シェードガーデン|日陰のタイプ別におすすめ植物を紹介
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「シェードガーデンとは?」という疑問から、日陰のタイプ別におすすめ植物を紹介します。花が咲くものからグランドカバーになるものまで。素敵なシェードガーデン作りに役立ててください。
目次
- シェードガーデンとは?
- 明るいシェードガーデンにおすすめ植物
- 暗いシェードガーデンにおすすめ植物
- 湿ったシェードガーデンにおすすめ植物
- 乾燥したシェードガーデンにおすすめ植物
- シェードガーデンを植物以外でかっこよくするには
シェードガーデンとは?
シェードガーデンとは、日陰の庭のこと。日陰という意味の英語 shade と、庭という意味の英語 garden を組み合わせた言葉です。
一概に日陰といっても、いろいろなタイプがあります。時間のあるときに自宅のお庭やバルコニーで、日陰の様子を観察してみてください。一日中ほとんど日が当たらない暗い日陰もあれば、午前中または午後の半日は日が当たるような日陰もあります。地面が乾きにくいじめじめと湿った日陰もあれば、建物の陰になっていて雨が当たらない乾燥した日陰もあります。
日陰のタイプによって育てやすい植物の種類も変わります。自宅の日陰をよく観察して、日陰のタイプにあった植物を選びましょう。
明るいシェードガーデンにおすすめ植物
明るいシェードガーデンとは、一日の半分くらいは日が当たるお庭のこと。明るいシェードガーデンにおすすめの植物は、強い直射日光は苦手だけど、まったく日が当たらないような場所も苦手という種類ばかり。花を楽しめるものが多いのが特徴です。
アジュガ
- 科名:シソ科
- 学名: Ajuga
- 分類:多年草
- 花期:3月~5月
特徴
アジュガは、濃い紫や青紫の花が美しい多年草。葉もグリーンから斑入りまでいろいろあります。草丈低く横に広がって増えていくので、グランドカバーとして活躍します。
育て方
明るい日陰で育てられる、手間のかからない植物です。植えっぱなしで勝手に広がってくれます。暗い日陰では花が咲かないこともありますが、斑入り種を植えてあげると木漏れ日と一緒になって明るい景色を作ってくれます。
イカリソウ
- 科名:メギ科
- 学名:Epimedium
- 分類:多年草
- 花期:3月~4月
特徴
イカリソウは、花の形が船の錨(いかり)に似ているというのが名前の由来です。花色が豊富で、白からピンク、淡い黄色まであります。3月~4月頃、まだ緑が濃くなる前に淡い色の小さな花を咲かせます。山林の木漏れ日が当たるような明るい日陰で群生しているのを見かけます。
育て方
乾燥した明るい日陰を好みます。水はけの良い用土に植え付けるようにしてください。蒸れに弱いので、水やり過多に注意しましょう。地下茎で増えるので、数年で群生する見事な景色を楽しめるようになります。
スミレ
- 科名:スミレ科
- 学名:viola
- 分類:多年草
- 花期:3月~5月
特徴
スミレは、明るい日陰でたくさんの花を咲かせる多年草。たくさんの品種があり、花色も、白花からピンク濃淡紫、淡い黄色まで多様です。その可憐な花姿からは想像できないほど強健で、こぼれ種でも増え、毎年花を楽しめます。
育て方
木漏れ日が当たるような落葉樹の下を好み、群生します。あまり日当たりが悪いと花が咲かなくなるので、注意しましょう。
ヒヤシンソイデス
- 科名:キジカクシ科
- 学名:Hyacinthoides
- 分類:球根植物
- 花期:3月~5月
特徴
ヒヤシンソイデスは、うつむくようなベル状の花が連なって咲く球根植物。森の中の木漏れ日が当たるような明るい日陰を好みます。花色は、ブルーに近い淡い紫から白、ピンクなど。まだ緑の少ない初春にお庭に優しい色を提供してくれます。
