ネモフィラ、アネモネ、スカビオサを使ったブルー系の寄せ植えの作り方
とまつあつこ
このライターの記事一覧
モフィラ、アネモネ、スカビオサなどのブルー系の花苗はとても人気があります。今回はそんなブルー系の花苗を使った爽やかな寄せ植えの作り方を紹介します。ブルー系の花苗と相性抜群の花苗の紹介はもちろん、植え付ける時の苗のくずし方やリーフ類を株分けして植える方法もレクチャーします。
目次
- ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えを作ろう!
- ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えにおすすめの植物
- ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えの作り方
- ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えの管理方法
- ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えを作った植物のその後
- お気に入りの寄せ植えを作るための苗選び
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えを作ろう!
今回のテーマは、「ブルー系の寄せ植え」です。ネモフィラ、アネモネ、スカビオサのブルーを美しく引き立たせてくれる草花を合わせて寄せ植えします。
寒い間は植物の生長がゆっくりなので、苗がきゅっと肩を寄せ合ってこじんまりと可愛らしいですが、春になるとそれぞれの花が勢いよく咲き誇り、寄せ植えがボリュームアップします。その姿を見るのを楽しみに育てましょう。
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えにおすすめの植物
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えを作る時の苗選びのポイントは、ブルー系の中でも微妙に違うブルーの色の花、咲き方の違う花を合わせることと、ブルーを美しく引き立てるために、他の色を加えすぎずにホワイト系の小花やリーフ類を合わせることです。リーフ類は株分けしてちりばめます。
それでは、ブルー系の寄せ植えに使った植物を選んだ理由も含めて紹介していきます。
ネモフィラ ~ハゼリソウ科 耐寒性一年草~
この苗を選んだ理由
寒さに強く、花は5月頃まで楽しめます。まだ寒い頃から春まで楽しめるブルー系の花といえば、まずネモフィラ。その中でも美しいスカイブルーのネモフィラを選びました。
育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。桜の咲く頃に勢いを増して開花します。高温多湿に弱いのでどちらかといえば乾燥気味を好みます。水やりは土の表面が乾いたら株元にたっぷりとあげます。
▼ネモフィラの魅力や詳しい育て方はこちらの記事でご紹介。
アネモネ ポルト ~キンポウゲ科 耐寒性球根~
この苗を選んだ理由
寒さに強く、花は5月頃まで楽しめます。まだ寒い頃から春まで楽しめるブルー系の花で、ネモフィラに負けないインパクトがある花はアネモネ。花色は白やピンク、赤、グリーン系もありますが、今回はブルー系の花苗の一つとして選びました。
写真のアネモネのように、葉っぱが良く育ち濃い緑色で株がしっかりしているものを選びましょう。根元にたくさんのつぼみがついていると、一つ目の花が咲き終わっても次々と花が咲きます。
育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。定期的に追肥をして、土の表面が乾いたら株元に水をたっぷりとあげます。
▼アネモネの詳しい育て方はこちらの植物図鑑でご紹介。
スカビオサ ~マツムシソウ科 耐寒性多年草~
この苗を選んだ理由
寒さに強く、花は6月頃まで楽しめます。3つ目のブルー系花苗として、スカビオサを選びました。爽やかで優しい印象の丸い花を次々に咲かせます。
育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。過湿に弱いため、土が乾いてからお水をあげます。比較的冷涼な気候を好むので、温暖地では夏は乾燥に気をつけて半日陰の風通しの良い場所に置いてあげると元気に夏を超えられます。
▼スカビオサの詳しい育て方はこちらの植物図鑑でご紹介。
