3月の寄せ植えに使いたい花12選

戸松敦子
このライターの記事一覧

3月の寄せ植えに使いたいメインの花と小花、カラーリーフをご紹介!
3月になると園芸店の苗売り場はカラフルな苗でいっぱいになります。ぽかぽかした暖かい日が続いたと思うと、急に冬に戻ったような寒い日があったりする3月。春を感じて咲き出す花たちを使った寄せ植えを飾って、草花から元気をもらいましょう!3月の寄せ植え作りのポイントや管理方法についてもお話しします。
目次
3月の寄せ植え作りのポイント
春の訪れを知らせてくれるように植物たちが生き生きと動き始める3月。やわらかい日差しの中で草花がすくすくと育ちます。春になると園芸店には様々な色や形の花苗が豊富にそろうので、寄せ植えの組み合わせも好きなものが見つかりやすいのでは。春は絶好のガーデニングシーズン。ぜひ、お気に入りの寄せ植えを作ってお楽しみください。
写真の寄せ植えは、手つきのかごを器にしてパステルカラーの草花を植え付けました。器が軽いので移動しやすく、玄関やお庭、ベランダなどその日の気分で飾る場所を変えられます。プレゼントにも喜ばれそうですね。
寄せ植えに使った草花
- ローダンセマム(ピンク)
- 宿根ネメシア(ピンク)
- スカビオサ[松虫草](紫)
- バコパ[コピア](白)
- ワスレナグサ(水色)
- アイビー
▼春におすすめの寄せ植えはこちら
▼春におすすめのピンク色の花はこちら
写真の寄せ植えは、オステオスペルマムを中心にビタミンカラーのイエロー系の草花を集めて作りました。
寄せ植えに使った草花
▼オステオスペルマムを使ったおすすめの寄せ植えはこちら
「2月の寄せ植えに使いたい花12選」で紹介した中にも、アネモネやラナンキュラスなど、引き続き3月の寄せ植えにおすすめの花が載っています。ぜひご参考にしてください。
▼2月の寄せ植えに使いたい花はこちら
3月の寄せ植えに使いたい花12選
それでは、3月の寄せ植えに使いたい草花を紹介していきます。
3月は穏やかな暖かい日が増えるものの、急に寒くなったりとまだ寒暖の差があります。寒さに強い草花を中心に、春らしい草花をセレクトして寄せ植えを作りましょう。
オステオスペルマム ~キク科 半耐寒性多年草~
オステオスペルマムの花期は3月~6月と9月~11月頃。ぱっと目を引く大ぶりの花を咲かせます。日なたと水はけの良い用土を好み、東京以西の暖かい地域では霜にあたらなければ越冬して大株になります。
オステオスペルマムは一重咲きのほか、八重咲きタイプもあります。様々な色や咲き方があり、寄せ植え作りのメインとわき役どちらにも使えます。
オステオスペルマムは、同じキク科のディモルホセカと似ていますが、ディモルフォセカは一年草、オステオスペルマムは多年草として分類されています。
このように個性的な変わり咲きをするオステオスペルマムもあります。変わり咲きタイプを寄せ植えに使うときは、この独特なフォルムの魅力を引き立たせてくれる、主張し合わないわき役を選ぶと素敵に仕上がります。
▼オステオスペルマムのさらに詳しい育て方はこちら
オステオスペルマム
- オステオスペルマムは、南アフリカ原産のキク科の多年草です。見た目はディモルホセカと似ていますが、分類的にはディモルフォセカは一年草、オステオスペルマムは多年草として分類されています。ただし、両者を交配して作られた種も最近はあります。 オステオスペルマムは、花びらがきらきらとして艶があり、太陽とともに開き、夜間や曇天、雨の日は花びらが閉じます。最近は、開閉しない品種も出てきています。オステオスペルマムはとても豊富なカラーバリエーションで、花の咲き方も八重咲や花びらがスプーン状の品種もあります。多花性で斑入り品種もあり、葉っぱと花を両方楽しめる品種もあります。寄せ植えなどにも大活躍する育てやすい草花です。
