ミルクブッシュとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

植物名
ミルクブッシュ
学名

Euphorbia tirucalli
・Syn. Arthrothamnus tirucalli 
・Syn. Tirucalia tirucalli 
・Syn. Tirucalia indica

英名
Milk bush
別名・流通名
ミドリサンゴ
科名
トウダイグサ科
属名
ユーフォルビア属
原産地
エチオピア、南アフリカ、スーダン

ミルクブッシュの特徴

ミルクブッシュは南アフリカを中心に分布しているユーフォルビアの一種です。乾燥地帯に自生しており、多肉質な茎に水分を溜め込む性質があります。繁殖力旺盛でよく枝分かれします。幼苗のときは多肉植物のような見た目をしていますが、生長するにしたがって段々と木質化していき、やがて樹木となります。ミルクブッシュは茎に傷をつけるとユーフォルビア属特の乳液が出てきますが、人体に対しては毒性を持ちますので、むやみに素肌などで触らないようにしましょう。植え替え時などは手袋をすると良いです。

ミルクブッシュの詳細情報

園芸分類 多肉植物、ユーフォルビア
耐寒性 普通
耐暑性 強い
耐陰性 弱い

ミルクブッシュの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
植え替え
肥料

ミルクブッシュの栽培環境

日当たり・置き場所

【屋外】
春~秋にかけて屋外で管理することができますが、夏の直射日光を当ててしまうと、刺激が強すぎて葉焼けを起こしてしまうので、30%~50%の遮光をしてください。遮光率はそれぞれの環境に合わせて調整してください。気温が高ければ高いほど葉焼けは起きやすくなるので、40℃を超える場合は日陰に移すことをおすすめします。 遮光するときに遮光ネットや寒冷紗を使用すると簡単に遮光することができます。遮光ネットと寒冷紗はホームセンターや園芸店だけでなく、100均でも購入することが出来ます。

【屋内】
耐陰性があるので、屋内でも大丈夫です。しかし、日光がよく当たった方が健康な株になるので、なるべく日光が当たる場所に置いてください。室内だからと言って直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こしてしまうので、レースのカーテン越し程度の日光を当てて下さい。

【置き場所】
耐陰性もあるため、室内の日光が入る場所なら大丈夫です。 ただし、エアコンなどの風が直接当たると葉が傷んでしまうので、直接当たらない場所に移動してください。

温度

ミルクブッシュは低温に強いという訳ではないので、霜に当たらない様に気をつけましょう。ベランダ等で育てられている方は、肌寒くなってきた位から室内に取り込んで下さい。気温が低くなってくると生長が緩慢になります。

用土

ミルクブッシュは水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。そのため、出来るだけ水はけの良い土を使うのをおすすめします。自分でブレンドする場合は、多肉植物用の土2:赤玉土1:鹿沼土1の割合でブレンドし、生育環境に合わせて微調整してください。また、土の表面を赤玉土や鹿沼土、化粧砂などの無機質の用土で覆うことでコバエの発生を防ぐことが出来ます。

ミルクブッシュの育て方のポイント

水やり

ミルクブッシュは気温が低くなると休眠するので季節や気温(室温)によって水やりのタイミングを変える必要があります。

【気温が高いとき】
主に春~秋の生長期では土の表面が乾燥したらたっぷりと水を与えるようにします。

【気温が低いとき】
ミルクブッシュは気温が低くなってくると生長が緩慢になってきます。そのため、水をあまり必要としなくなるので、水やりの回数を減らします。具体的には、土が完全に乾燥してから水やりをしてください。ミルクブッシュを乾燥させて樹液の濃度を高めることで耐寒性を上げる事が出来ます。水やりの回数を減らしてミルクブッシュの葉が落ちてきたりするようならば水やりの回数を増やすなど調整してください。

【葉水】
葉水は乾燥を防ぐだけでなくハダニやアブラムシなどの害虫を予防する意味もあるので、毎日1回は霧吹きなどでするようにしましょう。
ミルクブッシュは葉にホコリが積もりやすいので、葉水のときに濡らしたティッシュペーパーか、ハンディモップを使って拭いて下さい。

