秋に咲く花|ガーデニングにおすすめの宿根草・多年草25種
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秋のガーデニングにおすすめの宿根草・多年草と育て方のコツをご紹介。庭で長時間過ごすのが厳しい夏もまもなく終わり。休みがちだったガーデニングを再開という方も多いのでは。秋の庭や花壇を素敵にしませんか?
目次
秋に咲く宿根草・多年草とは
9月~10月の秋に咲くおすすめの育てやすい宿根草、多年草をご紹介します。一口に秋に咲く花と言っても、開花時期で分類すると大きく分けて下記の2通りがあります。
①秋から咲き出す宿根草・多年草
開花が始まるのは9月~10月。夏の暑さがひと段落する頃、開花する多年草や宿根草。温暖地では11月になっても咲き続ける年もあります。苗は夏から流通が始まります。
②夏から秋までずっと咲き続ける宿根草・多年草
「初夏から秋までずっと咲き続けるもの」と「初夏に咲き始め、真夏は花が少なくなり、秋になると再び花数が多くなるもの」があります。植物の種類によっては、初夏の花がひと通り終わったら、「切り戻し」や「剪定」の作業をすることによって秋に再び開花するものもあります。苗の流通は4月頃から本格的になりますが、植え付けた翌年以降の一番花は初夏以降です。
①と②をうまく組み合わせて、初夏から晩秋まで美しい庭になるような植物を選ぶと、メンテナンスが楽なのに何かしら咲いている空間を作ることができます。
秋から咲き出す宿根草・多年草
シュウメイギク
Anemone hupehensis var. japonica
シュウメイギクは、秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草。名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。丈夫で一度植え付ければ毎年開花し、次第に大株になります。園芸品種が多く、八重咲きや矮性種もあります。
▼シュウメイギクの育て方
サルビア・アズレア
Salvia azurea
サルビア・アズレアは、透明感のある水色の花が目を引く宿根草。秋から開花し始めるサルビアなので、苗が多く流通するのも晩夏から。数多くのサルビアの中では草丈が高くなるひとつで、年々大株になります。初夏に芽吹いた頃にバッサリと株元で切り戻しておくと、多少草丈を抑えることができます。
▼サルビア・アズレアの育て方
アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)
Salvia leucantha
アメジストセージは、秋にアメジスト色の花を咲かせる宿根草。通称と学名の両方で流通しています。花に見えるベルベットのような肌触りの部分はガクで、花はガクから突き出すように咲き、色は白や紫、ピンクなどがあります。アズレアと同じく、サルビアの中では草丈が高くなるひとつ。大きくしたくなければ、春から初夏に剪定して仕立てます。
▼アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)の育て方
コバルトセージ
Salvia reptans
コバルトセージは、コバルトブルーの美しい花を夏の終わりから秋にかけて咲かせる宿根草。花のひとつひとつが小さいのと、葉が細いので繊細な雰囲気があります。茎が細く倒れやすいため、数回切り戻しをして仕立てると、丈が抑えられ、倒伏の予防になり花数も増えます。
▼コバルトセージの育て方
ホトトギス
Tricyrtis
ホトトギスは、ユリ科の多年草。古くから人々に親しまれ、秋の茶花としても使われています。品種によっては7月頃から咲き始め、9月~10月頃が見ごろです。丈夫で適所に植えればほったらかしで毎年開花します。
▼ホトトギスの育て方
リンドウ
Gentiana scabra
リンドウは、秋の始まりと共に花芽をつけてベル形の花を咲かせる宿根草。冬は地上部が枯れて休眠し、春に再び芽吹きます。花は日が当たると開き、曇りの日は閉じる性質です。草丈は種類によって差があり、10~100cmと幅があります。
▼リンドウの育て方
フジバカマ
Eupatorium japonicum,Eupatorium fortunei
フジバカマはキク科の多年草で、秋の七草のひとつ。自生できる地域が激減し、現在は環境省の準絶滅危惧種に指定されています。現在フジバカマとして流通するのは、絶滅危惧種のフジバカマではなく、育てやすい近縁種です。8月頃から開花が始まり、小さなピンクのつぼみが密集するようにつき、開くと白い花になります。夏の暑い盛りから秋まで開花が続く丈夫な花です。
▼フジバカマの育て方
オミナエシ
Patrinia scabiosifolia
オミナエシは、秋の七草のひとつとして古くから愛されてきたスイカズラ科の多年草。小さな黄色の花が夏から秋にかけて開花し、切り花としても利用されています。丈夫で、一度植え付ければ放任で育ち、夏から秋にかけて花が咲き続けるので、広い庭などに使うと効果的な素材です。