育て方
落葉樹の足もとなどの明るい日陰に植えてあげるとよく咲きます。強い直射日光は苦手です。夏に地上部が枯れてなくなるので、お庭が寂しくならないように、他の植物とうまく組み合わせて植えましょう。分球してよく増えるので、群生する姿を見られます。
オダマキ
- 科名:キンポウゲ科
- 学名:Aquilegia
- 分類:多年草
- 花期:3月~5月
特徴
オダマキは、日本に自生するミヤマオダマキや、花びらが多く豪華なセイヨウオダマキなど、たくさんの品種があります。咲き方は、小さく楚々としたものから、一重咲きや八重咲きまで。花色も、薄紫の他に白、ピンク、淡い黄色などがあります。寿命の短い多年草ですがこぼれ種で増えてくれます。ちょっと変わった花のフォルムが美しく、ファンの多い植物です。
育て方
蒸れに弱いので風通しの良い、落葉樹の足元のような明るい日陰に植えます。草丈は20~30㎝程度なので、シラーやムスカリなどの背の低い植物の少し後ろに植えるとバランスの良いレイアウトができます。肥沃な土壌を好むので、腐葉土をたっぷりと入れたふかふかの土に植えてください。
プスキニア
- 科名:ユリ科
- 学名:Puschkinia scilloides
- 分類:球根植物
- 花期:3月~4月
特徴
プスキニアは、、白花やブルーの花が可愛い小さな球根植物です。落葉樹の足元などの明るい日陰でよく育ち、初春に小さな花姿を見せて和ませてくれます。
育て方
落葉樹の足元のような、秋から春は日当たりが良く、落ち葉でふかふかしている肥沃な土壌を好みます。花が終わったら、花茎だけを摘み取り葉は残して光合成をさせることで、翌春また可愛い花を楽しめます。
アルケミラモリス
- 科名:バラ科
- 学名:Alchemilla mollis
- 分類:多年草
- 花期:5月~6月
特徴
アルケミラモリスは、別名を「レディスマントル」という、ハーブの1つです。軟毛のある柔らかい印象の葉が、日陰のお庭を明るくしてくれます。アルケミラモリスは葉の上の毛が水を弾くので、雨上がりの葉の上の水滴も魅力の1つです。
育て方
夏の暑さと蒸れに弱いので風通しの良い半日陰に植えます。
マウンテンミント
- 科名:シソ科
- 学名:Pycnanthemum muyicum
- 分類:多年草
特徴
マウンテンミントは、葉に触れるとミントに似た清涼感のある香りを楽しめる植物。すっと華奢な草姿に、白っぽいグリーンの葉が印象的です。乾燥気味で風通しの良い日陰から半日陰を好みます。
育て方
水はけが良く、風通しの良い場所に植えてください。乾燥気味に管理をした方が良く育ちます。夏の蒸れが苦手なので注意しましょう。
アガパンサス
- 科名:ユリ科
- 学名:Agapanthus
- 分類:多年草
- 花期:6月~7月
特徴
アガパンサスは、初夏に淡いブルーや白の花を咲かせる球根植物。すっと伸びた茎の先に小さなラッパ状の花を集合させて咲かせます。暑くなり始めた初夏のお庭で、涼しげな印象を与えてくれる花です。草丈1m以上になる大型の多年草ですが、50cm程までしか大きくならない矮性種もあります。
育て方
明るく乾燥した日陰を好みます。あまり暗い日陰では花は咲きません。葉が肉厚で平たく、大きく広がるので、植えるときには広く場所を取るようにします。株で大きくなるので、群れるように咲く姿が美しい植物です。
アナベル
- 科名:アジサイ科
- 学名:Hydrangea arborescens Annabelle
- 分類:多年草
- 花期:6月~8月
特徴
アナベルは、高さ1~1.5mくらいにまで成長するアメリカアジサイです。まん丸に咲く花は、咲き始めはグリーンで時間の経過とともに白に変わっていきます。花は秋まで放っていてベージュのドライフラワーのような状態まで楽しめます。緑が茂るお庭の中でひと際明るい存在となります。
