小さな鉢で育てられる花一覧|春夏秋冬ごとに育て方を紹介

山田智美
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小さな鉢で花を育てたいという方に向けて、春夏秋冬の季節ごとに分けて、おすすめの花を紹介します。ハーブやそれぞれの育て方、小さな鉢のサイズについても解説します。
目次
小さな鉢で育てられる花とは?
小さな鉢で育てられる花とは、草丈があまり高くならない種類や、一年草、小ぶりな球根類など、大きな鉢で育てる必要がない種類のことです。
多くの植物は、地上部と地下の根が同じように生長します。つまり、大きな株にならない植物は、根も広がらないので、小さな鉢で育てることが容易です。また一年草は、冬あるいは夏には枯死してしまうので、翌年以降の生長のために大きな鉢にする必要がありません。小ぶりな球根類は葉が枯れたら掘り上げて、次のシーズンに植え替えるので鉢を大きくする必要がなく、小さな鉢で育てられます。
かえって大きすぎるサイズの鉢に植えてしまうと、根ばかり生長して花が咲かなかったり、鉢の中の土が乾きにくく、根腐れを起こしやすくなるという問題もあります。植物にはそれぞれ適した鉢のサイズがあるということです。
ここでは、小さな鉢で無理なく育てられる花を紹介します。
小さな鉢とは?鉢のサイズと選び方のコツ
小さな鉢とは、一般的に3~5号の鉢のことを指します。鉢のサイズは、1号=3cmです。メーカーによって多少の差はありますが、3号鉢は直径9cm、4号鉢で12cm、5号鉢で15cmが目安です。
植物に合わせた鉢の選び方は、「購入時の一回り大きいサイズ」が目安。一年草の苗などは、大体3~4号のポットで販売されているので、4~5号の鉢に植え替えて育てるとよいでしょう。
小さな鉢で育てられる花|春
カレンデュラ
- 花期: 12月~5月
- 分類:一年草
カレンデュラは、ポットマリーゴールドという名前でも有名なキク科のハーブ。冬から流通し始めますが、たくさん花を咲かせるのは春です。
育て方
夏には枯れていく一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。霜に当たると葉焼けを起こすので、冬の夜間は軒下などに移動させるとよいでしょう。
クスダマツメクサ
- 花期: 春~秋
- 分類:一年草
クスダマツメクサは、黄色い小花がかわいらしいマメ科の草花。茎を横にほふくするように伸ばしていくので、小さな鉢に植えると、縁からこぼれるように生長する様子が楽しめます。
育て方
秋には枯れていく一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
クロッカス
- 花期:2月~4月
- 分類:球根植物
クロッカスは、早春に小さく香りの良い花を咲かせるアヤメ科の球根植物。5~10cm程度と草丈低く、花径も3~4cmと小ぶりなので、小さな鉢で育てやすい花です。
育て方
秋に球根を植え付け、春に開花を楽しみ、葉が黄色く枯れてきたら掘り上げて、日の当たらない風通しの良い場所で保管します。球根は、次の秋にまた小さな鉢に植えて楽しめます。
スイセン
- 花期:11月~4月頃
- 分類:球根植物
スイセンは、香りの良い花を咲かせるヒガンバナ科の球根植物。バルボコディウムやテタテートなど、小ぶりなサイズのスイセンは、小さな鉢で育てられます。
育て方
花が終わって葉が枯れたら、球根を掘り上げて、日の当たらない風通しの良い場所で保管します。球根は、次の秋にまた小さな鉢に植えて楽しめます。
スミレ
- 花期:3月~5月
- 分類:多年草
スミレは、小さく愛らしい花を咲かせるスミレ科の多年草。草丈低く、根もそれほど伸びないので、小さな鉢で育てられます。
育て方
生長してもあまり大きな株にはならないので、小さな鉢に数年植えっぱなしで問題ありません。こぼれ種で増えるので、鉢がいっぱいになったら株分けしましょう。
原種チューリップ
- 花期: 3月~5月
- 分類:球根植物
原種チューリップは、ユリ科の球根植物。背が高くなる品種もありますが、ポリクロマやテタテタなど、クロッカスと見紛うような小さな品種もあり、小さな鉢で育てられます。
育て方
花が終わって葉が枯れたら、球根を掘り上げて、日の当たらない風通しの良い場所で保管します。球根は、次の秋にまた小さな鉢に植えて楽しめます。
ネモフィラ
- 花期:3月~5月
- 分類:一年草
ネモフィラは、春に淡い水色の花をたくさん咲かせるムラサキ科の草花。地植えにすれば絨毯のように広がっていき、鉢植えにすると鉢いっぱいにこんもりとふくらんで、たくさんの花を楽しめます。