▼オミナエシの育て方
チョコレートコスモス
Cosmos atrosanguineus
チョコレートコスモスは、ほのかにチョコレートに似た香りがする多年草。原種は高温多湿に弱い性質で、コスモスよりは栽培難易度が高め。現在切り花や苗として流通しているのは、栽培しやすいように改良された園芸品種がほとんどです。開花時期は秋に咲く種類と夏から秋に咲く四季咲き性のある種類があります。最近は、黒に近いチョコレート色のほか、赤、赤茶、オレンジなど、色のバリエーションも増えています。
▼チョコレートコスモスの育て方
シクラメン・ヘデリフォリウム
Cyclamen hederifolium
シクラメン・ヘデリフォリウムは、原種シクラメンの一種。園芸種のシクラメンよりも花が小ぶりです。種類によって開花時期が異なり、ヘデリフォリウムは秋に花が咲くことから秋咲きシクラメンの別名があります。原種の中でも特に強健で寿命が長く、地植えにすることもでき、環境に合うとこぼれ種でも広がります。ひとつひとつは草丈10cmほどの可愛らしいサイズですが、群生すると一面グランドカバーのようになり、開花時は見事な光景になります。花色は白やピンクがあります。
▼シクラメン・ヘデリフォリウムの育て方
宿根アサガオ
Ipomoea indica,Ipomoea cairica
宿根アサガオは、一般的な一年草のアサガオと違い、宿根の性質があります。代表品種「オーシャンブルー」をはじめ、淡い紫、ピンクがかった紫、白などの色や葉がモミジのようなモミジ葉タイプのものもあります。いずれの品種も生長力がたくましく、地植えにすると10m以上伸び、夏のグリーンカーテンの素材としても人気。晩秋まで花が開花し、最も花数が多いのは秋の10月頃で、アサガオと違い、宿根アサガオは夕方まで花が開いています。
▼宿根アサガオの育て方
シオン(宿根アスター)
Aster tataricus
シオンは9月~10月が開花時期のキク科の多年草で、宿根アスターの一種です。性質はとても強く、草丈は2m近くになります。放任で育ち、地下茎で増えるため、好みの環境に植えれば次第に群生します。
▼シオンの育て方
夏から秋までずっと咲き続ける宿根草、多年草
エキナセア
Echinacea
エキナセアは、初夏から秋までの長期間開花し続けるキク科の宿根草。近年、鑑賞用のエキナセアの育種が盛んで、たくさんの品種が流通し、毎年のように新品種が作出されています。草丈、花色などの特徴が様々で、いずれも夏の暑さに強い宿根草として、庭や花壇、寄せ植えなどに使われています。
▼エキナセアの育て方
ガイラルディア
Gaillardia
ガイラルディアは、キク科の多年草。数多くの品種が流通し、毎年のように新品種が登場しています。丈夫で開花期間が長く、発色の良い花色のものが多いので、夏の庭や花壇で活躍します。品種によって草丈が違うため、それぞれに合った場所に植え付けましょう。
▼ガイラルディアの育て方
ルドベキア
Rudbeckia
ルドベキアは、6月下旬ごろから開花が始まり、晩秋まで開花し続けます。品種が豊富で、新品種が続々と作出され、咲き方や色のバリエーションがとても豊富な宿根草です。夏の暑さに強く、ワンシーズンでたくさんの花が開花するため、夏から秋の庭に植えると華やかな存在になります。品種によって草丈が40~150cmと幅があるので、確認してから植え付けましょう。
▼ルドベキアの育て方
チェリーセージ
Salvia microphylla,Salvia jamensis,Salvia greggii
チェリーセージは、初夏から晩秋までの長い期間開花するシソ科の多年草。丈夫で暑さに強く、環境に合えば植えっぱなします。セージ類はブルー・紫系の花が多いですが、チェリーセージは花色が豊富なのが特徴のひとつです。毎年新品種が作り出され、最近は斑入り品種など、葉に特徴のある品種もあります。どの品種も丈夫で花期が長いことに変わりはありませんが、草丈や耐寒性は品種によって違いがあります。
▼チェリーセージの育て方
ディスカラーセージ(サルビア・ディスカラー)
Salvia discolor
秋の花に合うシックな花色のセージをご紹介します。ディスカラーセージは、ペルー原産の半耐寒性多年草。夏から秋にかけて、セージ類の中では珍しい黒い花が長期間開花します。黒い花のほかガクや葉の色も魅力的で、葉の表と裏の色が違います。葉の表は淡いシルバーグリーン、葉の裏と茎は白っぽい色をしています。花と葉や茎色あいがモノトーンでシックでおしゃれな雰囲気があります。花壇や寄せ植えに効果的に使うと面白い素材です。
▼ディスカラーセージの育て方
ラスティセージ
Salvia lanceolata
