見つけよう。私の暮らしに合わせた家庭菜園の楽しみ方 | エディブルガーデン2月
古幡真恵
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Illustration:小野寺葉月
家庭菜園をやってみたいなぁと思っていても、重い腰を上げられない方のために贈る「暮らしを豊かにする家庭菜園」をご紹介します。家庭菜園に正解なんて無いんです。無理なく、無駄なく、ライフスタイルに合った家庭菜園をみなさんもはじめてみませんか。
目次
心が豊かになっていく家庭菜園をはじめてみない?
お仕事や家事、育児で忙しい毎日を送っているみなさんは、もしかしたら貴重な時間を家庭菜園に費やすことは難しいと感じているかもしれませんね。
しかし、そんな忙しい毎日を頑張れる「心の支え」になってくれるような家庭菜園の楽しみ方もあるんですよ。
自分のライフスタイルに無理のない、それでいて心が豊かになれる家庭菜園をはじめてみませんか。
いろいろな家庭菜園の「準備」について考えてみる
自分の暮らしに合った家庭菜園をはじめる前に、家庭菜園ってどんなことをすればいいのだろうと不安に思っている方もいるかもしれませんね。実際の家庭菜園をはじめるための準備について、みなさんがイメージしやすいようにご紹介します。
庭や貸し菜園などで始める!
自宅の庭や貸し菜園など畑で家庭菜園をする場合は、栽培する土の診断をして、理想的な土質にし、畑に畝を作ります。
▼yes or no で簡単チャート診断!土壌改良診断シートと使用する土壌改良材ならについてはエディブルガーデンの2月(2018年)の作業で詳しくご紹介!
▼2月の土作りについてについてはエディブルガーデンの2月(2017年)の作業で詳しくご紹介!
畝作りを例えていうなら、土で作ったパウンドケーキのような形(笑)。大人の工作みたいでやればやるほど夢中になってくるんです。学校の授業で美術や家庭科などが好きだった方には、特に畑作業はおすすめです。
▼土で工作!畝の作り方ならコチラ
せまいベランダから始められる!
マンションにお住いの方に大人気のベランダ菜園ですが、小さな野菜しか育てられないと思っている方はいませんか?じつは、ほとんどの野菜やハーブがベランダで栽培することができるんです。
▼例えば、人気のミニトマト栽培にどんな準備が必要なのか?詳しくはコチラ
ほったらかしの土からでもスタートできる?
また、以前野菜を育ててみたことがあるんだけど、そのままにしているプランターや土がある方にも朗報です!使用していた土を再生して、再チャレンジできるんです。
▼初心者の方にも簡単なプランターの土の再生方法ならコチラ
キッチンで楽しむ家庭菜園は特別な準備不要
畑やベランダが無かったら家庭菜園ができないなんてナンセンス!植物は様々な環境で、その場所に適した栽培方法で育ってくれるんです。
▼畑やベランダがなくても、キッチンで楽しめるスプラウト栽培のことならコチラ
家庭菜園で野菜やハーブを「育てる」ということ
暮らしに合った家庭菜園の形は様々合って、そのための具体的な準備について考えた後は、今度は「育てる」ということがどういうことなのかについてご紹介していきましょう。小学校の授業以来、植物を育てたことがなかった方も、育てる感覚をきっと思い出すはずです。
種まきって意外と大事なんです
あんなに小さな種から作物が大きく生長することは、改めて考えてみてもすごいことです。だから、この種まきも、ただまけばいいというわけではないのです。種のまき方のコツや発芽に光が必要なものとそうでない作物、発芽に重要な温度のことなど、さらに植物の奥深さを知ることができます。いくつになっても、新しい発見があるのは楽しいものですね。
▼詳しい種のまき方についてはコチラ
植え付けは愛情込めて
野菜の苗はいわば作物の赤ちゃん。この幼苗期を大事に過ごすことで、のちの作物の生長に大きく関わってくるんです。なんだか人間と同じみたい。大切にお手入れをしてあげましょう。
▼「苗の選び方」については、「はじめてさんの家庭菜園Q&A」をご覧ください
▼野菜の種をまいた後の「間引き方」や「苗の植え付け方」ならについてはエディブルガーデンの4月(2017年)の作業で詳しくご紹介!