イベリス ブライダルブーケ ~アブラナ科 耐寒性多年草~
この苗を選んだ理由
寒さに強く、花は6月頃まで楽しめます。ブルーを引き立てる上品なホワイト系の花といえばイベリス。お砂糖のお菓子のようなかわいい花が株をおおうように咲きます。清楚で気品あふれる姿に魅了されます。
育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。暑さや乾燥に強く、丈夫で育てやすいですが、直根性で移植は嫌いです。
▼イベリスの詳しい育て方はこちらの植物図鑑でご紹介。
イングリッシュデージー ~キク科 耐寒性多年草(一年草)~
この苗を選んだ理由
寒さに強く、花は5月頃まで楽しめます。原種のデージーで、野の趣があります。ブルーを引き立てる上品なホワイト系の花の二つ目として選びました。花の中心がイエローなので、控え目でありながら明るいポイントになります。
育て方のコツ
日なたと水はけのよい用土を好みます。強い乾燥が苦手です。夏が苦手なため、寒冷地では多年草になりますが暖地では一年草扱いになります。
ヘデラ白雪姫 ~ウコギ科 耐寒性木本~
この苗を選んだ理由
本葉はグリーンで、寒い時期に新しい葉は雪が積もったように白くなります。グリーンの葉と白い斑が入った葉のグラデーションが上品で美しく、ブルー系の寄せ植えに合います。株分けして何ヵ所かに植えます。茎が伸びてくると寄せ植えに美しい流れをつくるとことができます。
育て方のコツ
日なたから半日陰の場所を好みます。一般的なヘデラ(アイビー)より少しデリケートですが、強い霜があたらなければ外で育てられます。真夏の直射日光で葉焼けをおこすことがあるので、真夏は半日陰か室内の明るい場所に移動させてあげると葉が美しく育てられます。
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えの作り方
それでは、寄せ植えを作っていきましょう。
準備するもの
- ブリキの器(今回は直径25㎝ほどのサイズ、内側にビニールポット付き)
- 肥料入り培養土
- 鉢底石
- ココヤシファイバー(無しでも可)
- 土入れ
- はさみ
- 手袋
- ジョーロなど
- ポット苗(6ポットくらい)
花苗ブルー系3ポット、花苗ホワイト系2ポット、株分けできるリーフ1ポットがおすすめです。
植える配置をイメージして苗を選びましょう。
作り方
植えた後に苗がどのように育っていくか(上に伸びる、横に広がるなど)をイメージしながら、苗の配置を考えます。ヘデラは、株分けして寄せ植えにちりばめます。
ブリキの器の内側にセットされているビニールポットに穴が開いていない場合は、ハサミで穴を開けましょう。ビニールポットが無い場合は、鉢底ネットか不織布などを敷いて、土が流れ出ないようにします。(排水口ネットなどでも代用できます。)
鉢底石を器の底が見えなくなるくらい入れます。
苗の高さをチェックして、水をあげる時に土が流れ出ないようにするウォータースペースが1㎝ほど確保できることをイメージします。
イメージした感じをもとに、鉢底石の上に土を入れていきます。
後ろ側に植えるスカビオサをポットから出します。
根元の黄色くなった枯葉やゴミなどを取り除きます。
苗の底の部分の根っこを少しくずしていきます。
このように根をくずすことで根が活性化され、植え付けた後の根の張りが良くなります。
植え付けた後にスカビオサがどのように伸びていくかイメージしながら、美しく見える向きに配置します。
次に、同じく後ろ側に植えるアネモネをポットから出します。アネモネは球根植物です。根の部分に球根が入っているので土をくずさずに、根元の枯葉やゴミだけ取り除いて植えましょう。
アネモネは今は一つしか花が咲いていませんが、根元にいくつかのつぼみがあるので次々と咲きます。今咲いている花と葉のボリュームを見て、バランスの良い向きに配置します。
右側に植えるイベリスをポットから出します。イベリスは直根性で移植は嫌いです。根をいじられることが苦手なので、アネモネと同様に土はくずさず、根元の枯葉やゴミだけ取り除いて植えましょう。
イベリスが美しく見える向きに、かつ、隣り合う苗の根元の高さをそろえて、ウォータースペースが1㎝とれるか気にしながら配置していきます。
左側に植える、イングリッシュデージーをポットから出します。枯葉もゴミも無く、あまり根がはっていないので、そのまま植えていきます。
