6月の寄せ植えにおすすめの花12選

戸松敦子
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6月の寄せ植えにおすすめの草花をご紹介!
6月には5月と同じように花苗がたくさん出回りますが、インパチェンスやペンタスなどの初夏から咲く花が加わります。暑くなる前に苗を植えておくと夏前にしっかり根を張ることができるので、植物が夏を良い状態で迎えることができます。雨の日も多くなってくる季節ですが、半日陰でしっとりと育つ植物を使って寄せ植えを作り、お部屋から眺めるのもいいですね。6月の寄せ植え作りのポイントや管理方法についてもお話しします。
目次
6月の寄せ植え作りのポイント
半日陰で美しく育つ寄せ植え
6月は雨やジメジメした日も多くなり、気分も憂鬱になりがちですよね。そんな6月には、シェードガーデン(日陰や半日陰の庭)を好み、日当たりでなくても美しく育つ草花を使って寄せ植えを作りましょう。
写真の寄せ植えは、どちらかというと日なたよりも半日陰を好む植物を集めています。(半日陰とは、1日のうち3~6時間ほど日の当たる環境、または日なたの半分くらいの明るさのある環境のことをいいます。)
寄せ植えに使った草花
- 八重咲きインパチェンス・シルエット アップルブロッサム
- ヒポエステス
- クレロデンドルム・ブルーウィング
- カレックス・エヴェレスト
- プテリス
▼寄せ植えの基本についてはこちら
紫陽花(アジサイ)を使った寄せ植え
6月といえば紫陽花(アジサイ)の季節。様々な品種の紫陽花が豊富に出回ります。紫陽花を使って季節感たっぷりの寄せ植えを作るのもおすすめです。
写真の寄せ植えは、紫陽花をメインに、ブルー×ホワイトの草花を集めています。少し紫陽花のボリュームを減らして他の草花とのバランスをとるには、山紫陽花(ヤマアジサイ)などの小さなサイズの紫陽花を使ってもいいですね。
紫陽花の花が終わった後は、その代わりにインパチェンスなどの秋まで咲く花を植えると長く楽しめます。紫陽花は花後すぐに剪定をして、別の鉢に植えて来年の開花を待ちましょう。
寄せ植えに使った草花
▼河野自然園の井上まゆ美さんに教わった紫陽花を使った寄せ植えはこちら
▼寄せ植えの疑問はこれを読んで解決!
アンティーク風な寄せ植え
どんよりした曇り空には、アンティーク風の器もお似合いです。鳥かごなどを使ってシックな寄せ植えを作るのもいいですね。写真は、ハゴロモジャスミンやアイビーのつるが伸びやかに広がり、レックスベゴニアと八重咲きベゴニアがみずみずしく美しい寄せ植えです。
寄せ植えに使った草花
▼八重咲きベゴニアなどを使った寄せ植えの作り方はこちら
6月の寄せ植えにおすすめの草花12選
それでは、6月の寄せ植えにおすすめの草花を紹介していきます。花期が長いもの(紫陽花以外)や、真夏は半日陰くらいの方が美しく育つものを集めました。上手に夏越しさせて秋までたっぷり楽しみましょう!