育て方
株の上の方は日が当たり、株元は日陰になるような場所を好みます。日本のアジサイと違って、春までに剪定すれば翌年も花を楽しめるので、慌てずに3月までに剪定をしましょう。乾燥が苦手ですから、株元が乾いているようであれば水やりをします。
クリスマスローズ(ヘレボラス)
- 科名:キンポウゲ科
- 学名:Hereborus
- 分類:常緑多年草
- 花期:12月~3月
特徴
クリスマスローズは、独特な花が印象的なクリスマスローズは常緑の多年草です。
原種のニゲルがクリスマスの頃に咲くため、「クリスマスローズ」の名前で呼ばれています。他にもヘレボラス・オリエンタリスは品種が豊富で、花は一重咲きから八重咲まであります。花色も白からピンク、紫、黒に近い色、黄色など、非常に豊富です。
葉は手のひらのような形で大きく、深いグリーンが印象的です。日陰の植物は葉の華奢なものが多いので、常緑のクリスマスローズは花が咲いていない時でも空間を引き締める役割を果たしてくれます。
育て方
夏は日陰、冬から早春は日が当たるような落葉樹の下が一番向いています。鉢植えで管理している場合は移動させましょう。真夏の直射日光で葉焼けを起こします。肥沃な土が大好きですから、腐葉土をしっかり混ぜ込んで植え付けましょう。株で大きくなるのでゆったりとしたスペースを与えてあげると何年も植えっぱなしにできます。
小さな苗で買ってきたクリスマスローズが咲かない、という相談をよくされます。クリスマスローズは、ある程度株が生長しないと花は咲きません。3~4号のポット苗で購入してきた場合は、開花まで3年ほどかかりますので、気長にゆっくり待ちましょう。
暗いシェードガーデンにおすすめ植物
暗いシェードガーデンとは、一日中あまり日が射さないようなお庭のこと。大きな常緑樹の足元や、うっそうと木が茂ったような場所を指します。ただし、まったく日が当たらない場所では植物は育ちませんので、ご了承ください。
クサソテツ
- 科名:イワデンタ科
- 学名:Matteuccia struthiopteris
- 分類:多年草
特徴
クサソテツは、日本の山野に自生するシダ植物。早春の新芽はコゴミと呼ばれる山菜です。抜け感のあるシダ特有の葉を放射状に広げる形が美しく、印象的なオーナメンタルプランツになります。株で増えていくので、群生させれば広範囲にグランドカバーとして活躍してくれます。
育て方
湿った場所を好みます。明るい日陰から暗い日陰まで育てられますが、乾燥させないように注意が必要です。直射日光が長時間当たるような場所では葉焼けを起こします。
ヤブラン
- 科名:ユリ科
- 学名: Liriope
- 分類:常緑多年草
特徴
ヤブランは、日本ではおなじみの常緑のグランドカバーです。暗い日陰でもよく育ち、増えてくれます。見慣れた植物だからと敬遠しがちですが、明るいグリーンの葉のものや白い斑入りの植物などと組み合わせると絵になります。
育て方
非常に強健な植物で、手間がかかりません。放っておいても地下茎でよく増えます。日向から暗い日陰まで、場所を選ばず良く育ちます。
湿ったシェードガーデンにおすすめ植物
湿ったシェードガーデンとは、水はけの悪い土壌ということではなく、強い日光が当たらず土が乾きにくいお庭のことです。強い直射日光が苦手で、湿り気のある場所を好む植物がおすすめです。
ギボウシ
- 科名:ユリ科
- 学名:Hosta
- 分類:多年草
- 花期:6月~8月
特徴
ギボウシは、葉の美しさを楽しむ多年草。葉色が青味を帯びたグリーンから、グリーン単色、白斑入り、黄斑入りなど、バリエーションが豊富。放射状に広がる大きな葉は安定感があり、お庭の中でオーナメンタルプランツとして存在感を発揮します。夏に咲く花は一日花ですが、毎日開花するので、たくさんの花を楽しめます。
