バラの下草におすすめ宿根草、多年草、一年草25選
金子三保子
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バラの下草として相性が良いおすすめの宿根草、多年草、一年草をご紹介します。華やかで存在感がある庭の主役のバラは、それだけでも美しい存在ですが、庭、花壇、ベランダをひとつの景色としてコーディネートするなら、わき役の植物にもこだわってみませんか。
目次
バラの下草におすすめの宿根草、多年草、一年草の選び方のポイント
開花時期
バラに合わせて下草を植栽する上で、一番大切なのが開花時期。まずは育てているバラの開花時期を知ることが大切です。開花時期の早いバラのひとつのモッコウバラは、4月から咲き始めます。バラに合わせる下草の開花時期は4月~5月ごろに開花しているもの、もしくは開花が始まる下草を選ぶとバラと草花の競演が楽しめます。
花の草丈
育てているバラの丈や植栽している場所に合わせて、相性が良い草丈の下草を選びます。花壇のフロントに植える下草、草丈50cm前後の草花、1m以上になる高性の草花、バラの後ろの壁面に這わせるつる植物……。
草丈の違う草花を上手に組み合わせると、立体感がある空間になり、ワンランクアップした風景が仕上がります。
花の咲き方
花の咲き方は、バラのような丸い花もあれば、穂状に咲くものなど、多様な咲き方があります。花の大きさも大輪から小輪までいろいろ。育てているバラに合わせて、花の大きさや咲き方にこだわって組み合わせると、それぞれが引き立て合い、素敵な空間になります。
宿根草(多年草)と一年草
ギリア・トリコロール 一年草
一年草は、種をまいたその年のうちに発芽し、花のあとに種をつけて枯れていくのに対し、宿根草や多年草は、環境にさえ適応すれば植えっぱなしで毎年同じ時期に開花する植物のことを言います。
育てているバラにあわせて、まず毎年開花する宿根草や多年草を選ぶと、毎年の季節の色合いが決まります。その色合いに合わせて毎年少しずつ違う一年草を組み合わせていくと、年によって雰囲気の違う庭の色合わせを演出することができます。毎年の色合いを定点観測として写真におさめておくのもよいですね。
花壇をひとつの器に見立て、フラワーアレンジをしているように、バラ、宿根草、多年草、一年草の順に色合わせ、形選びを楽しんでみませんか?
バラの下草|バラに合う宿根草、多年草
ジギタリス
- 宿根草もしくは二年草
- 開花時期 5月~6月
ジキタリスは、イングリッシュガーデンの定番として人気の花。穂状でベル状の花が咲く姿は存在感があり、バラとの組み合わせによく使われる定番的存在です。花色は、白、ピンク、イエロー、紫など。最近はアプリコット色などの中間色やブロッチのないタイプのものもあります。本来は宿根草ですが、暑さに弱いため、春まきの二年草として扱われることがあります。
ハイブリッドジギタリス
ハイブリッドジギタリスは、ジギタリスとイソプレクシスを交配して作られた新しいタイプの宿根草のジギタリス。もともとのジギタリスより耐暑性に優れ、発色がとても良いのが特徴です。ハイブリッドジギタリスの開花時期は6月~11月で、開花期間が長く花茎が分枝する性質に優れ1株でたくさんの花を立ち上げます。
バラの時期としては後半くらいからの開花ですが、バラとバトンタッチする植物として利用できます。
バーバスカム
- 宿根草
- 開花時期5月~7月
バーバスカムは、ビロードモウズイカの仲間。多くの品種があり、品種によって草丈にかなり違いがあります。植物分類も一年草のものから宿根草まで様々です。開花前まではロゼット状の下葉で、そこから花茎が立ち上がり5月ごろに開花します。
穂状の花は下から徐々に開花し、上の花が咲き終わるまでには長い期間がかかるので一輪を長く楽しむことができます。色幅もあるので、華やかな色のバラ、シックなニュアンスカラーのバラなどにあわせて品種を選んでみては。
ゲラニウム
- 宿根草
- 開花時期5月~7月(晩秋まで咲く品種もあり)
ゲラニウムは、別名フウロソウとも呼ばれるフウロソウ科の宿根草。5月くらいから初夏の間中、開花します。
ゲラニウムは多くの品種があり、ナチュラルな雰囲気が好きな方に人気の宿根草。品種によって開花が始まる時期が早めの4月からのものと、5月中旬以降のものがあります。年々株が見事になり、たくさんの花が開花している様子は見事です。
ゲウム
ゲウム・マイタイ
- 宿根草
- 開花時期4月~6月
ゲウムは、葉っぱがダイコンの葉に似ているので別名ダイコンソウと呼ばれるバラ科の宿根草。花色が豊富で、草丈も矮性から高性まで様々。咲き方も一重咲きから八重咲きまであります。花の形は、イチゴの花をもう少し大きくしたようなかわいらしい花です。品種によっては、うつむいて咲くタイプもあります。