肥料

夏から冬にかけては肥料はいりません。気温が落ち着き寒さが弱まった春に緩効性肥料を与えていきます。

病害虫

ハダニ
黄緑や赤い体色をした0.5mmほどの小さな害虫です。葉の裏側に潜み吸汁します。ハダニに吸汁された箇所は白い斑点状になるのですぐ分かります。そのまま放置しておくと最悪の場合枯れてしまいます。

アブラムシ
アブラムシは2~4mmほどの小さな害虫です。幼虫、成虫ともに葉や蕾を吸汁します。群生していることが多く、早めに対処しないと手遅れになる場合があります。
アブラムシはスス病などのウイルス病の媒介者で、吸汁されてしまうとそこからウイルスがミルクブッシュの中に侵入し、病気を発症させます。
また、小さな株は発症しなくても吸汁されたことで体力がなくなり、そのまま枯れてしまう場合があります。

カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、白い綿毛のようなものを背負っています。吸汁して生長していくと、身体からワックスなどを分泌し、身体を守ろうとします。カイガラムシに吸汁されると株が弱ってしまい、そのまま枯れてしまうことがあります。

ナメクジ
葉や花芽など、食べれる場所ならどこでも食害する性質の悪い害虫です。外に出していると寄ってくる場合があるので、注意してください。大食漢でもあるので、梅雨時などナメクジが発生しやすい時期は夜に見回りをしてください。少し食害された程度なら生長に問題はありませんが、小さい株の場合は葉の大半を食害されたり、生長点を食害されると枯れてしまう可能性があります。

ダンゴムシ
柔らかい花芽や新葉、根、発芽したての株を食害します。ナメクジより食害される可能性は低いですが、外で管理しており地面の近くにミルクブッシュを置いている場合は注意が必要です。

バッタ
イナゴなどのバッタは葉の硬さに関係なく食害します。また、食害する量も多いので気付かないでいると手遅れになっていることがあります。割り箸などで見つけ次第捕殺してください。防虫ネットも有効です。

ミルクブッシュの詳しい育て方

選び方

ミルクブッシュを買う時は必ず病害虫に注意してください。ハダニアブラムシ等が付着している株を買ってしまうと後々ミルクブッシュが弱ってしまったり、最悪の場合他の植物へ付着してしまう可能性があります。

植え付け

ミルクブッシュの植え付けは5月~6月の暖かい時期に行うのがおすすめです。 7月以降に植え付けを行う場合は猛暑日は避けるようにします。根が出ていない場合は、根が出るまで常に土が湿っているようにしてください。

植え替え・鉢替え

ミルクブッシュは植え替えをしないでいると鉢が根でパンパンになってしまい根詰まりを起こしてしまいます。そのため、環境にもよりますが1~2年に1度1回り大きい鉢に植え替えをする必要があります。水はけの良い土を使って植え替え、鉢底にはしっかりと鉢底石を入れてください。植え替え時期は5~6月頃が最適です。

夏越し

屋外で育てる場合、猛暑日は日陰に移動してください。30%~50%程度の遮光をすると葉焼けを防止することが出来ます。水やりは土の表面が乾いたら夕方~夜にたっぷり与えてください。午前中に行うと暑くなり煮えてしまいます。 活力剤を1000倍に希釈して水やりの2~3回に1度のペースで行うと夏バテを防止できます。

冬越し

気温が低くなったら生長が緩慢になるので、水やりを土が完全に乾燥してから行うようにしてください。霜に当たると枯れてきてしまうので、霜に当たらないように肌寒くなったら室内に入れるか、温室内でファンヒーターなどを使って保温してください。ファンヒーターなど暖房器具を使う場合は火事に注意してください。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

挿し木で増やす事が出来ます。枝を10cmくらいに切り、切り口から出る白い樹液を洗い流してから挿します。あまり動かないように支柱をすると成功率が上がります。適している時期は、5月から6月です。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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