切り花を楽しむテクニック一覧|毎日花のある暮らし
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切り花は、お庭やコンテナで育てる花とはちょっと違います。同じ種類の花でも流通している時期が違ったり、扱い方にちょっとしたコツがあったり……。切り花を長持ちさせるテクニックや四季折々の花のある暮らしの楽しみ方をご紹介します。
目次
季節の切り花の特徴や魅力

切り花には、一年中流通しているバラやダリアのような花があれば、旬の季節にしか出会えないチューリップやヒヤシンスのような花もあります。また、季節を先取りするように流通するので、実際に露地で咲く時期よりも一足早く店頭に並ぶのも切り花の特徴です。
土に植えて育てる花と違って、根という生命の源を絶たれた切り花は、光合成をして栄養を蓄えたり、種子を作ることはありません。その分、今が盛りとばかりに美しい花を咲き誇らせます。枯れたら終わりなのが切り花の最大の特徴ですが、その短い期間に見せる美しさ、エネルギー、香り、みずみずしさからは、何にも代えがたい幸福感を得られます。
春夏秋冬に分けて、それぞれの季節ごとの切り花の特徴や魅力、生け方を紹介します。まずは1輪、お部屋に飾ってみませんか。
通年

バラ
四季を通して花屋さんの店頭に並ぶ定番の花といえばバラ。品種改良が盛んで、豊富な色、さまざまな香り、花びらの枚数、花の大きさなど、たくさんの種類が生み出されています。
花屋さんで購入してきたバラは、すでに水揚げ処理が施されているので、自宅では茎を切り戻し、こまめに水を交換する程度でよいでしょう。冬の寒さで元気がなくなってしまったような時は、しっかりと新聞紙で包んで湯揚げをすると復活することもあります。
ユリ
香りが良く、色鮮やかで存在感のあるユリの花は、丈夫で長持ちするのが特徴です。露地での開花時期は初夏から夏ですが、多くの種類が通年流通しています。
とてもたくさんの水を吸い上げるので、花器の水は深水といって多めにして、毎日水を交換するとさらに長く楽しめます。
ガーベラ
ロリポップキャンディのようなポップな色と大きな花がかわいらしいガーベラは、1輪だけでも絵になるような花です。一重咲きから八重咲き、変わり咲きまで、豊富な品種が魅力。
茎が腐りやすいので浅水で生けること、こまめに水を交換して茎を切り戻すことが長持ちさせるコツです。
トルコキキョウ
一年を通して安定して流通している花のひとつトルコキキョウ。花色や咲き方の種類が豊富で、和洋問わずアレンジしやすいのが特徴です。とても花もちが良く、長く楽しめる花です。
春

