春の山野草図鑑|写真付きで名前を紹介
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山田智美
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春に美しい姿を楽しめる山野草図鑑です。写真付き紹介しているので、名前を調べるのにも役立ちます。
目次
春の山野草|白い花
オドリコソウ
- 花期:3月~5月
- 花色:白、ピンク
オドリコソウは、春に白やピンクの花を咲かせるシソ科の山野草です。名前の由来は、笠をかぶって踊っている踊り子の姿を想起させることによります。
イチリンソウ
- 花期:3月~4月
- 花色:白
イチリンソウは、春に白い花を咲かせるキンポウゲ科の多年草です。1つの花茎に1つ花を咲かせるからイチリンソウというのが名前の由来です。ただし、花が2つや3つ咲いていることもあるので、最終的には葉で見分けます。葉柄があり、レースのような切れ目が深く入っている葉はイチリンソウです。
ニリンソウ
- 花期:3月~4月
- 花色:白
ニリンソウは、春に白い花を咲かせるキンポウゲ科の多年草です。葉の間から2つ花茎を伸ばし、2つの花を咲かせるからというのが名前の由来であり、イチリンソウとの違いです。ただし、1つしか花が咲いていないこともあるので、葉柄がなく、葉の切れ込みが丸みを帯びていたらニリンソウです。
キクザキイチゲ
- 花期:3月~4月
- 花色:白
キクザキイチゲは、山野の明るい半日陰を好んで自生する、キンポウゲ科の多年草です。花が一重咲きのキクに似ているというのが名前の由来です。
シロバナタンポポ
- 花期:3月~5月
- 花色:白
シロバナタンポポは、白い花を咲かせるキク科タンポポ属の多年草です。日本在来種のタンポポで、日本の一部地域でよく見られる品種です。最近では山野草として流通もしています。
スイカズラ
- 花期:4月~5月
- 花色:白、黄
スイカズラは、香りの良さと甘い蜜が魅力のスイカズラ科のつる植物です。花は咲き始めは白、やがて黄色に変化します。ハニーサックルという英名も有名。葉に明るい黄色の斑が入る品種もあります。
チゴユリ
- 花期:4月~5月
- 花色:白
チゴユリは、山野の明るい半日陰に自生するイヌサフラン科の多年草です。少しうつむくように咲く姿がかわいらしく、Japanese fairy bells という英名もあります。
バイカオウレン
- 花期:2月~3月
- 花色:白
バイカオウレンは、早春に小さな白い花を咲かせるキンポウゲ科の常緑多年草です。雑木林の明るい半日陰を好んで自生しています。名前の由来は、5枚の花びらの小さな白い花が、梅の花に似ていることによります。
バイカイカリソウ
- 花期:4月~5月
- 花色:白
バイカイカリソウは、山野の明るい半日陰に自生するキンポウゲ科の多年草です。花の後ろに突き出した距がなく、花が梅の花に似ているというのが名前の由来です。
バイカカラマツ
- 花期:4月~5月
- 花色:白、ピンク、紫、緑
バイカカラマツは、春に小さく可憐な花を咲かせるキンポウゲ科の多年草です。名前の由来は、葉はカラマツソウに、花は梅の花に似ていることによります。
ミスミソウ(ユキワリソウ)
- 花期:2月~4月
- 花色:青、白、ピンク、黄、赤、紫、複色
ユキワリソウは、早春に花を咲かせるキンポウゲ科の多年草です。雪を割るように花を咲かせて、春の訪れを教えてくれるからというのが名前の由来です。花色は白の他に、青、ピンク、紫など、豊富にあります。
ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)
- 花期:3月~4月
- 花色:白
ミヤマエンレイソウは、山野の明るい半日陰を好むシュロソウ科の多年草です。紫褐色の花を咲かせるエンレイソウと違い、白い花を咲かせるというのが特徴です。
ヒトリシズカ
- 花期:4月~5月
- 花色:白
