ビワ(枇杷)
- ビワ(枇杷)は、バラ科ビワ属の常緑高木です。冬に白くて小さな花を咲かせ、初夏にオレンジ色の甘い果実を実らせます。あまり手がかからず、家庭で育てやすい果樹として人気があります。中国から渡来し、古くから愛されてきました。ビワ(枇杷)が果樹として栽培されるようになったのは、江戸末期からだと言われています。現在日本で多く栽培されている「田中」と「茂木」の2品種は、このころに渡来したビワ(枇杷)の実生変異種だと考えられています。同じく江戸時代には、ビワ(枇杷)の葉から作られた枇杷葉湯が、夏バテに効果があるということで庶民の間で大流行したそうです。 ビワ(枇杷)は、皮のように厚く固い葉を持ち、枝の先端にオレンジ色の軟毛のある果実を複数実らせます。果皮をむくと、みずみずしく柔らかい果肉のなかに黒く大きな種子が入っています。学名 Eriobotrya は、ギリシャ語の「erion(羊毛)」と「botorys(ブドウの房)」に由来し、ビワ(枇杷)の果実の表面に軟毛があること、ブドウのように複数の果実を実らせることを表しています。 ビワ(枇杷)は常緑樹ですが、厳寒期に花が咲くこともあって、寒害を受けやすいのが特徴です-2℃を下回ると被害が出やすくなるので、寒冷地での栽培は不向きな果樹です。また、樹高が高くなる木なので、幼木の頃から剪定をして、あまり大きくならないように育てます。