ブラジル赤花(エーレルス女史(Renate Ehlers)が1996年12月に発行した DIE BROMELIE Vol.3 The Red-Flowered Tillandsias from Brazil に記載されている品種とチュリフォルミスなどの新品種を加えたもの)の1種であるガルドネリの変種ルピコラです。
自生地はブラジルのリオデジャネイロ州、カボフリオの近郊の海岸部です。
DIE BROMELIEに載っているルピコラの自生地画像を見るとバックに海が写っており、いかに海が近いかが伺えます。
野性採取個体を実際に手に取っていみると、垂れ下がっている下葉の部分が磯臭く、海水に当たっているというのが分かりました。
このことから、葉の間に小さな蟹の死骸が挟まっていたということにも納得がいきます。
一般的に、植物は塩害に弱いものが多いですが、ルピコラは塩害耐性がかなり強いようです。
基本種との違いは草姿と花がありますが、草姿は実生で増やされたものや仕立て方によって基本種と区別がつかない場合もあるため、花を見た方が確実です。
基本種は濃いピンク色で、ルピコラはピンク色~淡いピンク色の花を咲かせます。
ルピコラの草姿は大きく分けて3タイプあり、基本種の様に葉を長く伸ばして比較的大型になるものと、画像の葉が分厚くなり短い野生採取株由来のもの、開花サイズが小さいドワーフ(コンパクトタイプ)があります。
葉が分厚く短いものは流通量が少なく、数年前(2017年現在)までは小さな子株が輸入されていたようですが、現在ではほとんど見られません。
基本種は栽培難種として有名ですが、変種のルピコラは強健で、比較的育てやすいと言われています。
強健でありながら流通量が少ないのは、自生地が限られていることと、開花しにくく増えにくいという点があげられます。