ポテンティラ
- 宿根草
- 開花時期4月~8月(品種による)
ポテンティラは、ゲウムと同じくバラ科の宿根草。ゲウムと花が似ていますが、両者の違いは葉っぱで見分けることできます。花色は、オレンジ、アプリコット、黄色、白、赤、ピンク系濃淡などとても豊富です。
草丈は、矮性でグランドカバーとして使えるものから、60cm以上の花丈まで様々です。丈の高いものは、株元付近に咲くというよりは花茎を長くあちこちに伸ばして自由な雰囲気に散らばって咲きます。
セントランサス
- 宿根草
- 開花時期5月~10月
セントランサスは、別名レッドバレリアン、ホワイトバレリアンと呼ばれるハーブの仲間。赤や白の花が春から秋まで長期間、開花します。
宿根フロックス
- 宿根草
- 開花時期(品種による)
宿根フロックスは、品種によって春に咲くものと夏に咲くものがあります。バラに合わせるなら、春に咲く品種を選びましょう。春に咲く宿根フロックスは、葉っぱが株元付近に集中していて花の近くにないせいか、隣の草花を邪魔することなく共演してくれる素敵な宿根草です。
フロックス・ピロサ(淡い色)とゲラニウム
ツルハナシノブ Phlox stolonifera
ポレモニウム
ポレモニウム・アプリコットデライト
- 多年草
- 開花時期5月~7月
ポレモニウムは、ハナシノブ科の耐寒性多年草。丈夫で育てやすく、根付けば特別な管理をしなくても育ちます。冬の間はロゼット状の下葉だけの状態で常緑で越冬し、春になると株元から花茎を立ち上げて開花します。ポレモニウムは、温暖地の梅雨~真夏の気候が若干苦手です。夏を乗り切れば宿根化しますが、どちらかというと寒冷地向きの草花です。真夏に蒸らさないようにすることがポイントです。
クレマチス
- 宿根草
- 開花時期 系統による
クレマチスは、系統によって開花時期が違う植物です。性質も色々とありますが、バラに合わせるなら、初夏から咲き始める系統を選びましょう。大輪、中輪、小輪と花のサイズも色々とあります。バラの後方の壁面に這わせると、バラとクレマチスが咲きそろった時は、立体感のある素敵な空間に仕上がります。
クレマチス・マーガレットハント
アンチューサ
- 宿根草
- 開花時期 5月~6月
アンチューサは、春から初夏に青い花が開花するムラサキ科の草花。品種によって草丈に差があり、30~150cmくらいまでさまざまです。高温多湿に弱いため、一年草として扱われることもあります。
宿根リナリア
- 宿根草
- 開花期5月~7月
宿根リナリアは、ゴマノハグサ科の宿根草。リナリアは一年草と宿根草があり、一年草のリナリアは春が花期ですが、宿根リナリアは初夏が開花時期。草丈も一年草と違い50cm以上になります。優しい雰囲気の花も魅力的ですが、シルバーグリーンの葉も美しく、カラーリーフとして楽しめます。一通り花が終わった7月頃に切り戻しておくと、秋に再び開花します。
丁字草
- 宿根草
- 開花時期 5月
丁字草は、透明感のある水色の星型の花を初夏に咲かせる宿根草。半日陰で肥沃な土が好みですが、日当たりの良い場所でも問題なく育ちます。開花期間は短いですが、植えっぱなしで毎年開花する手入れが楽な草花です。
宿根サルビア
- 宿根草
- 開花時期5月~11月
宿根草のサルビアやセージは、多くの品種があります。ブルー系の穂状の花がさわやかな雰囲気を演出してくれます。サルビア、セージ類はおおむね開花期間が長い種類が多いですが、品種によっては晩秋咲きのものもあるので、念のためプランツタグなどでバラの開花時期と合うかを調べましょう。
ハニーサックル
- 宿根草
- 開花時期5月~10月
ハニーサックルは、半落葉のつる植物。とても良い香りのするハニーサックルの花は、5月ごろから開花が始まります。つる性で、フェンスやトレリス、アーチなどに這わせると、バラとの競演が楽しめます。
オダマキ
- 宿根草
- 開花時期5月~7月
オダマキは、5月から7月にかけて咲くキンポウゲ科の宿根草。園芸品種が多くあり、毎年のように新品種が登場しています。うつむくような姿で咲く姿がかわいらしい草花ですが、最近の品種は従来の花とは一線を画す変わった咲き方もあります。品種によって草丈が矮性から高性まで様々。色合いも微妙なものが多いので、バラとの色合わせを楽しんでみては。
アネモネ・バージニアナ
- 宿根草
- 開花時期5月~6月