▼渋谷園芸の樺澤智江さんに教わった、オステオスペルマムを使ったおすすめの寄せ植えはこちら
マーガレット ~キク科 半耐寒性多年草~
マーガレットの開花期は11~5月頃。ガーデニングでとても人気のある花です。代表的なものは花の中心が黄色で、白く細い花びらが特徴的なタイプ。葉はギザギザしていて、スラリとした茎を伸ばして花を咲かせます。
このように、濃いピンクと淡いピンクの花が混ざって咲くタイプもあります。マーガレットは霜に当たらなければ戸外でも冬越しができますが、高温多湿が苦手なため梅雨時や真夏の高温期には花を休みます。(涼しい地域では夏場も花を楽しめます。)
マーガレットは一重咲きのほか、八重咲きやポンポン咲きなど変化に富み、花色も豊富に流通しています。草丈は品種によって様々で、30~10cmまであります。
▼マーガレットのさらに詳しい育て方はこちら
▼渋谷園芸の樺澤智江さんに教わったマーガレットを使ったおすすめの寄せ植えはこちら
ローダンセマム ~キク科 耐寒性多年草~
ローダンセマムの花期は3月~6月頃。シルバーがかった美しい葉から茎を伸ばした先に可愛い花を咲かせます。マーガレットに似ていますが、マーガレットと比べるとローダンセマムの方が寒さに強い特長があります。梅雨時や真夏の高温期に弱い点はマーガレットと同じで、夏を上手に越せると翌年も花を咲かせます。
ローダンセマムは花が終わったら梅雨前に切り戻しておくと風通しが良くなり、夏越ししやすくなります。また、夏越し後に姿が乱れた株は、秋に切り戻すとふんわりと状態良く育ちます。
▼「元気で活きのいい植物&マルシェオニヅカ」の井上盛博さんに教わったローダンセマムを使った寄せ植えはこちら
マツムシソウ(松虫草) ~マツムシソウ科 耐寒性多年草~
スカビオサ(松虫草)は寒さに強く、3月~6月頃まで優しい印象の丸い花を次々に咲かせます。花色は薄紫、紫、赤、白、ピンクなどがあります。
スカビオサ(松虫草)は、日なたと水はけの良い用土を好みます。過湿に弱いため、土が乾いてから水を与えます。比較的冷涼な気候を好むので、温暖地では夏は乾燥に気をつけて半日陰の風通しの良い場所に置いてあげると元気に夏を超えられます。
▼スカビオサ(松虫草)のさらに詳しい育て方はこちら
▼スカビオサ(松虫草)を使ったおすすめの寄せ植えはこちら
宿根ネメシア ~ゴマノハグサ科 半耐寒性多年草~
宿根ネメシアは、-3℃以上の気温があれば1年中開花する四季咲き性の性質があります。様々な色があり、メインの花を引き立てる可愛い小花が寄せ植えのアクセントに使いやすいです。
宿根ネメシアは、東京以西の暖かい地域では霜に当たらなければ越冬して翌年も花を楽しめます。
▼宿根ネメシアのさらに詳しい育て方はこちら
ワスレナグサ(忘れな草) ~ムラサキ科 耐寒性一年草~
ワスレナグサ(忘れな草)は、3月~6月頃に可愛らしい小花を咲かせます。花色はブルーのほか、白やピンク色などがあります。
ワスレナグサ(忘れな草)は暑さと過湿を嫌い、夏越しが難しいことから日本では一年草として扱われていますが、こぼれ種でどんどん増える繁殖力の強い植物です。最近では草丈が高い品種も出回り、切り花としても人気があります。
▼ワスレナグサ(忘れな草)のさらに詳しい育て方はこちら
▼ワスレナグサ(忘れな草)の花言葉はこちら
エレモフィラ ~ゴマノハグサ科 半耐寒性常緑低木~
エレモフィラ・ニベア
エレモフィラ・ニベアは銀白色の毛に覆われた美しい葉を持つオーストラリア原産の常緑低木。3月~5月頃、青紫色の爽やかで美しい花が咲きます。
エレモフィラ・ニベアは日当たりの良い場所を好みますが、真夏は風通しの良い半日陰を好みます。乾燥に強く過湿に弱い性質があります。冬は霜に当たらないように注意します。
エレモフィラ・トビーベル