ヒトリシズカは、センリョウ科の多年草です。花姿が独特で見入ってしまうような魅力のある山野草です。名前は、楚々とした雰囲気の白い花を、源義経の側室であり、白拍子だった静御前に例えたのが由来とされています。
ホウチャクソウ
- 花期: 4月~5月
- 花色:白
ホウチャクソウは、半開の花をうつむくように咲かせるイヌサフラン科の多年草です。葉に隠れるように花を咲かせる様子が、控えめで美しい花です。
ユキワリイチゲ
- 花期:2月~4月
- 花色:白
ユキワリイチゲは、早春から花を咲かせるキンポウゲ科の多年草です。名前の由来は、雪を割って出てくるくらい早くから開花することによります。
ユキノシタ(雪の下)
- 花期:4月~5月
- 花色:白
ユキノシタは、山中の湿った岩場や半日陰に自生しているユキノシタ科の多年草です。上3枚の花びらは小さく、下2枚が大きいという独特の花のフォルムと、葉脈がはっきりとした葉が特徴で、昔からファンの多い山野草です。
春の山野草|紫の花
シャガ
- 花期:4月~5月
- 花色:淡い青紫、白
シャガは、明るい半日陰を好んで自生するアヤメ科の多年草です。草丈30~70cm、独特のフォルムの花が特徴で、群生している様子は美しく目を引きます。
スミレ
- 花期:3月~4月
- 花色:紫
スミレは、日本原産の紫色の花を咲かせるスミレ科の多年草です。スミレという名前はスミレ属の総称として使用されていますが、狭義には Viola mandshurica のことを指します。アスファルトの隙間からでも花を咲かせているような、可憐で愛らしく、逞しい花です。
コスミレ
- 花期:3月~4月
- 花色:紫
コスミレは、少し早くから咲き始めるスミレの仲間です。コスミレという名前ですが、スミレと比べてもそれほど小さくはないのが特徴。紫から淡い紫の花を咲かせます。
タツナミソウ(立浪草)
- 花期:4月~5月
- 花色:紫、ピンク、白
タツナミソウは、紫た白、ピンクの花を咲かせるシソ科の多年草です。シソ科特有の小さな唇形花を、茎に連ねるように咲かせます。群生する姿が美しい山野草です。
ツタバウンラン
- 花期:3月~10月
- 花色:紫
ツタバウンランは、ほふくするように横に広がって増えるオオバコ科の多年草です。春に紫色の小さな花を咲かせます。名前の由来は、葉がツタのようなフォルム、花はウンラン(リナリア)に似ていることによります。
ムラサキケマン
- 花期:4月~6月
- 花色:紫
ムラサキケマンは、春に紫色の花を咲かせるケシ科の多年草です。後ろに距が突き出したラッパ状の花がたくさん咲きます。花は全体が淡い紫、先の方は濃い紫をしていて、1つの花で複雑なグラデーションを楽しめます。名前の由来は、仏具の装飾品である華鬘を連想させることによります。
春の山野草|黄色い花
オオバキスミレ
- 花期:5月~8月
- 花色:黄
オオバキスミレは、黄色の花を咲かせるスミレの仲間です。ちょっと珍しいので、スミレだとわからないこともあるかもしれません。風通しの良い明るい半日陰を好む山野草です。
キケマン
- 花期:4月~5月
- 花色:黄
キケマンは、黄色の個性的な花を咲かせるケシ科の越年草。日当たりの良い林の縁などを好んで自生しているような山野草です。名前の由来は、黄色の華鬘のような花を咲かせることによります。
キジムシロ
- 花期:3月~5月
- 花色:黄
キジムシロは、黄色の小花がかわいらしいバラ科の多年草です。名前の由来は、鳥類のキジが休むムシロを連想させることによります。
キバナカタクリ
- 花期:3月~4月
- 花色:黄
キバナカタクリは、黄色い花を咲かせるユリ科の多年草です。西洋カタクリや洋種カタクリとも呼ばれます。株で大きくなるので、数年でたくさんの花を楽しめます。
キンラン
- 花期: 4月~5月
- 花色:黄
キンランは、黄色の花を咲かせる野生のランです。名前の由来は、黄色い花を金色に例えたことによります。山林の明るい半日陰で見られます。ただし、絶滅危惧種に指定されているので、見つけても持ち帰ることのないようにしましょう。そうっと眺めて楽しむ山野草です。
ミツバツチグリ