育て方
夏には枯れていく一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
花かんざし
- 花期:3月~5月
- 分類:多年草(一年草)
花かんざしは、つぼみはピンク、花は白、葉は青みのあるグリーンと、繊細な色合わせが美しいキク科の草花。本来は多年草ですが、夏越しが難しいため一年草として扱われています。小さな鉢に植えると、縁からこぼれるように花が咲く、美しい様子を楽しめます。
育て方
夏には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。極寒期は霜に当たらないよう、夜間は軒下などに移動させましょう。
プリムラ・ジュリアン、プリムラ・ポリアンサ
プリムラ・ポリアンサ
- 花期:11月~4月
- 分類:多年草(一年草)
プリムラ・ジュリアン、プリムラ・ポリアンサは、サクラソウ科の草花。春に明るい色の花をたくさん咲かせます。プリムラの中でも小型の園芸種で、小さな鉢で育てやすいのが魅力です。本来は多年草ですが、高温多湿に弱く夏越しが難しいため、一年草として扱われています。
育て方
ほとんどの場合夏には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。極寒期は霜に当たらないよう、夜間は軒下などに移動させましょう。
ワスレナグサ(勿忘草)
- 花期:4月~6月
- 分類:一年草
ワスレナグサは、小さな水色の花を咲かせるムラサキ科の草花。小さな鉢に植えると、こんもりと茂ってたくさんの花を咲かせます。花の後にできる種を採っておいて秋にまけば、翌年もワスレナグサの花を楽しめます。
育て方
夏には枯れていく一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。極寒期は霜に当たらないよう、夜間は軒下などに移動させましょう。
小さな鉢で育てられる花|夏
アメリカンブルー(エボルブルス)
- 花期:5月~10月
- 分類:多年草(一年草)
アメリカンブルーは、青い小花がかわいらしいヒルガオ科の草花。本来は多年草ですが、越冬が難しいので一年草として扱われます。花は一日花ですが、次々と咲くので、長い期間楽しむことができます。
育て方
秋には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
ペチュニア、サフィニア、カリブラコア
カリブラコア
- 花期:4月~10月頃
- 分類:一年草(多年草)
ペチュニア、サフィニア、カリブラコアは、すべてナス科の草花。サフィニアとカリブラコアは、ペチュニアから作られた品種です。冬越しさせることができれば、多年草として育てられますが、おおむね一年草として扱われています。1株でも夏の間にこんもりと大きくなるので、小さな鉢でたくさんの花を楽しむことができます。
育て方
多くの場合、秋には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。こまめに花がらつみをすることと、開花中に施肥を行うことで、たくさんの花を楽しむことができます。
ニチニチソウ
- 花期:5月~10月
- 分類:一年草
ニチニチソウは、5枚の花びらの小花がかわいらしいキョウチクトウ科の草花。夏の暑さに強く、毎日のように花を咲かせます。
育て方
秋には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
小さな鉢で育てられる花|秋
アンゲロニア
- 花期:5月~10月
- 分類:一年草
アンゲロニアは、たくさんの小さな花を縦に連ねて咲かせるゴマノハグサ科の草花。花色はピンク、紫、白など豊富です。真夏を休んで、春から秋まで長期間花を楽しめます。春と晩夏に流通するので、好きなタイミングで購入してください。
育て方
晩秋には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
ケイトウ
- 花期:7月~11月頃
- 分類:一年草
ケイトウは、モコモコとした花がおもしろいヒユ科の草花。ケイトウという名前は、漢字では鶏頭と書き、花をニワトリのトサカに見立てたのが由来です。多くの品種がありますが、フサケイトウのような小ぶりなものは、小さな鉢で育てられます。
育て方
晩秋には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
