ユーフォルビアとは?種類と育て方を草花から低木、多肉まで紹介
山田智美
このライターの記事一覧
ユーフォルビアについて、種類を草花、低木、多肉に分けて紹介します。さらに育て方、花言葉、基本情報、サボテンとの違いなど。ちょっと複雑なユーフォルビアのことを整理してお話します。
目次
ユーフォルビアとは?基本情報
草花のユーフォルビア
- 学名:Euphorbia
- 科名・属名:トウダイグサ科ユーフォルビア(トウダイグサ)属
- 和名:トウダイグサ
ユーフォルビアの特徴
ユーフォルビアとは、トウダイグサ科ユーフォルビア(トウダイグサ)属の総称。ユーフォルビアは非常に種類が豊富で、その数は2000種以上になるそうです。今でも新種が発見され続けているという話も聞きます。
ユーフォルビアは種類が多いだけでなく生態も多様で、一年草、多年草、低木、多肉植物まであります。特に多肉系ユーフォルビアは世界に500種以上あると言われています。
日本に自生している種類は約30種。どれも一年草や多年草の草本類です。トウダイグサやノウルシなどが日本で見られるユーフォルビアの仲間。身近な場所や山野に自生していますが、花が地味なためか、あまり注目されません。
多肉系のユーフォルビアは、サボテンかと見紛うようなものや、個性的なフォルムのものが多くおもしろみがあるため、コレクターもたくさんいます。
ユーフォルビアには毒がある?
ユーフォルビアは、葉茎を折ると白い乳液を出すものが多く、この乳液には毒が含まれます。その昔は、利尿薬や解熱剤に利用されていたとのことです。外国では有毒成分を利用して毒矢に使用していたところもあったとか。
ユーフォルビアの乳液は触れるとかぶれを起こすこともあるので、扱いに注意が必要です。
こんなにある!ユーフォルビアの種類
ユーフォルビア・オンコクラータ
たくさんあるユーフォルビアの種類の一部を、草花、低木、多肉に分けて紹介します。
草花のユーフォルビア4種
一年草や多年草のユーフォルビアです。草姿が美しいのでガーデニングで活躍します。
ユーフォルビア・カラキアス
ユーフォルビア・カラキアスは、耐寒性があり、戸外で育てられる多年草のユーフォルビアです。
ユーフォルビア・ゴールデンレインボー
ユーフォルビア・ゴールデンレインボーは、戸外で育てられる多年草のユーフォルビア。明るい黄緑色の斑入りの葉が魅力です。
ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト
ユーフォルビア・ダイアモンドフロストは、非耐寒性の低木。本来低木ですが、寒さに弱いので一年草として扱われています。白い小花がかわいらしく、人気のある品種です。
ユーフォルビア ・ブラックバード
ユーフォルビア ・ブラックバードは、戸外で育てられる多年草のユーフォルビア。「ユーフォルビア・マルティニ」の中の銅葉品種です。
低木のユーフォルビア5種
低木になるユーフォルビアです。日本では観葉植物として扱われているものがほとんどです。
ハナキリン(花キリン)
ハナキリン(花キリン)は、低木になるユーフォルビア。幹や枝には長いトゲがあり、若いうちは比較的柔らかく、次第に硬くなっていきます。
ポインセチア
ポインセチアは、常緑低木のユーフォルビア。クリスマスフラワーとして有名で、冬になると街中で見かけます。熱帯地方では2~3mの低木になります。
ミルクブッシュ
ミルクブッシュは、南アフリカを中心に分布しているユーフォルビア。幼苗のときは多肉植物のような見た目をしていますが、生長するにしたがって段々と木質化していき、やがて木となります。
ユーフォルビア・ディディエレオイデス
ユーフォルビア・ディディエレオイデスは、ハナキリン系のユーフォルビア。枝には長く鋭いトゲが生えています。
ユーフォルビア・デュラニー
ユーフォルビア・デュラニーは、ハナキリン系のユーフォルビア。枝にはトゲがあり、白くいぶし銀のような印象です。
多肉のユーフォルビア16種
多肉のユーフォルビアです。サボテンのように見えるものもありますが、サボテンではありません。
ユーフォルビア・オベサ
ユーフォルビア・オベサはサボテンのような見た目をしていますが、多肉系のユーフォルビア。トゲのように見えるのは花茎が残ったものです。
ユーフォルビア・峨眉山
ユーフォルビア・峨眉山はユーフォルビア・鉄甲丸とユーフォルビア・瑠璃晃の交配種です。
ユーフォルビア・ガムケンシス
ユーフォルビア・ガムケンシスはタコの様に見えることからタコモノユーフォルビアと呼ばれているグループの一種。丸い胴体から短くて太い枝を伸ばします。
ユーフォルビア・ゴルゴニス(金輪際)
ゴルゴニス(金輪際)はタコの様に見えることからタコモノユーフォルビアと呼ばれているグループの一種です。丸く平坦なフォルムが特徴です。
ユーフォルビア・白樺キリン