野菜を守るために大切な病害虫の防除対策
虫が苦手な方には恐怖を感じる項目かもしれませんが、嫌いだからと目をつぶって見ないでいた昆虫の世界にも驚きがいっぱいあるんです。
例えば、作物に近寄って欲しくない「アブラムシ」をわざわざ家庭菜園に連れてくる犯人は「アリ」だったり、「アブラムシ」をムシャムシャ食べて退治してくれるのが「テントウムシ」だったり、虫たちの戦国時代は今も健在なのです(笑)。
▼特に注意したい要注意害虫についてはエディブルガーデン9月(2017年)をご覧ください
作物の栄養となる正しい肥料の与え方
肥料不足というよりも、案外肥料の施し過ぎでトラブルが発生することが多いかもしれませんね。何事も「良い加減」が大切です。
▼肥料についてこの機会にしっかりお勉強するならコチラ
天気と環境に応じた適切な水やり
水やり3年とも10年ともいわれる水やりは、教科書通りにはいかないものです。育てている作物の必要とする水分量を把握しておくことが大切です。
▼特に真夏の水やりについてはエディブルガーデン7月(2018年)をご覧ください
育てたからこそ味わえるうれしい「3つの収穫」
どんな野菜の収穫も心がワクワクします!
スーパーで購入することしかできなかった野菜が、自分が育てた場所でたわわに実っているのですから。こんなに立派に育つものなのかと、誰かに伝えて思わず自慢してみたいそんな気持ちの高まりを覚えます。
しかも、実際に育てた人しか味わえないうれしい収穫の醍醐味が3つもあるんです。
1. 育てたからこそ味わえる収穫〜間引いた葉っぱもおいしくいただく
バジルの葉
種の発芽率や育て方によって多めに種をまくのですが、不要な新芽を取り除く「間引き」という作業で収穫する葉は、正にベビーリーフ。柔らかで、風味豊かな間引き菜をサラダでいただくのは格別です!
2. 育てたからこそ味わえる収穫〜野菜を丸ごといただく
スーパーで売られているニンジンは根の部分のみですが、育てたニンジンを収穫するときには立派な葉っぱもついてきます。
このニンジンの葉の部分は、天ぷらにすると最高に美味しいんです。お蕎麦やうどんと一緒にニンジンの葉の天ぷら添えはいかがですか?
食べきれない場合は、綺麗に洗って水気を取り除き、密封袋に入れて冷凍するとイタリアンパセリのようなハーブとしていろいろな料理に使えます。冷凍以外にも、天日干しや電子レンジでニンジンの葉を乾燥させて、ドライハーブや青のり感覚で料理にパラっとかけてお使いいただけます。
パクチーの花
ハーブで大人気のパクチーは、葉の収穫はもちろんのこと、こうして花まで育てるとエディブルフラワーとして食べることも可能です。食卓にハーブの花を飾るのも素敵ですね。
パクチーの花が咲いた後は、種まで育てると今度はコリアンダーに早変わり。しっかり茶色くなるまで種を育てて収穫し、乾燥させたら種をミルで引いて香辛料のコリアンダーとしても楽しむことができます。
▼パクチーを種から育てて、葉から種まで収穫する方法ならコチラ
3. 育てたからこそ味わえる収穫〜完熟野菜
完熟野菜といえば、何と言っても完熟トマトを味わってほしい!完熟状態とは、野菜のポテンシャルが最高の時です。この完熟の美味しさを味わってしまえば、自分で育てた感動と共に、いつまでも忘れられない味の記憶として残ることでしょう。
トマトの他にも、完熟したピーマンは栄養価も高くなり、甘みを感じるほどです。
苦いイメージしかないゴーヤが完熟すると実は黄色くなり、種は赤くなります。黄色く熟したゴーヤの実は、生のままスライスして、オリーブオイルと塩コショウをかけてサラダにしていただきます。完熟したゴーヤの種を口に入れると甘みさえ感じます。
また、未熟な状態で収穫するキュウリを、完熟近くまで大きく育てて、炒めて食べると全く別のキュウリの食感を楽しむことができるんです。ぜひ、みなさんにも完熟野菜の魅力を楽しんでいただきたい!