- 花期:3月~5月
- 花色:黄
ミツバツチグリは、小さな黄色の花を咲かせるバラ科の多年草です。名前は、葉が3枚小葉で、ツチグリという植物に似ていることに由来します。キジムシロとよく似ていますが、ミツバツチグリはほふくするように伸びていくので、草姿の違いで見分けられます。
フクジュソウ(福寿草)
- 花期:2月~4月
- 花色:黄
フクジュソウは、早春から花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。名前の縁起の良さから、お正月の花として好まれ、年末から新春に流通が増える山野草です
春の山野草|ピンクの花
イカリソウ
- 花期:4月~5月
- 花色:白、ピンク、紫、黄
イカリソウは、春に独特なフォルムの花を咲かせるメギ科の多年草です。名前の由来は、この花のフォルムを船の錨(イカリ)に例えたことによります。花色はピンクの他に、白や紫など、豊富にあります。
カタクリ
- 花期:3月~4月
- 花色:赤紫、ピンク、白
カタクリは、反り返った花びらとうつむくように咲く姿が印象的なユリ科の多年草。春に花を咲かせ、夏が来る前には姿を消してしまう可憐な山野草です。
クリンソウ
- 花期: 4月~6月
- 花色:濃い赤紫、朱赤、ピンク、白
クリンソウは、日本原産のサクラソウ科の多年草です。名前の由来は、輪生状に数段重なるように花が咲く様子を、仏閣の屋根の頂点にある「九輪」に例えたことによります。
サクラソウ(桜草)
- 花期:4月~5月
- 花色:白、ピンク、紫
サクラソウは、日本で昔から愛されてきたサクラソウ科の多年草で、江戸時代には盛んに園芸品種が作出されました。名前の由来は、花びらが5枚の小さな花がサクラを連想させるから。現在でも愛好家の多い山野草です。
ショウジョウバカマ
- 花期:3月~6月
- 花色:ピンク、紫、白
ショウジョウバカマは、山林の明るく開けた場所に自生するシュロソウ科の多年草です。名前の由来は、独特の花を伝説の妖怪である猩々(しょうじょう)に例えたことによるなど、諸説あります。
タイツリソウ(ケマンソウ)
- 花期:4月~5月
- 花色:ピンク、白
タイツリソウは、弓なりにたわんだ茎にハート型の花をぶら下げるように咲かせるケシ科の多年草です。花が咲く様子を魚のタイをつる様子に例えたのが名前の由来ですが、ずいぶん大漁に釣れたものだと感心します。ケマンソウという名前は、花の様子が仏具である華鬘に似ていることにちなみます。
レンゲソウ
- 花期:4月~5月
- 花色:ピンク、稀に白花
レンゲソウは、春に一面をピンクに染め上げる景色が印象深いマメ科の越年草です。昔は休耕田に緑肥として植えられていましたが、最近は見かける機会が減った花です。種で流通しているので、秋にまいて春の開花を楽しむことができます。
春の山野草|その他の色の花
エンレイソウ
- 花期:3月~5月
- 花色:白、茶、ピンク
エンレイソウは、山林の明るい半日陰に自生するシュロソウ科の多年草です。大きな3枚の葉の中央に小さな花を咲かせます。
バイモユリ
- 花期:3月~4月
- 花色:白に近い淡いグリーン
バイモユリは、淡いグリーンの花をうつむくように咲かせるユリ科の球根植物です。高温多湿に弱いので、夏を上手に越すことができれば何年も楽しめます。名前の由来は、生薬名の「貝母」にちなんでいます。
テンナンショウ(マムシグサ、ウラシマソウ、ムサシアブミ)
- 花期:4月~5月
- 花色:グリーン、茶、黒など
テンナンショウは、サトイモ科テンナンショウ属の仲間の総称です。マムシグサ、ウラシマソウ、ムサシアブミなどがこの仲間になります。春に鎌首を持ち上げたヘビのような、独特のフォルムの花を咲かせます。
春に咲く山野草たちは、個性豊かな種類ばかり。華やかな園芸品種とは違う楚々とした美しさと、いつまでも眺めていたくなるような落ち着きがあります。この機会に山野草の魅力を深掘りしてみませんか。
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