山紫陽花(ヤマアジサイ) ~アジサイ科 耐寒性落葉低木~
山紫陽花(ヤマアジサイ)の花期は5月~7月頃。日本の各地で古くから自生している野生種の紫陽花です。小さめの花房と小ぶりな葉が繊細な印象です。細い枝の先にたわわな花が咲く姿がとても美しい紫陽花です。
山紫陽花は、直射日光を避けた日当たりの良い場所から半日陰を好みます。花後、7月末までに剪定をしておくと翌年も花を楽しめます。寒さに強く、冬は落葉して越冬します。
▼山紫陽花のさらに詳しい育て方はこちら
- 山紫陽花は日本の各地で古くから自生している野生種の紫陽花です。丸く小さめの花房と小ぶりな葉が繊細な印象を与えます。細い枝の先に、たわわな花が咲き満開で膨らむ様子は可愛らしさと華やかさを見せてくれます。 山紫陽花は日本の風土に良くあい耐寒性と耐暑性もあり、置き場所も直射日光を避けた日当たりの良い場所から半日陰まで育てやすい植物です。仕立て方によっては鉢植えで小さく育てる事も出来ます。 紫陽花は別名「七変化」と呼ばれる事からも想像がつくように、花色を鮮やかに変化させます。色の変化は土の性質(成分)を吸収する事によって植えられた土によって色を変化させる特徴がある植物です。 山紫陽花は有毒の為、花や葉を口にしない様に注意が必要です。
八重咲きインパチェンス ~ツリフネソウ科 非耐寒性多年草~
シルエット アップルブロッサム
八重咲きインパチェンスの花期は5月~10月頃。バラのような形をした清潔感のある淡いピンク色の花が人気です。初夏から秋まで次々と華やかに花を咲かせるため、寄せ植えはもちろん、ハンギングバスケットや鉢植え、花壇植えに用いられます。
八重咲きインパチェンスは半日陰で美しく花が咲き、夏のシェードガーデンにぴったりです。暑い国が原産地なので、高温多湿にも強い性質です。真夏の強すぎる日差しは、葉焼けをおこす場合があります。本来は多年草ですが、寒さに弱く一年草扱いされていることも多いですが、室内の明るい窓辺に取り込めば翌年も楽しめます。
▼インパチェンスのさらに詳しい育て方はこちら
セイロンライティア ~キョウチクトウ科 非耐寒性常緑低木~
セイロンライティアは、5月~11月頃に白い清楚な花を次々と咲かせます。スリランカ原産の低木で、夏の花木として親しまれています。日当たりから半日陰を好み、高温多湿に強い性質です。
寒さに弱いため、日本では一年草扱いされることも多いですが、室内の明るい窓辺に取り込むと翌年も花を咲かせます。
クロデンドロム ~クマツヅラ科 非耐寒性常緑低木~
ブルーウィング
クロデンドロム・ブルーウィングは、5月~9月頃に青い蝶のような小さな花が咲きます。熱帯アフリカ原産で、その花姿から「青い妖精」「青い翼」などと呼ばれています。暑さには強いのですが、夏の強すぎる光は苦手で半日陰を好みます。寒さに弱いので、冬は暖地以外では室内に取り込む必要があります。
ベゴニア ~シュウカイドウ科 非耐寒性多年草~
ダブレット
ベゴニア・ダブレットはバラ咲きのベゴニアです。可愛い花がどんどん咲きます。直接雨が当たらない、風通しの良い日なた~半日陰を好み、真夏の直射日光と過度な多湿は苦手です。寒さに弱いため、日本では一年草として扱われていますが、室内に取り込めば冬越しできます。
ベゴニア・ダブレットの花色は、淡いピンク、ローズピンク、赤、白などがあります。葉色は緑色や銅葉色があり、銅葉色の葉は寄せ植えに使ったときに全体を大人っぽく引き締めるアクセントカラーにもなります。
▼ベゴニアのさらに詳しい育て方はこちら
ベゴニア
- ベゴニアは900余りの原種と15000を超える交配種があります。世界中の環境に適応しているため、ベゴニア一属の中でもかなりバリエーションが豊富です。 多年草で中に木質になる茎をもつ木立ベゴニアの品種もあります。なかでも四季咲きベゴニアはベゴニア・センパフローレンスともいい、ブラジル原産のほぼ周年開花する品種を掛け合わせられた園芸品種群です。花色は白・ピンク・赤などがありハート形の花弁が愛らしく人気があります。緑葉だけでなく銅葉の品種など年々新しい品種がつくられています。葉は肉厚でつやがあり、こぼれ種でもふえるほど丈夫な植物ですが過度な多湿には弱い性質です。冬は、霜が降りる前に室内へ取り込めば越冬させる事が出来ます。
