、葉裏は褐茶色で葉脈上に白い斑が入るのが特徴的です。株の中心から20cm~50cmほどの花茎をのばし、5~6月頃に白色の花をつけます。5枚の花弁のうち上に3枚ある小さな花弁には、赤紫色の斑点がはいるのが特徴です。根元から赤いランナーを伸ばして繁殖します。 雪の下(ユキノシタ)は、かつて医者や薬がなかった時代には民間薬として重宝され、食用としても利用されたため、どこの家の井戸周りにもある生活になじみの深い植物でした。 園芸素材としては、一度根付けば肥料を施すなどの手間がいらず育てやすい植物です。雪の下(ユキノシタ)は丈の低い植物なので、半日陰から日陰の雑草除けのグランドカバーとしておすすめの植物です。根の張り方が浅く、手で簡単に抜く事ができ、増えすぎた時に整理もしやすい植物です。
ワイヤープランツ
- 学名:Muehlenbeckia axillaris
- 科名:タデ科
ワイヤープランツの特徴
ワイヤープランツは小さなグリーンの葉が可愛らしい、ほふく性常緑小低木です。日向から半日陰でよく育つので、グランドカバーとして活躍します。
- ワイヤープランツは小さなグリーンの葉が可愛らしい、匍匐性常緑小低木です。ワイヤープランツという名前の通り、細いワイヤー(針金)の様な茎が特徴的です。ある程度耐寒性があり、地域によって差はありますが冬でもグリーンの葉を絶やしません。生育旺盛で、露地植えにするとどんどん広がっていきます。華奢なワイヤーのような茎はツルのように見えますが、ツル性ではありません。 環境が合えば、春から夏にかけて小さな花とその後に種子ができます。とても小さく見つけにくい花と実ですが、光沢のあるグリーンの葉よりも明るい黄緑色の花が咲くので、注意深く観察してみましょう。 ワイヤープランツは霜に当たると葉が落ちてしまうことがありますが、根が生きていれば春の暖かくなったころにまた新芽を出し始めます。葉が落ちたら短く刈り込んで軒下に移動するなどの寒さ対策を行いましょう。また、剪定のときに切った枝は水に挿しておくことで発根するので、水耕栽培で楽しむことができます。
花が咲く常緑のグランドカバー5種
ツルニチニチソウ
- 学名:vinca
- 科名:キョウチクトウ科
ツルニチニチソウの特徴
ツルニチニチソウはつるのような茎を伸ばして生長する多年草です。春に青紫の花を咲かせます。ツルニチニチソウの他に一回り葉が小さめなヒメツルニチニチソウもあります。どちらも日向から半日陰で育てられます。
ツルニチニチソウ
- ツルニチニチソウは株元から多数の茎をのばしてツル状に生長する多年草です。3月~5月頃に淡い紫色の花が開花します。ツルニチニチソウの他に一回り葉が小さめなヒメツルニチニチソウもあります。 花は一斉に咲くわけではなく、長い期間次から次へと開花します。傾斜地や半日陰地、常緑樹の足元などグラウンドカバーに使われることが多く、性質は非常に強健です。ツルニチニチソウは、寒さや乾燥にも耐え、半日陰でも良く育ち繁殖も株分けで容易にできます。耐寒性にやや劣りますが美しいクリーム色の斑が入る品種が多く栽培されています。 寒冷地では葉が一回り小さいヒメツルニチニチソウの方が若干耐寒性に優れるためよく用いられます。
エリゲロン
- 学名:Erigeron
- 科名:キク科
エリゲロンの特徴
エリゲロンはキク科の耐寒性多年草です。地面を這うように生長していきます。常緑の品種もあり、グランドカバーとして利用できます。
ヒメツルソバ
- 学名:Persicaria capitata
- 科名:タデ科
ヒメツルソバの特徴
ヒメツルソバは地面を這うように生長する常緑多年草です。小さな金平糖のような花を咲かせます。生育旺盛で増えすぎることがあるので、適宜株分けをして整理します。
アジュガ
- 学名:Ajuga
- 科名:シソ科
アジュガの特徴
アジュガは耐寒性の強い常緑多年草です。春には紫色の小さな花を咲かせます。和の庭にも洋の庭にもよく似合います。
アジュガ
- アジュガはシソ科の植物で、寒さに強く、子株のついたランナーを旺盛に伸ばし、日当たりのよくない場所でもよく増えます。アジュガは地面を覆うように生長する「匍匐(ほふく)性」なのでグランドカバーにうってつけです。春になると低く茂った葉の間から花茎を直立させ、紫やピンクの小花をいっせいに咲かせます。日本では「ジュウニヒトエ(十二単)」が自生しています。丈夫な反面、意図しないところまでアジュガで覆われてしまった…ということも。庭植えの場合、どこまでアジュガを使うのかイメージし、伸びてくるランナーを適宜誘導しながら調整していくと美しく仕上がります。 アジュガは耐陰性のある常緑多年草なので、シェードガーデン(日陰の庭)のグランドカバーに利用できます。花の色、葉の色など多品種があるので、花の咲く時期と花がない葉っぱのみの時期の色を考えた場所に植え付けると、見栄えのする植栽となります。
クリスマスローズ
- 学名:Helleborus
- 科名:キンポウゲ科
クリスマスローズの特徴
クリスマスローズはキンポウゲ科の常緑多年草です。冬から春には色のきれいな花、他の季節にはグリーンの印象的な葉を楽しめます。株で大きくなっていくのでグランドカバーとして向いています。
クリスマスローズ
- クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。 日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。 他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。 クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。 クリスマスローズ・ニゲル
ハーブの常緑のグランドカバー3種
ローズマリー(ほふく性)
- 学名:Rosmarinus officinalis
- 科名:シソ科
ローズマリーの特徴
ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑性低木です。清々しい香りが特徴のハーブで、料理に使用するほか、化粧品やアロマテラピーでも人気です。ローズマリーにはほふく性の種類があり、グランドカバーとして使用できます。
ローズマリー
- ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑性低木です。ローズマリーは食用から化粧品まで幅広く利用されているハーブです。清々しい香りが特徴のハーブで、煮込みからグリルまで色々な料理に使われています。 ローズマリーは非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。また強風にもよく耐える性質なので、非常に育てやすい植物です。ローズマリーには真っ直ぐ上に伸びる木立性と地面を這うように伸びるほふく性があります。ほふく性のローズマリーはグランドカバーとしても人気があります。ローズマリーは春から秋にかけて、青から青紫、またはピンクの小さな花を咲かせます。ローズマリーの花は環境さえあえば四季咲きです。
クリーピングタイム
- 学名:Thymus
- 科名:シソ科
クリーピングタイムの特徴
タイムは、シソ科のハーブです。這うように生育するほふく性のものをクリーピングタイムと呼びます。クリーピングタイムは常緑で地面を這うように生長するので、グランドカバーとして使用されます。
クリーピングタイム
- タイムは、シソ科のハーブです。種類が多く、立ち上がり上に伸びる立性のもの(コモンタイム)と這うように生育する匍匐性のもの(クリーピングタイム)に分かれます。 一般的にタイムといわれているのはコモンタイムのこと。品種によって異なりますが、春~初夏に小さな花を咲かせます。料理の他にも、花はサシェにも使うことができます。 「コモンタイム」は、肉などの臭み消し、防虫効果、「ブーケガルニ」としてシチューやポトフなどの煮込み料理の風味付けに使われているタイムで、最も一般的なタイムです。野菜売り場のハーブのコーナーで売られているタイムもコモンタイムです。最近はコモンタイムから選抜されてできた品種がたくさんあります。 ブーケガルニとは、簡単に言ってしまえば、数種類のハーブや香りのする野菜をタコ糸などの糸で束ねた香りの束のことを言います。ヨーロッパでは、昔から肉や野菜を入れてコトコトと煮込むような料理にブーケガルニを入れて風味付けをしています。ブーケガルニに使う素材に決まりはありませんが、定番はタイム、パセリ、ローリエの組み合わせ。その他にも料理の種類にあわせて束ねる素材を選びます。日本の食品メーカーからも「ブーケガルニ」という名前で販売されています。 料理やお茶など、食材として利用するためにタイムが必要な場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。 タイムは品種によって生長の仕方も違います。園芸用として植栽するなら、植える環境にあわせて、下記の性質から、どちらが植える環境にあうかを決めてから品種を選ぶとようにします。 立性・・・立ち上がるように生長します。地植えにすると30cm以上の高さになります。コモンタイムは立性です。 ほふく性・・・這うようにして生長します。代表的な品種はクリーピングタイムです。這うように生長するので、丈は10cmくらいにしかなりません。クリーピングタイムは、花壇の縁取りやグランドカバーにもなります。
クランベリー
- 学名:Vaccinium macrocarpon
- 科名:ツツジ科
クランベリーの特徴
クランベリーは樹高20cmほどの常緑低木です。日当たりが良く、湿った土壌を好みます。秋に赤く色づく実は生食にはいません。つるを伸ばすように生長するのでグランドカバーに向いています。
クランベリー
- うつむき加減に咲く白い花のあとに、丸くてつややかな可愛らしい赤い果実を実らせます。樹高が20cmほどの常緑低木です。本来は湿地や沼地に自生することから、乾燥を嫌い湿気を好みます。暑さにも弱いです。また酸性土を好むので用土に気をつける事がポイントです。暑さに弱いですが、寒さには非常に強く、-40℃でも耐えられるといわれています。それゆえ、暖地では生育が悪く、果実も本来の味になりません。 果実は酸味がとても強いので生食よりも、ジャム、ケーキ、シャーベット、果実酒、料理のソースに利用されています。果実は安息香酸を含有しているため注意が必要です。自家結実性があるので1本だけでも結実します。 果実はほとんど流通しておらず加工品がほとんどです。苗は年中手に入りますが、夏や実が付いている時期のみというところも多いようです。
和風の常緑のグランドカバー3種
トキワツユクサ
- 学名:Tradescantia fluminensis
- 科名:ツユクサ科
トキワツユクサの特徴
トキワツユクサは肉厚な葉茎が特徴の常緑多年草です。初夏に咲かせる白い花が印象的です。一時は要注意外来生物に指定されていたほど丈夫な植物です。半日陰でもよく育ちます。
カナリエンシス(オカメヅタ)
- 学名:Hedera canariensis
- 科名:ウコギ科
カナリエンシス(オカメヅタ)の特徴
カナリエンシス(オカメヅタ)は光沢のある大きな葉が印象的な常緑植物です。枝の途中から根を出して壁に上っていくので、建物の近くに植える際には注意が必要です。
フッキソウ
- 学名:Pachysandra
- 科名:ツゲ科
フッキソウの特徴
フッキソウは日本の山野に自生する常緑多年草です。草丈低く地下茎でよく増えるのでグランドカバーに向いています。斑入り種は景色を明るくしてくれる効果があります。
気になる常緑のグランドカバーはありましたか。グランドカバーは室内でいうなれば絨毯のようなもの。グランドカバーを植えることで明るく柔らかい印象を得られる効果があります。グランドカバープランツを上手に使って、素敵なお庭作りをしてください。
▼編集部のおすすめ