2月の庭を彩る花や花木とやっておきたい庭仕事

山田智美
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2月の庭を明るく彩る一年草や多年草の花と花木、やっておきたい庭仕事を紹介します。冬と春が混在する2月は、最後の冬の庭仕事と同時に春のための準備をすすめる時期です。
目次
2月に花を楽しめる一年草
アリッサム(スイートアリッサム)
アリッサムは、秋から春まで楽しめるアブラナ科の一年草です。本来は多年草ですが、高温多湿に弱く夏越しが難しいため、園芸上は一年草として扱われています。秋から冬に植えた時は小さかった苗がこんもりと大きくなって、小花をたくさん咲かせます。
パンジー、ビオラ
パンジー、ビオラは、冬から春に彩り豊かな花を咲かせるスミレ科の一年草です。2月になると、一気に花数を増やし、早春の日光を浴びて輝くように咲きます。
カレンデュラ
カレンデュラは、キンセンカやポットマリーゴールドという名前でも流通しているキク科の一年草です。オレンジや黄色といった明るい花色で早春のお庭を賑やかにしてくれます。
2月に花が美しい多年草と球根
クロッカス
クロッカスは、早春に小さな花を咲かせるアヤメ科の球根植物です。まだ周囲の植物が芽吹く前の枯葉ばかりのようなお庭で黄色や紫色の花を咲かせます。草丈低く、ちょこんと咲いているクロッカスを見つけると、宝物を発見したような気持ちになれます。
クリスマスローズ
クリスマスローズは、早春から春に花を咲かせるキンポウゲ科の常緑多年草です。春に色とりどりの花を咲かせる品種たちはレンテンローズとも呼ばれます。ピンクやクリーム色、一重咲きから八重咲きなど品種が豊富で、流通量が増えるのもこの時期。2月はクリスマスローズの新しい苗を見つけるタイミングでもあります。
スイセン
スイセンは、香りの良い花を咲かせるヒガンバナ科の球根植物です。冬から咲き始める早咲き種もありますが、多くの品種が咲き始めるのは2月の後半から。スイセンの香りを楽しみながら咲き終わった花がらを摘み取る作業は、もっとも幸せな庭仕事の一つです。
プリムラ
プリムラは、早春から楽しめる品種が多いサクラソウ科の草花です。本来は多年草ですが、高温多湿に弱く夏に枯れてしまうので、園芸上は一年草として扱われています。上手に管理して夏越しができれば、多年草として育てることができます。ジュリアンやポリアンサは草丈低くこんもりと大きくなるので花壇の手前に、マラコイデスは花茎を伸ばして小花をたくさん咲かせるので少し奥に植えると、高低差が出てお庭に立体感が生まれます。
2月に咲く花木
ウメ(梅)
ウメは、早春を代表するようなバラ科の落葉低木です。1月から咲き始める品種もありますが、2月の半ばから3月の頭くらいがもっとも多くの種類を楽しめる時期です。梅の花が咲くと、花の蜜をついばみに小鳥たちも集まってきます。
ジンチョウゲ(沈丁花)
ジンチョウゲは、すっとした芳香が魅力のジンチョウゲ科の常緑低木です。この花の香りで春の到来を実感する方も多いのではないでしょうか。ジンチョウゲは、2月の後半から咲き始めます。
ハーデンベルギア
ハーデンベルギアは、フジを小さくしたような花を咲かせるマメ科のつる性木本です。2月の後半から枝いっぱいに紫や白の花を咲かせます。まだ寒い季節にフェンスを覆うようにたくさんの花を咲かせる姿は、見とれてしまうような美しさです。
ロウバイ
ロウバイは、クリーム色の香りの良い花を咲かせるロウバイ科の落葉低木です。花の中心が紫褐色に色づいているものがロウバイ、花の中心までクリーム色のものはソシンロウバイといいます。
2月の庭仕事
2月は、冬の庭仕事を終わらせる最後のチャンスであり、春のための準備を整える時期です。2月にしておきたい庭仕事を紹介します。
春の苗選び
2月になると、一気に春の花苗が出回り始めます。迷ってしまうくらいの花苗の中からお庭に植えたいものを選ぶのは幸せな時間。春のガーデニングの醍醐味を楽しみましょう。
バラの剪定と誘引
バラの剪定と誘引は、バラの新芽が動き出す前の休眠期のうちに終わらせたい作業です。3月には芽吹き始めますから、遅くても2月の半ばまでには済ませるようにしましょう。樹形を整える剪定のほか、よく観察して黒ずんだ枝や勢いのない枝を整理します。春から健康に生育させるために必要な作業です。
つるバラの誘引もこの時期に行います。この時期は葉が落ちて枝がよく見えるので、誘引も容易です。アーチやパーゴラに麻ひもでしっかりと括り付け、暴れている枝や、余計な枝を思い切って落とします。しっかりと日が当たるように、混みあった枝も整理しましょう。たくさんの花を楽しむための大切な作業です。
落葉樹の植え付け
落葉樹の植え付けは、葉を落としている休眠期に行います。まだ植え付けていないものがあれば、2月のうちに済ませるようにしましょう。
寒肥
寒肥は、落葉樹が休眠している冬の間に施す肥料のことです。栄養を、冬の間にゆっくりと吸収させ、春に元気よく芽吹いてもらうための作業です。施し方は、根の先を狙って1周するようにまきます。根は、土の中で枝と同じような形状で広がっているので、枝の先端の下あたりを狙ってまけば、根の先から吸い上げられます。
多年草の株分け
2月は大きくなった多年草の株分けをするチャンスです。ギボウシのような株で大きくなるものは、新芽が動き出す前のこの時に株分けをします。株の周囲にスコップを入れて掘り返し、手で触って分けやすいところで株分けします。無理やり引きちぎるようなことはせずに、ハサミを使って切り分けるようにしてください。
春のための土づくり
2月は冬と春の境目の季節。春にたくさんの花やハーブを育てて楽しむために、2月のうちにふかふかの土づくりをしましょう。去年1年間植物を育て続けた土は疲弊して痩せているかもしれません。堆肥や腐葉土をすき込んで肥沃な土壌にしましょう。土壌改良剤を使用してもよいでしょう。
冬が遠ざかり、春の気配が色濃くなる2月は、冬と春が混在する時期。冬の庭仕事の最後の仕上げをしながら、やってくる春を迎える準備をしましょう。
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