もうひとつ秋の色合いにあうシックな花色のセージをご紹介します。ラスティセージは、ピンク~グリーン色のアンティークな色合いの花色とシルバーグリーンの葉が特徴の南アフリカ原産のセージ。花は、初夏から秋まで長く咲き続けます。花が散った後も、微妙な色合いのガクが残るので、ひとつの花を長い期間楽しむことができます。
▼ラスティセージの育て方
クナウティア
Knautia
クナウティアは、スイカズラ科の多年草。初夏から秋まで長くたくさんの花が開花します。品種によって草丈はかなり違い、40cmくらいのものから1mを越すものまで様々です。暑さに強く開花期間が長いので、夏の庭や花壇に植えると重宝する草花です。色は紫、ピンク、赤などがあり、斑入りなどの新品種も登場しています。株としては短命な多年草ですが、環境に合えばこぼれ種で増えていきます。
▼クナウティアの育て方
ガウラ
Gaura Iindheimeri
ガウラは、初夏から秋に開花する多年草。株一面に蝶が舞うように咲く姿は風情があり、繊細な雰囲気です。性質はとても丈夫で、株は年々大きくなり、ときにはこぼれ種で増えることもあります。ひとつひとつの花は短命ですが、初夏から秋の長い期間、次から次に花を咲かせていくため、長い間観賞することができます。近年、品種改良により草丈が低めの矮性品種も作出され、花の色も白のほか、ピンク系の濃淡、赤花など品種が増えています。暑さ、寒さに強く、日本全国で栽培可能。放任でも長い期間、花を咲かせる植物です。
▼ガウラの育て方
宿根フロックス
Phlox paniculata
宿根フロックスは、初夏から秋の長期間咲き続ける宿根草。品種によって草丈に違いがあり、高性種は1mを超すものもあり、群生させると見事です。暑さ、寒さに強く、性質も丈夫。真夏でも休みなく咲き続けます。カラーバリエーションが豊富で、白、ピンク、紫、赤などの単色のほか、複色カラーも多数あります。株は年々大株になり、ワンシーズンでたくさんの花が開花します。
▼宿根フロックスの育て方
三尺バーベナ
Verbena bonariensis
三尺バーベナは、初夏から秋まで長い期間たくさんの花を咲かせるクマツヅラ科の宿根草。三尺バーベナの名前の通り、背丈がとても高く、庭や花壇に植えると見栄えがする草花です。冬は地上部分はなくなりますが、春になると新芽が出て、まっすぐに伸びた茎からたくさんの枝が分岐し、その頂点に花が開花します。暑さ、寒さに強く、植えっぱなしで毎年開花し、手入れいらずで育てやすい草花です。環境に合えば、こぼれ種でどんどん増えていきます。
▼三尺バーベナの育て方
キキョウ
Platycodon grandiflorus
キキョウは、キキョウ科の宿根草。初夏から秋に風船のようなつぼみがはじけると星形の美しい花が開花します。秋の七草のひとつですが、実際には初夏から秋までと開花期間が長く、暑さにも強いため、夏のガーデニングに利用されています。花の色は、紫のほか、ピンクや白、複色があり、咲き方は一重咲きのほかに八重咲き、大輪種、花が最後まで開かない袋咲きの品種もあります。色や咲き方のバリエーションが多い上に、草丈が高いものから矮性種まであるので、庭植えのほか、鉢植えで栽培することも可能です。
▼キキョウの育て方
ゼフィランサス
Zephyranthes
ゼフィランサスは、初夏から秋にかけて花を咲かせるヒガンバナ科の球根植物。代表的な種類として「タマスダレ」や「サフランモドキ」があります。種類によって花の大きさ、開花時期、耐寒性、葉の形状が違いますが、どの種類も水はけさえ良ければ土壌をあまり選ばない育てやすい花です。耐寒性の強い品種は、数年植えっぱなしで毎年花を咲かせます。
▼ゼフィランサスの育て方
ダリア
Dahlia
ダリアは、7月~10月が開花時期のキク科の多年草。非常に品種が多く、草丈、咲き方、色のどれをとってもバリエーションが豊富です。日本のような高温多湿の気候の夏は苦手で、花が休みがちになります。夏に切らずに咲かせていると、株自体が弱るので、秋にきれいな花を咲かせるために切り戻しを行います。同じ品種でも初夏のダリアと秋のダリアでは、花色が変わるものが多いので、季節ごとの色に注目してみてください。
▼ダリアの育て方
10月~11月は春に咲く宿根草、多年草の植え付け適時!
10月になると、園芸店には春に咲く宿根草・多年草の苗が出回り始めます。秋に出回る苗は未開花株で見た目はとても地味ですが、秋に植え付けておくと1年目からたくさんの花を楽しめます。
晩秋は球根の植え付け時期。暑さがなかなか引けないことが多いので、あたりの木々の紅葉が始まったら植え付けるようにしましょう。
ご紹介したのはほんの一部。素敵な草花はまだまだたくさんあります。園芸店で苗を探すときは、「開花期間」を意識して花選びをすると、上手に開花のバトンリレーができて、いつも見どころのある空間を作ることができるので花選びの参考にしてみてください。
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