アネモネ・バージニアナは、宿根草のアネモネ。バラが咲く初夏が開花時期です。冬場は下葉だけの状態ですが、花の時期になると株元から花茎を立ち上げ純白の花が開花します。花が終わった後の実の状態も楽しめる宿根草です。白いバラにあわせたホワイトガーデンにおすすめ。
バラの下草|バラに合う一年草
シャーレーポピー
- 一年草
- 開花時期5月~7月
シャーレーポピーは、5月中旬~下旬ごろに見頃を迎えるポピーです。薄紙のような繊細な花びらで茎が細く、か弱そうですが性質は丈夫。
一重咲きのほか八重咲きもあり、色合いもとても豊富です。開花時期は、ちょうどバラの開花時期と同じ5月。バラは茎が固いので、風にそよぎながら咲くシャーレーポピーのような茎の動きが面白い草花を組みあわせると、ナチュラルな雰囲気を演出できます。
ヤグルマギク
- 一年草(品種によっては宿根草もあり)
- 開花時期4月~7月
ヤグルマギクは、キク科の一年草。花びらの形は矢車に似て、放射状に広がっています。花色は白、青、ピンク、紫、ブラックなどがあります。草丈は1m位まで生長する高性から矮性種まで様々です。
アイスカラーのヤグルマギク
ダークカラーのヤグルマギク
カリフォルニアポピー(花菱草)
- 一年草
- 開花時期4月~7月
カリフォルニアポピーは、春から初夏に咲く一年草。オレンジがオリジナルの色ですが、最近は赤、オレンジ、アプリコット、クリーム色、ピンクなど色幅が豊富。咲き方は一重咲きのほか八重咲きもあります。繊細そうに見えますが性質はとても強く、ワイルドフラワーのミックスの種にもよく入っています。日が昇ると太陽に向かって開き、日没とともに閉じる性質で、お日様に向かってキラキラと咲く姿はとても美しい光景です。
アプリコット色のカリフォルニアポピー
オレンジ系のバラとアプリコット色のカリフォルニアポピーを合わせると、フルーティーな色合いが楽しめます。その年の気分にあわせてバラと宿根草の色にあわせてカラーコーディネートしてみては。
フロックス
- 一年草
- 開花時期4月~6月
一年草のフロックスは、品種がとても豊富。色合いも様々なので、バラと色合わせを楽しんでみては。
フロックス・クリームブリュレ
ギリア
- 一年草
- 開花時期4月~6月
ギリアは、フォルムがおもしろい初夏に咲く一年草。風にそよそよと揺れるように咲く姿が野草のような装いです。品種によって花の形がまったく違います。
ギリア・トリコロール
オルレア
- 一年草
- 開花時期4月~7月
清楚でナチュラルな感じが魅力で人気の植物、オルレア(オルラヤ)。開花期が長く、花付きも良いのでたくさんの花を楽しめます。環境に合えばこぼれ種で増えます。
白いレースのような繊細な花は、バラの固い茎を中和し、柔らかい雰囲気を演出してくれます。パステルカラーからビビッドカラーまで、どんな色合いのバラとも調和するので庭や花壇で活躍します。
ビスカリア
- 一年草
- 開花時期4月~6月
ビスカリアは、ナデシコ科の一年草。風にそよそよと揺れるように咲く草花です。か弱そうな花ですが性質は丈夫です。
ビスカリア・チェリーブロッサム
ビスカリアは、切り花としても楽しめる草花です。色はピンク系濃淡、紫、白など。バラと宿根草の間に植栽すると、ナチュラルな雰囲気になります。
セリンセ・マヨール
- 一年草
- 開花時期4月~6月
セリンセ・マヨールは、シックな雰囲気のする人気の一年草。春になると茎を伸ばし、茎先に筒型の小さな花を下向きに咲かせます。環境にあうと横幅40~50cm程度になりますが、小さな花のため隣を圧迫するようなことはなく、色々な植物と組み合わせがしやすい草花です。環境に合うとこぼれ種で増えます。
ニゲラ
- 一年草
- 開花時期 4月~7月
ニゲラは、花も葉も独特なフォルムで、小さな花ながらとても存在感がある草花。繊細そうな姿をしていますが、性質は強く、環境が合えばこぼれ種でも増えます。花びらに見える部分はがく片で、本来の花びらは退化して目立たない形状です。青以外に、ピンク、白など数色あり、新品種も次々と登場しています。
バラが終わったあとの下草は?
ほとんどのバラの見頃が終わるのが6月半ば。
バラと開花が合う植物を植栽すると同時に、6月くらいから開花が始まる植物を上手に植栽すると、バラの花が終わっても突然庭がさみしくなりません。
初夏から秋まで長く咲く宿根草、一年草をバラの付近に植えてみてはいかがでしょうか。
春に咲く草花、初夏から晩秋まで咲く草花をうまく組み合わせると、春から晩秋まで次々と花が開花する素敵な空間に仕上がります。
▼こちらでバラの後に咲く宿根草や一年草、花木をご紹介しています。
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