マツバウンラン
- マツバウンランは、春から初夏にかけて淡い紫色の花が開花する北米原産の帰化植物。日本では1941年に京都ではじめて確認され、現在は関東以西のいたるところで見かける一年草または二年草です。松葉海蘭という名は、葉が松葉のように細く、花がウンラン(Linaria japonica)に似ていることにちなみます。名前に蘭とありますが、蘭の仲間ではありません。 春のマツバウンラン 株元にはロゼット状に広がる多肉質の葉が密集し、冬の間は地面に張り付くような姿をしています。春が近づくと、株元から花茎を伸ばし、茎先に複数の小さな花が下から上に向かって咲き進みます。 こぼれ種で増えるほか、株元から走出枝を出して広がっていきます。繁殖力が旺盛で、雑草として駆除されてしまうことも多いようです。河川敷や線路沿いのような荒れ地でも、日当たりさえ良ければ繁殖し、群生します。すっと直立して伸びた茎先に咲く、淡い紫色の花が群生する姿は、美しく見ごたえがあります。 園芸用として市販されている植物ではありませんが、ある日突然、庭で開花することがあります。かわいい花ですが、広がってほしくない場合は、種をつける前に摘み取るか、発芽したものを整理するとよいでしょう。