白樺キリンは多肉系ユーフォルビア。名前に白樺とあるように白いボディが特徴です。
ユーフォルビア・スザンナエ(瑠璃晃)
「ユーフォルビア・スザンナエ」は、和名を瑠璃晃という多肉系ユーフォルビアです。
ユーフォルビア・ソテツキリン(パイナップルコーン)
ユーフォルビア・ソテツキリンは、夏型の多肉系ユーフォルビア。ソテツやパイナップルを思わせる樹形です。
ユーフォルビア・デカリー
ユーフォルビア・デカリーは塊根性のユーフォルビアです。
ユーフォルビア・トゥレアレンシス
トゥレアレンシスは小型の塊根性ユーフォルビア。枝には細かいトゲが生えています。
ユーフォルビア・バリダ
ユーフォルビア・バリダは、多肉系ユーフォルビア。和名の万代という和名で呼ばれることもあります。
ユーフォルビア・プラティクラダ
プラティクラダは、多肉系ユーフォルビア。独特な見た目からか英名はゾンビプランツという名前で流通することもあります。
ユーフォルビア・ホリダ
ユーフォルビア・ホリダは、多肉系ユーフォルビア。魁偉玉(カイギキョク)という和名で呼ばれることもあります。
ユーフォルビア・ホワイトゴースト
ユーフォルビア・ホワイトゴーストは、多肉系ユーフォルビア。不思議なフォルムと白い肌が人気で、まっすぐに伸びた茎から手を広げるように茎を伸ばして生長します。
ユーフォルビア・マハラジャ(ユウヤケサンゴ)
ユーフォルビア・マハラジャは、多肉系ユーフォルビア。全体に鋭いトゲがあります。
ユーフォルビア・レシニフェラ(白角キリン)
レシニフェラは地味な見た目をした多肉系ユーフォルビアです。
ユーフォルビア・ローデシアカ(白雲巒岳)
ローデシアカは中柱種の多肉系ユーフォルビア。和名は白雲巒岳(しらくもらんがく)です。
ユーフォルビアとサボテンの違い
サボテンのようなユーフォルビア
ユーフォルビアとサボテンの違いは、ユーフォルビアはトウダイグサ科の植物、サボテンはサボテン科の植物であるということ。
多肉系ユーフォルビアのトゲのように見える部分は、花柄や托葉が変化したもの。サボテンのトゲは短枝葉なので成り立ちが違います。
一番わかりやすい見分け方は、トゲの付け根に刺座と呼ばれる毛のようなものが生えていればサボテン、生えていなければユーフォルビアです。
ユーフォルビアの育て方
ユーフォルビアの花
ユーフォルビアの育て方の特徴を、草花、低木、多肉に分けて紹介します。
ユーフォルビアは種類が多く、それぞれに特徴や個性があるので、実際に育てるときには品種ごとの育て方を確認することをおすすめします。
ユーフォルビアの育て方|草花(草本)
草花のユーフォルビアは、日当たりと水はけの良い場所を好みます。日当たりが悪いと花が咲かない他、徒長してしまうので気を付けてください。
乾燥気味を好むので、加湿に注意してください。風通しが良くなるよう管理するとよいでしょう。
一年草のユーフォルビアは、冬には枯れてしまいます。多年草のユーフォルビアは、気温が下がると地上部が枯れたようになって越冬します。
草花のユーフォルビアには、一年草と多年草があります。育ててから「枯れてしまった!」と慌てることのないよう、特性を確認しておきましょう。
ユーフォルビアの育て方|低木(木本)
低木になるユーフォルビアは、日当たりと水はけの良い環境を好みます。品種によっては直射日光が当たりすぎると葉焼けを起こすものもあるので、それぞれの管理方法を確認してください。
品種によっては、春から夏は屋外で日に当てて育てることもできます。寒さが苦手なので、冬は日当たりの良い室内で越冬させます。
ユーフォルビアの育て方|多肉
多肉のユーフォルビアは、日当たりと水はけ、通気性の良い環境を好みます。加湿は根腐れの原因となるので気をつけてください。
品種によっては、春から夏は屋外で日に当てて育てることもできます。寒さが苦手なので、冬は日当たりの良い室内で越冬させます。
多肉系ユーフォルビアは品種が多いのが特徴。それぞれの育て方について確認するようにしましょう。
ユーフォルビアの花言葉
ユーホルビア・ダイアモンドフロスト
ユーフォルビアの花言葉は、「明るく照らして」「控えめ」
和名をトウダイグサというように、周囲を照らす灯台を思わせるような優しい花言葉です。
ユーフォルビア属の仲間は2000種以上。すべてを把握するのは至難の業です。それでも、ガーデニングで活躍する草花のユーフォルビアからフォルムを楽しむ多肉や低木のユーフォルビア、クリスマスを彩るユーフォルビアまで。「これもユーフォルビアだ」とわかるだけで楽しくなります。ちょっとユーフォルビアに注目してみませんか。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「ユーフォルビアとは?種類と育て方を草花から低木、多肉まで紹介」の記事をみんなにも教えてあげよう♪