サフラン
- 花期:10月~11月
- 分類:球根植物
サフランは、スパイスとしても有名なアヤメ科の球根植物。秋にクロッカスによく似た花を咲かせます。土に植えなくても開花しますが、翌年も咲かせたいのであれば、土に植えてしっかり光合成させましょう。小ぶりな球根は、小さな鉢で育てやすいサイズです。
育て方
葉が枯れたら、球根を掘り上げて、日の当たらない風通しの良い場所で保管します。球根は、次の晩夏にまた小さな鉢に植えて楽しめます。
小さな鉢で育てられる花|冬
アリッサム(スイートアリッサム)
- 花期:10月~4月
- 分類:多年草(一年草)
アリッサムは、白やピンクの小花をたくさん咲かせるアブラナ科の一年草。本来は多年草ですが、日本では夏越しできないので一年草として扱われています。秋から流通し始め、日当たりが良ければ冬の間も次々と花を咲かせます。こんもりとふくらむように育つので、小さな鉢に植えると、縁からこぼれ落ちるように花を咲かせるかわいらしい様子を楽しめます。
育て方
夏には枯れていきます。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。
ガーデンシクラメン
- 花期:10月~4月
- 分類:球根植物
ガーデンシクラメンは、屋外で育てられるサクラソウ科の球根植物。室内で育てるシクラメンに比べると小ぶりで、寄せ植えや小さな鉢で育てやすいサイズです。暑さに弱く夏越しが難しいので、一年草のように扱われることの多い花です。
育て方
夏前に葉が枯れてきたら、水やりを止めて、風通しの良い涼しい日陰に移動させ、休眠させます。秋に球根を確認してしっかりした状態で残っていたら、夏越しができた証拠。新しい土に植え替えて、水やりを再開しましょう。
パンジー、ビオラ
ビオラ
- 花期:10月~5月
- 分類:一年草
パンジー、ビオラは、秋から春までカラフルな花を次々と咲かせるスミレ科の一年草。サイズが大きいものがパンジー、小さなものがビオラですが、最近は多くの品種が作出され、見分けが難しくなっています。小さなポットに入った苗の状態で販売されているので、4~5号の鉢で育てやすいのは魅力。秋に小さな苗で植えても、春にはこんもりと大きくなってたくさんの花を楽しめます。
育て方
夏前には枯れる一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。ポットから出すと白く細かい根がびっしりと回っているので、下の方の根をハサミでカットして、少しほぐしてから植え付けると、根が広がり、生長が促されます。また、開花中に施肥を行うことで、たくさんの花を楽しむことができます。
小さな鉢で育てられるハーブ
ジャーマンカモミール
- 花期:3月~6月
- 分類:一年草
ジャーマンカモミールは、カモミールティーなどに利用される香りの良いハーブで、キク科の一年草です。花を乾燥させて保存することができます。
育て方
夏には枯れていく一年草です。購入後すぐに元肥を施して植え付け、表土が乾いたらたっぷりと水やりをします。ハーブ用の土など、水はけの良い土で植え付け、風通しの良い場所で管理しましょう。
チャイブ
- 花期:5月~7月
- 分類:多年草
チャイブは、アサツキを小さくしたような葉のハーブで、ヒガンバナ科の多年草です。葉を刻んで薬味にしたり、スープやカルパッチョの彩りにしたりと、1鉢あると何かと役立ちます。初夏に咲く花もかわいらしいのが魅力です。
育て方
冬は地上部が枯れたようになって越冬します。数年は植えっぱなしで育てられます。株が生長して鉢が窮屈になってきたら植え替えるようにしましょう。
ニオイスミレ
- 花期:3月~5月
- 分類:多年草
ニオイスミレは、香りの良い花を咲かせるハーブで、スミレ科の多年草。スイートバイオレットという名前でも流通していて、エディブルフラワーやお菓子の飾り付け、スミレの砂糖漬けなどに利用できます。小さな鉢で数年植えっぱなしで育てられます。
育て方
冬に地上部が枯れたようになって休眠します。春にまた芽吹いてくるので、冬の間も控えめに水やりを続けてください。数年は小さな鉢で育てられます。鉢が窮屈になるくらい生長したら、大きな鉢に植え替えるか、株分けしてまた小さな鉢で育てられます。
小さな鉢で育てられる花はこんなにあります。スモールスペースでガーデニングを楽しみたい方も、ガーデニング初心者の方も、まずは小さな鉢から始めて楽しんでみませんか。
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