前側に植えるネモフィラも、根元の枯葉やゴミなどを取り除き、底の根を軽くほぐして植えましょう。
美しく見える向きに配置します。
最後にヘデラを株分けします。土の部分を両手で持ち、優しくもみほぐして根っこが分かれているところを探していきます。なるべく強い力を加えずに、自然に分かれるところをみつけましょう。
まず、2つに分けます。
2つに分けたものをさらに分けて4つにしていきます。株分けしにくい苗の場合は、無理に分けると根が全く無い状態の株ができてしまうので気を付けましょう。
株分けしやすそうな苗を選ぶことも大切です。苗の根元をよく見て、茎と茎の間隔があいているものは株分けしやすいことが多いです。
4つに分けたヘデラは、少しずつボリュームや葉の色、茎の曲がり方が違います。それぞれの株が生かされる場所にちりばめましょう。
まず、右側のアネモネの隣の隙間に、手前側に茎が流れるように植えます。
次に、真ん中の隙間に、白い斑が美しい株を植えます。
左側には、ヘデラの茎が伸びた時に美しい流れをつくってくれるイメージをしながら、小さな株を植えます。
手前側には、一番見栄えのする株を入れてフォーカルポイントをつくります。
苗を全部配置したら、苗と苗の間に土を入れます。
外側から一周、土を入れては指でつっつきながらしっかりと入れていきます。
真ん中の苗の間にも隙間があります。苗がぐらつかないようにしっかりと土を入れます。
ウォータースペースの部分に、ココヤシファイバーをふんわりと置いていきます。ココヤシファイバーを置くことで、水やりをする時に水が流れ出にくくなります。見た目もオシャレですよね。
完成です。はじめは水が浸透しにくいので、ゆっくりと、器の底から流れ出るくらいたっぷりの水を株元からあげましょう。
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えの管理方法
寄せ植えを上手に管理して、冬から春までながく楽しみましょう。
置く場所
屋外の日なたに置きます。
肥料
肥料入り培養土を使うので、1カ月後から水やりをかねて液肥や固形肥料を与えます。
花がら取り
こまめに花がらを取って、次の花をどんどん咲かせましょう。
水やり
冬は1~2日に一度、暖かくなってきたら天気の良い日は毎日水をあげましょう。水は花や葉にかけるのではなく、株もとからあげることで美しく育ちます。
ネモフィラなどのブルー系の寄せ植えを作った植物のその後
一年草のネモフィラ、アネモネ、イングリッシュデージーは5月頃までは美しいのですが、暑くなってくると姿も乱れて元気もなくなってきます。その頃が植え替え時です。初夏から寒くなるまで咲く花やカラーリーフに植え替えましょう。
多年草のスカビオサ、イベリスは6月頃まで花が楽しめます。スカビオサは比較的冷涼な気候を好むので、温暖地では夏は半日陰の風通しの良い場所に置いてあげると元気に夏を超えられます。イベリスは暑さや乾燥に強いので翌年も花が楽しめます。
木本のヘデラは、いつも常緑で楽しめます。
一年草の部分を別の花に植え替えて引き続きこの鉢を楽しむ場合は、スカビオサとヘデラのことを考えると真夏の強い直射日光は避けて明るい半日陰の風通しの良い場所に置くことがおすすめです。一年草を植え替える際は、明るい半日陰でも育つ草花を選ぶと良いですね。
お気に入りの寄せ植えを作るための苗選び
今回、ブルー系の寄せ植えを作ると決めて、ネモフィラ、アネモネ、スカビオサを選びました。そんなブルー系の花たちに何を合わせたらブルーが引き立つか。ピンクを少し挿し色に使うなども考えましたが、どうしてもネモフィラのブルーと主張し合ってしまう。爽やかなネモフィラのブルーを引き立たせるためには、足し算ではなく引き算が必用。色々組み合わせた結果、シンプルで上品でかわいらしいホワイト系の小花とヘデラを選びました。
苗の組み合わせで悩む時は、組み合わせた苗の写真を撮って画像を見ると、「何か違う。」とか、「ごちゃごちゃしてる」とか、「この雰囲気好き!」などが一目瞭然だったりします。肉眼だと気づかないことに、画像を見ると気づけることも度々あります。
苗の組み合わせが決まれば、寄せ植え作りの半分は完成。苗の組み合わせを考える時間はとても大切です。ぜひ、お気に入りの寄せ植えを作ってお楽しみください。
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「ネモフィラ、アネモネ、スカビオサを使ったブルー系の寄せ植えの作り方」の記事をみんなにも教えてあげよう♪