エレモフィラ・トビーベルは、エレモフィラ・ニベアより少し濃いブルーをした大きめの花を咲かせます。葉は平べったい小葉で、ニベアよりはやや緑色のシルバーリーフです。ニベアと比べると四季咲き性が強い性質があります。
▼エレモフィラのさらに詳しい育て方はこちら
- エレモフィラは、銀白色の毛に覆われた美しい葉を持つオーストラリア原産の常緑低木。エレモフィラ・ニベアや、エレモフィラ・トビーベルという品種がよく流通しています。春に淡いラベンダー色や青紫色の爽やかな花を咲かせ、シルバーリーフとの対比が美しく人気があります。エレモフィラの中には、エレモフィラ・マクラタ(エミーブッシュ)のようにカラフルな花を咲かせ、葉に毛があまりなくほぼ緑葉のタイプもあります。花の形や色は品種によって大きく異なります。 エレモフィラは暑さ寒さにあまり強くない性質で、どちらかというと乾燥に強く高温多湿に弱い植物です。日本の気候では大きく育つ前に枯れてしまうことが多く、一年草や二年草扱いで草花のように育てられている印象もあります。日本では庭植えより、鉢植えの方が育てやすい植物です。日当たりを好みますが、真夏は風通しの良い半日陰で管理すると状態よく育ちます。温暖地であれば霜に当たらないように冬越し対策を行うと翌年も楽しめます。 ▼冬越し対策についてはこちら 植物も冬支度!宿根草とハーブの冬越し 師走に入り、紅葉の見ごろもそろそろ終わり、落ち葉の季節となりました。この季節の花壇の風景は見た目にはとても地… 金子三保子 2017.12.11 DIY・ガーデニング
▼エレモフィラのようなシルバーリーフはこちら
コロニラ・バレンティナバリエガータ ~マメ科 半耐寒性多年草~
コロニラ・バレンティナバリエガータは伸びやかに細い枝を伸ばし、3月~5月頃に黄色い小花を咲かせます。葉に白い斑が入っているのでとても明るい印象です。
コロニラ・バレンティナバリエガータは、日なたと水はけの良い用土、風通しの良い場所を好みます。寒さに比較的強く、東京以西の暖かい地域では霜に当たらなければ常緑で越冬しできます。
▼コロニラ・バレンティナバリエガータのような黄色い花はこちら
花かんざし ~キク科 非耐寒性多年草(一年草)~
花かんざしは3月~5月頃、ドライフラワーのようなカサカサした不思議な手触りが魅力的な花を咲かせます。ふんわりした小さな花が次々と咲き、軽やかに揺れている姿から「冬の妖精」とも呼ばれています。
花かんざしは、日当たりと風通しの良い乾燥した場所を好みます。寒さにあまり強くはありませんが、暖かい地方ならば軒下などで冬越し出来ます。蒸れと湿気に弱いので、梅雨前までの一年草として扱われることもあります。
これは花かんざしを使った寄せ植えです。花かんざしはメインの花を引き立たせるわき役の小花として、全体のバランスを美しく整えています。
▼花かんざしのさらに詳しい育て方はこちら
▼花かんざしの楽しみ方はこちら
バーベナ ~クマツヅラ科 耐寒性多年草(非耐寒性一年草)~
バーベナは3月~11月頃まで長い期間花を咲かせます。小さな花が集まって丸い花姿になってこんもりと咲く特徴があります。
耐寒性がなく一年草扱いのものと、比較的耐寒性があって多年草となる品種があります。草姿についても、匍匐性のタイプや立性のタイプなどそれぞれ異なります。
夏の暑さでバーベナの草姿が乱れたときは、8月下旬頃に切り戻しを行います。切り戻す位置は草丈の1/2~1/3くらいの場所が適しています。切り戻してしばらくすると、ボリュームのあるしっかりした草姿に育ち、秋に再び花を楽しめます。
▼バーベナのさらに詳しい育て方はこちら
バーベナ
