【Q&A】ハーブ栽培初心者さんの「よくある質問10」|ハーブ研究家 庄野幸子さんに聞きました!
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イラスト:門司きよみ
「ハーブを育ててみたいけど、枯らしてしまったらどうしよう……。」そんな不安を抱えていませんか?
今回は、ハーブ栽培に一歩踏み出したい初心者さんのために、ハーブ研究家・庄野幸子さんに「よくある質問10個」をお聞きしました!
庄野さんは、ハーブの育て方のコツや活用術がたっぷり詰まった『ちょっとひとつみ ハーブと菜っぱ』(婦人之友社)の著者でもあります。本の中と同様に今回も、質問に対して愛情たっぷりなアドバイスをいただきました。ぜひ、初心者の方もすでにハーブを育てている方も、楽しくお読みください。
目次
- 初心者でも失敗しにくいハーブはありますか?
- 種からと苗から、育てるのが簡単なのはどちらですか?
- 庭植えとプランター栽培では違いがありますか?
- ハーブは日陰や室内でも育ちますか?
- 水やりは毎日した方が良いですか?
- 虫がつきにくいハーブはありますか?
- どんな土を使ったら良いですか?
- ハーブには肥料が必要ですか?
- ハーブは冬になると枯れてしまいますか?
- 収穫は適当な場所で切って良いですか?花は食べられますか?
- 庄野幸子さんのご紹介
初心者でも失敗しにくいハーブはありますか?

ミント
庄野さん:
はい、あります。
例えば、ミントやレモンバーム、チャイブ、ローズマリー、バジル、レモングラスなどです。これらはベランダ栽培でも地植えでも育ちますが、日照条件や気温、雨が降り込むかなど、ご自宅の環境に向いた植物を選ぶとぐっと育てやすくなりますよ。
【日当たり〜半日陰の適度な湿気を好み、夏の直射日光が苦手で、耐寒性があるハーブ】
ミント、レモンバーム、チャイブ
【日当たりで、やや乾いた環境を好み、耐寒性があるハーブ】
ローズマリー、タイム
【日当たりを好み、夏に元気で寒さに弱いハーブ】
バジル、レモングラス
種からと苗から、育てるのが簡単なのはどちらですか?

庄野さん:
初めての方は、苗からの方が簡単でしょう。
あまり大きくなりすぎていなくて、がっちり育っている、ひょろひょろ伸びていない苗を選んでみてくださいね。
種でも挑戦しやすい種類は、種が大きくて発芽しやすいナスタチウムやポットマリーゴールド(キンセンカ)、気温がやや高めなら、まいてから中2日で発芽するバジル、発芽が容易なルッコラなどがありますよ。
庭植えとプランター栽培では違いがありますか?

ローズマリー
庄野さん:
庭植えは、自由に根を伸ばせるので大きく育ちます。一方、プランターで育てると根の大きさが制限されるので、地上部もこじんまり育つ傾向があります。
よく使う鉢は6〜8号(直径18~24cm)くらいの鉢ですが、適切な鉢のサイズはハーブの種類によって変わります。生長の遅いものは一度小さめの鉢に植えて、生長後に鉢のサイズを大きくしていく必要があるからです。反対に、すぐに大きくなって根詰まりしてしまうものは、最初から大きめの鉢に植えます。
【直径9cmのポット苗を鉢に植える場合の目安】
ローズマリーやタイム→5号鉢(直径15cm)に植えて、 生長後は7号(直径21cm)程の鉢に植え替えるといいですね。
バジル→すぐに大きくなるので、最初から8号鉢(直径24cm)に植えるのがおすすめです。
ハーブは日陰や室内でも育ちますか?

カモミール
庄野さん:
ハーブは、全般的に「そよかぜ」程度の風通しを好み、基本的に屋外での栽培が向いています。私も室内で育ててみたことがありますが、ハーブにとってはなかなか厳しい環境です。日光が足りないと香りが薄くなったり、ひょろひょろと伸びやすくなります。風通しの確保も難しいですよね。
【日当たりが良い場所を好むハーブ】
セージ、ローズマリー、タイム、オレガノ、バジル、ラベンダー、ジャーマンカモミールなど
【半日陰でも育つハーブ】
ミント、シソ、パセリ、チャービル、チャイブなど
水やりは毎日した方が良いですか?

シソ
庄野さん:
水やりは、タイミングが難しいですよね。生育する環境によっても変わるので、植物の様子を見て水やりを決めましょう。
鉢やプランター栽培なら、乾き気味が好きなローズマリーなどの硬くしまった葉を持つハーブは、土の表面が乾いたらたっぷりとあげます。
反対に、適度な湿気が好きで、やわらかくて薄い葉を持つミントやレモンバーム、シソ、バジルなどは、土の表面がうっすら乾いてきたらたっぷりとあげましょう。
どちらも、乾いてきたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりあげるのを繰り返します。いつも湿っていたり、反対に乾ききって萎れてしまうのは良くありません。鉢を持ってみて、重い、軽いを感じて乾き具合の参考にするのもいいですね。
水やりは冬は回数が少なく夏は多くなり、日によっては朝と夕方の1日2回になることもあります。
地植えの場合は、植え付けた後に根付くまでは水やりをして、それ以降は雨任せで育てます。雨が極端に降らなかったり、夏に乾いてしまう場合には様子を見て水やりします。
虫がつきにくいハーブはありますか?