育て方
長く直射日光があたる場所に置いておくと葉焼けを起こします。日陰から半日陰の少し湿った場所が大好きです。
フウチソウ(風知草)
- 科名:イネ科
- 学名:Hakonechloa macra
- 分類:多年草
特徴
フウチソウは、小さな笹のような薄い葉が、風に揺れる姿が美しい多年草。明るい色の葉が美しく、草盆栽などにもよく使われる植物です。しっかり根付けば大きな株になるので、植え付け時には場所を考えてからにしましょう。
育て方
日陰から半日陰で育ちます。乾燥が嫌いなので、表土が乾いたらたっぷりと水を与えます。夏は葉が生き生きと生長する時期なので、特に水切れに注意しましょう。
ティアレラ
- 科名:ユキノシタ科
- 学名:Tiarella
- 分類:多年草
- 花期:4月~5月
特徴
ティアレアは、ヒューケラによく似た少し小型の植物です。水はけのいい湿地がを好み、高木の足元のような明るい日陰でよく咲きます。ふわふわとした穂のような花が印象的な植物です。大きく強い印象の花と一緒に植えるとコントラストを楽しめます。
育て方
水はけがよく湿った場所が大好きなので、乾燥させ過ぎないように水やりをしましょう。
ヒューケラ
- 科名:ユキノシタ科
- 学名:Heuchera
- 分類:多年草
- 花期:春から秋
特徴
ヒューケラは、和名を「ツボサンゴ」という多年草。種類が豊富で、カラーリーフとして人気があります。葉色は、明るいグリーンから銀葉、銅葉、さらには黄色のような葉など。葉はそれほど大きくないので、印象を強くしたい場合は数株まとめて植えます。株が大きくなる植物ではないので、密に植えても問題はありません。
育て方
水はけが良く、湿った場所を好みます。乾燥が続くと葉の外側からちりちりと焼けたようになってくるので気を付けましょう。品種によりますが、春から秋に細く長い花茎に小さな小花をたくさん咲かせます。
乾燥したシェードガーデンにおすすめ植物
乾燥したシェードガーデンとは、建物の陰など、あまり雨が当たらず、土が乾燥しているようなお庭のこと。強い直射日光とじめじめとした場所が苦手な植物が向いています。
セダム
- 科名:ベンケイソウ科
- 学名:sedum
- 分類:多年草
特徴
セダムは、和名をマンネングサといい、日本にも自生している多年草です。葉は多肉質で水分を多く含んでいるのが特徴。日陰と乾燥に強く、崖のような岩場でも育つ強健な植物です。反対に湿気が多い環境を苦手とします。
育て方
風通しが良く、乾燥した明るい日陰を好みます。梅雨の長雨などで腐ってしまうことがあるので、雨を避けて管理しましょう。
カレックス類
- 科名:カヤツリグサ科
- 学名:Carex
- 分類:多年草
特徴
カレックスの仲間は種類が豊富で、湿地が好きなものもありますが、多くは乾燥した日陰が好きです。風で動くようなしゃかしゃかした葉の形状が美しい植物です。明るいグリーンやゴールドに近い色、斑入り種など葉の色も様々ですから、お庭の雰囲気に合わせて選んでください。
育て方
乾燥した日陰には「カンスゲ」や「カレックス・バリエガータ」など、乾燥に強い種類のものを選びます。明るい日陰のような場所でよく育ちます。
シェードガーデンを植物以外でかっこよくするには
シェードガーデンを、植物に頼らずにかっこよくするには、椅子やベンチ、テーブルなど、ファニチャー類をうまく使うのがコツ。少しの植栽とファニチャーで、印象的なお庭が仕上がります。エクステリアに家具があるというのは、意外性と独創性を刺激します。椅子ひとつだけでも、印象的でかっこいいお庭を作ることができます。
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