- バーベナはバーベナ属の園芸品種の総称でビジョザクラ(美女桜)ともいいます。品種によって耐寒性がなく一年草扱いのものと比較的耐寒性があって多年草(宿根草)となる品種があります。どちらも桜形の小花をこんもりとした花を花笠状に咲かせます。最近は宿根系バーベナなどの園芸交配種も作られています。這う性質のバーベナは、グランドカバーとして花壇植えコンテナ、ハンギングなどにも利用できます。ハーブのレモンバーベナは同じクマツヅラ科ですが属が異なる落葉低木で別の植物です。 たくさんの品種があるバーベナは、品種によって、1年草・多年草(宿根草)、匍匐性・立性と、生育のリズムや生長の仕方がまったく違います。花丈も匍匐性のものは15~20cm、高性のものは1m50cmほどに生長します。購入したバーベナが、どのタイプのものかを調べてから、植栽する位置などを決めることが大切です。
▼バーベナの花言葉はこちら
クリサンセマム・ムルチコーレ ~キク科 半耐寒性一年草~
クリサンセマム・ムルチコーレは這うように低く広がって育ち、3月~5月頃に明るい黄色の小花をたくさん咲かせます。花は一重咲きで丸みを帯びたカップ状の可愛いフォルムをしています。寄せ植えに明るいイエローをプラスしたいときに使いやすい花です。
▼クリサンセマム・ムルチコーレのさらに詳しい育て方はこちら
アイビー ~ウコギ科 耐寒性木本~
アイビーは常緑のツル性植物です。葉の色や形、大きさが様々ありますが、白い斑が入っているタイプは寄せ植えの株元を上品に明るく彩り、動きを出すアクセントに使いやすいのでおすすめです。
白い斑の入ったアイビーは一見全部同じように見えるかもしれませんが、斑の入り方や色、葉の形は品種によって全く異なります。寄せ植えに合わせてみるとその違いがはっきりとわかります。
このアイビーは葉の縁が丸いタイプで、優しい印象を与えます。逆に、葉がとがっているタイプはシャープな印象をつくることができます。
アイビーは株分けして寄せ植えの何か所かに分けて植えることができます。写真のように、株分けした一つを寄せ植えの後ろ側に植え込み、茎を前に流すようにすると、どこから見ても美しい仕上がりになります。
▼アイビーのさらに詳しい育て方はこちら
アイビー(ヘデラ)
- アイビーはウコギ科キヅタ属に分類されるツル性植物で、属名のヘデラの名前でも流通しています。葉の模様が様々あり、白い斑が入っているものやグレーやライトグリーンなどのマーブル模様の葉などがあります。アイビーは性質も非常に強健で屋外で難なく越冬することができます。そのためグランドカバープランツとして使用されることもあります。 また、地面に植えたアイビーは家屋の壁に活着し、外壁を覆いつくしてしまうこともあります。アイビーは水耕栽培でも育てることが出来るため、いろいろな模様のアイビーを少量ずつビンやビーカーなどに水挿しにするとインテリアにもなります。アイビーは耐陰性もあるため、出窓のある洗面所などに置くこともできます。
▼アイビーを使ったリースはこちら
3月の寄せ植えの管理ポイント
置く場所
寄せ植えは屋外の風通しの良い日なたに置きます。日があまり当たらないと、花が咲きにくくなります。
水やり・肥料
暖かい日が続くと土が乾きやすくなります。また、かごタイプの器は排水性が良く、普通の鉢に植えるよりも若干土が乾きやすいことがあります。株元の土の乾き具合を確認して、水切れしないように水やりしましょう。雨に当たった日は水やりはお休みします。
植え付けるときに肥料入りの培養土を使った場合は、1カ月後から液肥や固形肥料を与えましょう。
花がら取り
咲き終わった花(花がら)や古い葉は、見た目も悪く病害虫の発生も促すので早めに取り除きます。花がらを取ることで、次の花が咲きやすくなります。
花後の管理
3月に作る春の寄せ植えは、上手に管理して5月または6月頃まで楽しめたら大成功です。一年草は枯れてしまったら抜き取り、夏の高温多湿に弱い多年草は別の鉢に植え替えて涼しい半日陰で管理して夏越しするのがおすすめです。
▼寄せ植えの植え替えについてはこちら
▼編集部のおすすめ