イングリッシュラベンダー
庄野さん:
虫がつきにくいハーブは、ラベンダーやローズマリー、タイム、ペパーミント、ローズゼラニウム、レモングラスなどです。
もし、ハーブにアブラムシがいるのを見つけたら、指やセロテープで取ったり、天敵のてんとう虫やその幼虫を見つけて食べてもらうのもおすすめです。
キアゲハの幼虫は葉を食害し、ヨトウムシの幼虫は昼間は土の中にいて夕方以降に葉を食害するので、見つけたらピンセットや割り箸を使って取り除きましょう。
どんな土を使ったら良いですか?

コモンセージ
庄野さん:
苗を植え付けるときは、草花の栽培用に肥料などもブレンドされている市販の培養土を使うと便利です。
ハーブ専用の培養土は、排水性や通気性が良く、酸度(pH)がややアルカリ寄りに調整されているものが多いようで、ローズマリー、セージ、タイムなどの地中海沿岸産のハーブに最適です。
バジルやルバーブは、比較的肥沃な野菜用培養土を使うとよく育ちます。
ハーブには肥料が必要ですか?

庄野さん:
必要ですが、全体的に少なめで大丈夫です。
肥料が多いと虫がつきやすくなったり、香りが薄くなったり、花つきが悪くなる傾向があります。一方、バジルやルバーブなど、たくさん収穫するものは適量をあげると収量も維持できます。
ハーブは冬になると枯れてしまいますか?

レモンバーム
庄野さん:
ハーブには、落葉と常緑のものがあります。
【地上部が枯れても根が残り、春になると再び芽吹くハーブ(多年草)】
ミント類やレモンバーム、チャイブなど。
【寒くなると枯れるハーブ(一年草)】
バジルやシソなど。
【冬も常緑で枯れない低木のハーブ】
ローズマリーやタイムなど。
収穫は適当な場所で切って良いですか?花は食べられますか?
庄野さん:
ハーブによって収穫方法が違います。

パセリ
【外葉を生え際からかき取る】
セリ科のパセリやチャービル、コリアンダー(パクチー)などは、外葉を生え際からかき取り、全部取らないで数枚残すと再び生長して収穫できます。

バジル
【枝をカットする】
ローズマリーやタイム、バジルなどは、葉を一枚一枚収穫するのではなく、枝ごと切り取ります。株元の木のように硬くなっている部分を切ると新芽(脇芽)が出ずに枯れることがあるので、葉が生えているところを切りましょう。

チャイブ
【花が食べられるハーブ】
チャイブ、ルッコラ、ナスタチウム、ボリジ、セージ、ローズマリーなどです。

ペニーロイヤルミント(毒性あり)
【食用にできないハーブ】
ハーブの中には鑑賞などに利用できても、食用にできない種類があります。例えば、毒性のため食用にしないペニーロイヤルミント、タンジー、ジギタリスなどです。
スイートバイオレットは花と葉が食用にできますが、種と根茎が毒性のため食用不可です。
安心して使えるハーブが多いですが、初めてのハーブは用途などを調べてから利用していただくのがいいですね。
【ハーブを安全に楽しむために】
※ハーブを食用にする際は、食用に栽培された苗を使いましょう。
※ハーブは薬ではありません。妊娠中・授乳中の方、持病のある方は、体調を第一に考え、事前に医師へ相談してから取り入れてください。
ハーブ研究家・庄野幸子さんのご紹介

photo by 青山紀子
庄野幸子(しょうのさきこ)
大学卒業後、教育系出版社在職中にレモンバームの香りに惹かれたことから興味を持ち、ハーブ専門店に勤務。退職後、自宅でハーブを育てながら、30年間、教室で栽培と利用について指導。ハーブを通した暮らしの楽しみ、和洋のハーブや野菜を生かす料理、クラフトなどを提案している。
庄野幸子さん、ハーブについてとてもわかりやすく教えていただきありがとうございました!
「もっと詳しく知りたい」と思った方は、ぜひ庄野さんの著書『ちょっとひとつみ ハーブと菜っぱ』(婦人之友社)を手に取ってみてくださいね。門司きよみさんが描く、可愛いハーブと菜っぱの優しいイラストにも心癒されて和みますよ。

『ちょっとひとつみ ハーブと菜っぱ』著者:庄野幸子 イラスト:門司きよみ 婦人之友社
▼こちらの記事では庄野幸子さんおすすめの8つのハーブを教えてもらっています。
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