春は四季の中で最も多くの種類の花が咲く季節です。チューリップやバイモユリ、ルピナスを始め、香りの良いヒヤシンスやフリージア、スイートピー、スイセン、ライラック……数えきれないくらいの花が花屋さんの店頭を彩ります。
1月~3月に花屋さんに並ぶ切り花
お庭や公園の花がほころび始めるのは2月後半からですが、春の切り花は1月から流通が増え始めます。特にまだ寒い1月~3月は水が腐りにくいため、切り花が長持ちしやすい時期。可憐な春の花を室内で長く楽しむことができます。この時期の花屋さんは春の花が溢れる楽園のような場所。お出かけの際に立ち寄ってみませんか。
春の白い花たち
春に咲く白い花を集めました。白い花にこだわりたい方におすすめです。
チューリップ
春を代表するようなチューリップは、上手に生ければ驚くほど長持ちする花です。球根の花の多くは、葉茎に水分を多く含んでいて腐りやすいので、浅水といって水の量を少なめにして余計な葉を取り除くことが大切。また、水を吸い上げると花首が立ち上がって茎に動きが出るので、この特性を活かして生けるのもテクニックのひとつです。
スイートピー
細く直線的な茎にフリルのような花が咲くスイートピーは、手がかじかむくらい寒い12月頃から流通し始めます。白やクリーム色、淡いピンク、紫、赤、染色したものまで、とにかく色の種類が豊富で、すっきりとした甘い香りが魅力。お部屋に1輪飾っているだけで、鼻先を芳香がかすめます。下から咲いていくので、萎れた花を摘み取るようにすると上の花まで長く楽しめます。
ヒヤシンス
水耕栽培で人気のヒヤシンスは、切り花でも流通します。球根付きの切り花もあるので、水耕栽培に失敗した人でも楽しむことができます。
ヒヤシンスは切り花になってからも茎が伸び続けること、加えて花が大きく重いために茎が折れやすいのが特徴。生けるときのポイントは、浅水にすることと茎を支えられるように深さのある花器を選ぶことが大切です。
アネモネ
アネモネは、透けるような花びらと大きな花芯、赤や紫、白など豊富な色の種類が特徴の球根の花。年末ごろから流通が始まります。1輪だけで飾っても様になる、印象的な花のフォルムが魅力です。浅水で生けて、こまめに茎を切り戻すと長く楽しめます。
ラナンキュラス
もともとはバラの咲かない時期にバラの代わりになる花として作出されたラナンキュラスは、幾重にも重なった豪華な花びらが魅力の春の球根花。バラよりも薄く透明感のある花びらが美しく、砂糖菓子のような淡い色から赤や紫といった濃い色まで花色の豊富さも特徴です。
生け方のコツは浅水で生けることと、大きな花の重みに耐えかねて折れてしまうことがあるので、切り戻して茎の長さを調整するようにすることです。
リューココリーネ
リューココリーネは、ふわっと香る甘い香りが魅力の花。まっすぐに伸びた茎のラインが美しいので、ガラス花器に生けると絵になります。花びらが傷つきやすいので、優しく取り扱ってください。
ポピー
ワックスを塗ったような質感の花びらと、特徴的な花芯、色とりどりの花色が印象的なポピーの切り花は、細かな毛のあるつぼみの状態で店頭に並びます。固く閉じたつぼみからは、何色の花が咲くのか判別がつきません。花市場でもミックスカラーで束売りされているので、花屋さんも咲くまで色がわからないのがポピーのおもしろさです。多くは白や黄、クリーム、オレンジといったミックスなので、数本まとめて購入すると彩りを楽しめます。
球根の花
春は、チューリップやラナンキュラスのような大きな花だけでなく、原種系チューリップやムスカリのような小さな球根の花もたくさん流通します。
球根の花は葉茎にたくさんの水分を含んでいるので、浅水で生けるのが長持ちさせるコツです。また最近は球根付きの切り花もあり、こちらは球根にカビが生えないように根だけ水に浸かるように生けると長く楽しめるようになります。
夏

夏は、太陽の強い光に負けないくらい色鮮やかで大輪の花が多くなる季節。香りが強い種類が多いのも夏の花の特徴です。
高温多湿な日本の夏は、長持ちしにくいことから切り花が敬遠されがちですが、水を毎日取り換えてバクテリアの繁殖を防いだり、不要な葉を取り除いて蒸れないようにしたり、クーラーを切るときには花瓶の水に氷を入れるなどの工夫をすれば、長く楽しめるようになります。
芍薬
たっぷりの花びらと大きな花、甘い香りが魅力の芍薬は、初夏の一瞬しか流通しない花です。つぼみの状態で購入してきて、お部屋で咲いていく様子を楽しむことができるのが魅力。安定感のある花器に深水で生けて、こまめに水を交換すると長持ちします。
紫陽花
梅雨から初夏にかけて流通が増える紫陽花は、切り花にすると水の吸い上げが悪くなる特徴があります。生ける前に切り口を大きくして、中の白い綿を掻き出すようにし、たっぷりの水で生けると驚くくらい長く楽しめるようになります。
ヒマワリ
夏の太陽を思わせるようなヒマワリは、夏しか出会えない季節の花。大きく立派な花は一重咲きから八重咲き、黄色やオレンジといった王道の色から茶のようなシックな色まで種類が豊富なのも魅力。ヒマワリだけをたっぷりと花器に生けても絵になります。
パイナップルリリー
まるでパイナップルのような花が印象的なパイナップルリリーは、夏しか出会えない花です。顔を近づけるとふわっと芳香を楽しめるのも魅力。茎が太く、水分を多く含んでいるので、浅水で生けましょう。
アリウム・ギガンチウム
大きなボールのような花が個性的なアリウム・ギガンチウムは、初夏に流通します。花が大きく茎も太いので、安定感のある花器に浅水で生けるのがコツです。
秋冬