▼ベゴニア・ダブレットを使った寄せ植えはこちら
ペンタス ~アカネ科 非耐寒性多年草~
ペンタスの花期は5月~10月。小さな星型の花が傘状に30~40輪ほど集まって咲きます。暑さに強く、春から秋まで長い期間開花する花苗の定番の一つです。蒸れに若干弱いところがあるので、風通しが良い場所で育てます。真夏は半日陰の涼しい場所の方が状態よく育ちます。
ペンタスの花色はピンク、白、紫、赤など多彩です。葉は先端のとがった楕円形で濃い緑色、葉脈がくっきりと目立ちます。葉に斑が入ったタイプや、矮性種と高性種もあります。
▼ペンタスについてもっと詳しくはこちら
ペンタス
- ペンタスは、熱帯アフリカ、アラビア半島原産の非耐寒性多年草で草丈は30cm~50cmほどになります。星型の花は直径1センチに満たないような小輪ですが、傘状に30~40輪咲くのでよく目立ち華やかです。ペンタスは、春から秋まで長期間開花し、夏の暑さにも強く途切れることなく花を咲かせるので、花壇などにもよく利用される草花です。 ペンタスは、サンタンカに似ていることから別名をクササンタンカといいます。花色は桃色、白、紫紅、紅色など多彩です。葉は先端のとがった楕円形で濃い緑色、葉脈がくっきりと目立ちます。葉に斑が入った園芸品種もあります。矮性種と高性種があるので鉢花として楽しむほか、夏花壇や寄せ植えの素材にもなります。 ペンタスの改良種として、栄養繁殖系のものや種から育てるF1品種などもあります。
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レックスベゴニア ~シュウカイドウ科 非耐寒性多年草~
レックスベゴニアは、赤、紫、シルバー、銅葉色、グリーンなど様々な葉色や葉の形を楽しむ観葉植物です。葉色は少々奇抜だったり、微妙なニュアンスカラーが特徴的です。
半日陰と保水性のある用土を好みます。水切れすると葉色が悪くなり、過湿すぎると根腐れをおこしやすいので、乾いたらたっぷり水やりすることが大切です。茎が折れやすいので、植え付けの時に少し注意しましょう。
寒さに弱いので、寒くなる前に室内に取り込むと観葉植物として楽しむことができます。
▼レックスベゴニアのさらに詳しい育て方はこちら
ヒポエステス ~キツネノマゴ科 非耐寒性多年草~
ヒポエステスは、緑色の葉に白、赤、ピンクなどの色鮮やかな色彩がマーブル模様になっている葉が美しい観葉植物。室内や屋外どちらにも様々な場面に使用されます。寒さに弱いので、暖かい季節であれば屋外で楽しめます。
ヒポエステスは基本的にレースのカーテン越しくらいの光を好むので、屋外で育てる場合は半日陰くらいが好ましいです。直射日光にも強いガーデン用のヒポエステスも出てきています。また、あまり目立ちませんが、初夏に白や紫色をした筒状の花を咲かせます。寒くなる前に室内に取り込みましょう。
▼ヒポエステスのさらに詳しい育て方はこちら
プテリス ~イノモトソウ科 非耐寒性多年草~
プテリスは涼し気な美しい葉が特徴的な観葉植物。シダの仲間で、葉色は明るいグリーン、濃いグリーン、白の斑入りなど様々あり、葉の形も豊富です。暖かい季節は屋外で育てることもできますが、年間を通して直射日光は避けて明るい日陰で管理します。寒さに弱く、霜に当たると株が傷みます。寒くなる前に室内に取り込むと周年楽しめます。
シュガーバイン ~ブドウ科 半耐寒性多年草~
シュガーバインは、インテリアグリーンとしても人気があります。みずみずしい茎をつる状に伸ばし、可愛い葉をつけます。室内の明るい場所で育てることもできますが、暖かい季節は屋外で寄せ植えに使うこともできます。直射日光に当たると葉焼けしてしまうので、半日陰の風通しが良い場所が好ましいです。霜に当たらなければ屋外で越冬できます。
▼シュガーバインのさらに詳しい育て方はこちら
ラミウム ~シソ科 耐寒性多年草~
ラミウムは、シルバーや白の斑入りの美しい葉をもつカラーリーフです。初夏にサルビアに似た花穂を伸ばして小さな花を咲かせます。花色は白、ピンク、黄色、紫などがあります。
ラミウムは、明るい半日陰と水はけの良い用土を好みます。強い光に当たると葉焼けをおこします。高温多湿の蒸れに弱いので、なるべく風通し良く育てましょう。
▼ラミウムを使った育てるリースはこちら