▼ベランダで育てた完熟したゴーヤをサラダで楽しむならコチラ
採れたての野菜やハーブを存分に「楽しむ」
何と言っても採れたての野菜に敵うものは無い!無敵の素材「採れたて野菜」を思う存分お楽しみください。
ミニトマトとパプリカ、ズッキーニで作るお食事カップケーキ。生地の中にも収穫した野菜やハーブを混ぜて楽しくクッキング!
紫玉ねぎ、縞ナス、ズッキーニ、ピーマンにパプリカ、そしてカラフルなミニトマト。レインボーのような串焼きベジタブルは、とにかく彩りが綺麗なので作っているだけでもう大満足!特に夏の収穫時期は、家庭菜園でのカメラ撮影の機会がグンと増えちゃいます(笑)。
オレンジジュースに収穫したローズマリーの葉を数日オレンジジュースに漬け込むだけで、ローズマリー風味のドリンクも作れます。ハーブティーや料理に使用するだけでなく、ポプリやインテリアにも活用できるから、ナチュラルな暮らしが実現できます。
▼ハーブを暮らしに取り入れるヒントならコチラ
自分らしい家庭菜園のカタチを思い浮かべる
野菜やハーブを育てる家庭菜園をご紹介してきましたが、カラフルな野菜を見ていると、なんだかワクワクしてきませんか?自分たちの生活に合った家庭菜園のスタイルで、今までの暮らしを何倍も豊かにすることができそうですね。
どんな菜園を作りたいのか、目指す家庭菜園を5W2Hで明確化
自分らしい「植物と暮らしを豊かにする」生活をするために、理想的な家庭菜園のカタチを考えましょう。自分に無理なく、そして楽しい家庭菜園をはじめるために、あなたが目指すのはどんな家庭菜園ですか?。目指したい家庭菜園を5W2Hで明確化していきましょう。
<When>
いつから育てる?
(例)引っ越ししてから、お休みに入ってから
<Where>
どこで育てる?
(例)庭、ベランダ、シェア畑
<Who>
誰と育てる?
(例)一人で育てる、夫婦で育てる、家族や仲間と育てる、初心者
<What>
何を育てる?
(例)育ててみたい野菜、育てやすい野菜、環境にあった野菜
<How>
どんなふうに育てる?
(例)畑、プランター、水耕栽培、狭いベランダでも育てられる
<Why>
どうして育ててみたいの?
(例)リフレッシュ、食材ゲット、子供のお受験のため
<How many>
どのくらい育ててみたい?
(例)育てる種類や数、お気に入りの作物、いろいろな種類をちょっとずつ育ててみたい
菜園の栽培スケジュールや設計図を作ろう
暮らしに合った自分らしい家庭菜園のカタチを見つけたら、具体的に栽培計画を立てていきましょう。というのも、野菜栽培では種まきや植え付けに適した時期というものがあります。そして、育てている野菜がいつ収穫時期になるのかを把握しておきましょう。
▼種まきや植え付け時期や育て方がよく分かる!野菜の栽培カレンダーはコチラ
また、育てる作物の特性をあらかじめ把握し、大きく育つものが草丈の小さな作物の日差しを遮るなんてことが無いように、どの場所で何を育てるのか菜園の設計図も必要ですね。手帳などに書き込んで楽しいプラン作りも良いですよ。
▼日当たり別おすすめ野菜とハーブについてはエディブルガーデンの3月(2018年)の作業で詳しくご紹介!
▼最初に何から育てるか迷ったらコチラ
▼お子さんとはじめる家庭菜園の作業を年齢別で詳しくご紹介!
私自身も仕事と家事・育児で忙しい毎日を過ごしていましたが、少しずつはじめた家庭菜園によって、毎日の忙しさでかき混ぜられていた心が静かに沈静していく経験をし、今に至っています。
野菜やハーブを育ててお手入れしているのは私なのに、なんだか植物に背中をさすられているみたいに心が落ち着いてくるから不思議です。太古の昔から、私たちの暮らしと植物は切り離すことのできない関係なのかもしれませんね。
さあ、珈琲でも飲みながら栽培プランを考える「妄想家庭菜園」から楽しみましょう。
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