秋冬は気温が下がり、切り花が長く楽しめるようになる季節。この時期は実りの季節ということもあり、実付きや紅葉した枝物などちょっとユニークな切り花が多く流通する季節です。
秋しか出会えない美しい色の花たち
秋は、こっくりと深い色やアンティークカラーの花が増える季節。秋しか流通しない花たちを紹介します。
アマランサス
アマランサスとは、ヒユ科ヒユ属の植物。別名ヒモゲイトウとも呼ばれるモコモコした毛糸のような花穂が印象的です。高さのある花器に垂れ下がるように生けると、インテリアのアクセントになります。浅水で生けて、こまめに水の交換をすると長く楽しめます。
ポインセチア
クリスマスフラワーとして有名なポインセチアは、切り花でも流通します。鉢植えを育て続ける自信がない方、切り花で楽しんでみるのはいかがでしょうか。ポインセチアは葉茎を切ると白い乳液が出てくるので、しっかりと拭き取ってから水に生けるのが長持ちさせるコツです。
ラン
ランは温室で育てられるくらい暖かい環境を好む花ですが、高貴な花や縁起の良い花であることから、クリスマスやお正月が近づく12月になると流通が増えます。あまり手間をかけずに長く楽しめる花です。
枝物
枝物は、1本でも大きく存在感があり、インテリアを引き立ててくれます。他の切り花よりも長持ちするので、上手に取り入れてお部屋の雰囲気づくりに活かしたいもの。季節ごとの枝物の種類と生け方や飾り方を紹介しています。
ロウバイ
ロウバイは春にクリーム色の花を咲かせる枝物。すっきりとした芳香とロウをかけたような質感の花が魅力です。枝の下の方を割って生けると水の吸い上げが良くなります。
ヒュウガミズキ
グリーンがかった淡いクリーム色の花がかわいらしいヒュウガミズキは初春から春に流通します。細く華奢な枝は単体で生けても、他の花と合わせても絵になります。枝の下の方を割って生けると長持ちします。
アオモジ
枝いっぱいに付いたグリーンの小さな粒がかわいいアオモジ。この小さな粒はつぼみで、生けているうちに開いて淡い黄色の花になります。枝の下の方を割って生けると長持ちします。
ハクモクレン
ハクモクレンは、春しか出会えない枝物です。通常木の上の方の枝に花を咲かせるので確認できる機会はありませんが、花には何ともいえない芳香があります。
桃
3月3日の節句に欠かせない桃の花は、2月の中旬から流通量が増えます。多くはつぼみの状態で店頭に並ぶので、自宅で咲かせて楽しみます。枝の下の方を十字に割って深水で生け、こまめに水を交換すると長く楽しめます。強い衝撃を加えるとつぼみが落ちやすいので、優しく扱ってください。
ビバーナム・スノーボール
ビバーナム・スノーボールは春から初夏にかけて流通する枝物です。ライムグリーンの紫陽花のような花が魅力で、明るく爽やかな印象です。余計な葉は取り除き、枝を割って、水に浸かる部分の樹皮を剥ぐと長く楽しめます。
ドウダンツツジ
ドウダンツツジは、青々とした葉と横に広がる枝ぶりが美しく、人気のある枝物です。水が落ちると葉がくるくると丸まって散ってしまうので、枝の下の方を割って、深水で生けるようにしましょう
切り花を長持ちさせる水揚げや生け方のコツ

水揚げとは、切り花の吸水力を上げて、効率よく水を吸い上げさせるテクニックのこと。生花店で販売されている花は水揚げ処理を施されていますが、持ち運びに時間がかかったときや、買ったばかりなのにぐったりしたときに知っていると役立ちます。
基本の水揚げ方法について、水切りから湯揚げ、枝を割るなど、それぞれの方法や理由について写真付きで詳しく解説しています。
どの花にどの水揚げ方法が合っているのかについて、バラやアジサイ、ダリア、ガーベラ、コスモスなど、花の種類ごとに適切な水揚げ方法を紹介しているので、実際に花を生けるときに役立ちます。
育てた花を切って生けるコツ

カッティングガーデンの実践方法
お庭やコンテナで育てた花をお部屋に生けて楽しみましょう。花屋さんに足を運ぶより簡単だし、何よりお庭やバルコニーに出なくても室内で季節の花を眺めて楽しめるのが魅力。ただ摘んで生けるだけでなく、摘み取る時間やタイミング、花器の選び方、季節ごとの向いている花の種類など、写真付きで詳しく紹介しています。
オレガノケントビューティーを育てて、飾って楽しむ
苞(ほう)が花のように見えるため、花が咲いていない時期も楽しめるオレガノケントビューティー。鉢植えで育てて、切り戻した枝を切り花として生けて飾ったり、ドライフラワーにして楽しむことができます。
切り花を暮らしに取り入れよう

花が終わった球根、どうする?
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