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ワイヤープランツ ~タデ科 半耐寒性ほふく性常緑低木~
スポットライト
ワイヤープランツ・スポットライトは、ニュアンスカラーの小さな丸い葉が可愛いカラーリーフ。ふんわりと横に広がりながら育ち、寄せ植えに使うと周りの草花を優しく引き立てます。その名のとおり、細いワイヤーの様な赤茶色の茎が特徴的です。
日なたから半日陰を好み、乾燥に弱い性質があります。ある程度の耐寒性はあるので、東京以西では屋外で越冬することができますが、霜に当たると葉が落ちることがあります。根が生きていれば短く刈り込んでおくと春にまた芽吹きます。
ワイヤープランツ・スポットライトは、葉に白、クリーム色、ピンク色の斑がマーブル状に入っているので、寄せ植えに使うと明るくオシャレな雰囲気になります。株分けして寄せ植えにちりばめて使うのもおすすめです。
▼ワイヤープランツの詳しい育て方はこちら
- ワイヤープランツは小さなグリーンの葉が可愛らしい、匍匐性常緑小低木です。ワイヤープランツという名前の通り、細いワイヤー(針金)の様な茎が特徴的です。ある程度耐寒性があり、地域によって差はありますが冬でもグリーンの葉を絶やしません。生育旺盛で、露地植えにするとどんどん広がっていきます。華奢なワイヤーのような茎はツルのように見えますが、ツル性ではありません。 環境が合えば、春から夏にかけて小さな花とその後に種子ができます。とても小さく見つけにくい花と実ですが、光沢のあるグリーンの葉よりも明るい黄緑色の花が咲くので、注意深く観察してみましょう。 ワイヤープランツは霜に当たると葉が落ちてしまうことがありますが、根が生きていれば春の暖かくなったころにまた新芽を出し始めます。葉が落ちたら短く刈り込んで軒下に移動するなどの寒さ対策を行いましょう。また、剪定のときに切った枝は水に挿しておくことで発根するので、水耕栽培で楽しむことができます。
▼ワイヤープランツ・スポットライトを使った育てるリースはこちら
6月の寄せ植えの管理ポイント
6月におすすめする、半日陰を好む植物で作った寄せ植えの管理ポイントをお話しします。
置く場所
寄せ植えは、屋外の風通しの良い半日陰に置きます。特に真夏は、ギラギラと直射日光が当たる場所よりも、半日陰や明るい日陰の方が状態良く育ちます。長雨に当たらない軒下やベランダなど、屋根のある場所が好ましいです。
水やり・肥料
株元の土の乾き具合を確認して水切れしないように水やりします。雨に当たった日は、水やりはお休みしましょう。真夏の水やりは、高温多湿を避けるため、早朝や夕方以降の涼しい時間帯に行います。
インパチェンスやベゴニアなど、花期が長いものは肥料が必要です。植え付けるときに肥料入りの培養土を使った場合は、1カ月後から液肥や固形肥料を与えましょう。紫陽花(アジサイ)は花後の剪定をして植え替えるときに、土に肥料を混ぜ込みましょう。
花がら取り
咲き終わった花(花がら)や古い葉は、見た目も悪く病害虫の発生の原因となるので早めに取り除きます。花がらを取ることで、次の花が咲きやすくなります。
花後の管理
インパチェンスなどを使って6月に作る寄せ植えは、夏を上手に越すことができたら秋まで楽しめます。茂りすぎたら全体のバランスを見て切り戻すときれいな寄せ植えがキープできます。
インパチェンスなどは寒さに弱いので、屋外では冬越しできません。一年草扱いとして寒さに強い植物に植え替える方も多いかと思いますが、春まで寄せ植えを室内の明るい窓辺に取り込んで管理することができれば翌年も楽しめます。
まとめ
6月の湿度が高い曇り空に似合う寄せ植えをイメージしたところ、暑い国が原産の花や観葉植物として親しみがあるカラーリーフがたくさん集まりました。花も葉もみずみずしく、しっとりとしたものが多いように思います。普段は観葉植物として室内で使っているカラーリーフも、直射日光を避ければ屋外で寄せ植えに使うことができます。シェードガーデンで生き生きと育つ植物を見ると、どんよりした雨の多い季節もそれほど悪くないように思え、気持ちが明るくなるのでおすすめです。
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