枝ものの生け方や飾り方、春夏秋冬ごとに長持ちする種類を紹介
山田智美
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インテリアにおすすめの枝ものの種類を春夏秋冬に分けて紹介します。室内に季節感を取り込める枝ものを生けて飾ってみませんか。
目次
枝ものとは?
枝ものとは、切り花で流通している枝の俗称です。草花などの花に対して枝ものという呼び方をします。花木の枝、葉を観賞する枝、実付きの枝ものなど種類は様々。
枝ものは高さや大きさを出せるので、空間で存在感を示します。枝ものを飾るだけで、同じインテリアでも雰囲気を変えることができるのも魅力です。さらに花に比べて長持ちするというメリットもあります。
枝ものはどこで買えるの?
枝ものは生花店で買えます。お店によって品揃えが違うので、お気に入りの生花店を見つけるとよいでしょう。好みの枝ものを購入するために、生花店をハシゴするのも休日の楽しみになりそうです。
枝ものとインテリアの関係
枝ものはボリュームがあるので、1本でも存在感とインパクトがあります。枝ものそれぞれの個性で、空間の雰囲気を一気に変えてしまう効果があります。
インテリアを変えなくても、枝ものを生けるだけで部屋の雰囲気が変わります。枝ものをインテリアの一部と考えて季節や気分に合わせて飾れば、模様替えをしなくてもちょっとした気分転換が楽しめます。
さらに室内に枝や葉があるだけで、自宅に居ながら森林浴を楽しんでいるような気分になれるのも魅力です。
枝ものの生け方や花瓶選びのコツ
枝ものと一口に言っても大きさや重さは様々。それぞれのサイズに合わせた花瓶が必要です。高さのある枝ものを生けるなら深さのある花瓶を、重たい枝ものを生けるなら花瓶も重くて安定感のあるものが必要です。
花瓶と枝のバランスが悪いと倒れてしまう危険があります。枝ものを購入する際には手持ちの花瓶と相談してサイズ選びをするとよいでしょう。また、不透明な花瓶を選べば、中に重しとして石やレンガを仕込んで安定させることもできます。
枝ものの飾り方
枝ものは空間の雰囲気を大きく変えるような存在。せっかくなら部屋のよく見えるところに飾りたいものです。
そうは言ってもいきなり部屋の中央にどしんと置いてしまっては邪魔になってしまいます。生活動線に配慮して、邪魔にならず、視界に入りやすい場所を選ぶとよいでしょう。
本棚やテレビボード、リビングの片隅、サイドテーブルの上、ダイニングテーブルの上に低く生けても素敵です。
枝ものの扱い方
枝ものは、細い枝は一文字、太い枝は十文字に切れ込みを入れると水の吸い上げが良くなります。また、水につかる部分の木の肌をそぐと吸水面積が増えるので、より水が枝先まで上がりやすくなります。
長持ちする枝ものの種類|春夏秋冬
春におすすめの枝もの13種
ロウバイ
- 出回り時期:12月~2月
ロウバイは、初春に香りの良い花を咲かせる花木。明るい黄色の花が印象的です。露地で開花を楽しめるのは、関東なら1月後半からですが、枝もののロウバイは年末から市場で出回り始めます。
ミモザ
- 出回り時期:2月~3月
ふわふわとした黄色の花がかわいらしいミモザ。花が咲いた状態の枝もののミモザは、2月頃から出回り始めます。
ミモザは水落ちしやすい花。そのため生花のふわふわの花が楽しめるのは数日ですが、きれいなドライフラワーにできるという特徴があります。ドライフラワーのミモザは長く楽しめます。
桃
- 出回り時期:2月~3月
桃は、ピンク色の花を咲かせる花木。ひな祭りに飾られる花としても有名です。花付きが良く、枝ぶりがコンパクトで飾りやすい枝ものです。
桜
- 出回り時期:1月~3月
桜は、日本の春を代表するような花木です。枝ものの桜は、1月頃から啓翁桜などの早咲き種が出回り始め、順に河津桜や陽光桜、染井吉野が出てきます。
アオモジ
-
- 出回り時期:12月~3月
アオモジは、グリーンの小さなつぼみがたくさんついた状態で販売されている花木。この小さなつぼみは生けている間に開いて、小さなグリーンの花を楽しめるようになります。
キブシ
- 出回り時期:2月~3月
キブシは、薄黄色のかんざしのような花が印象的な花木です。華やかさはありませんが、独特のフォルムで存在感を発揮する枝ものです。
コブシ
- 出回り時期:2月~3月
コブシは、白い花をたくさん咲かせるマグノリアの仲間です。
暖かい部屋の中で次々と花を咲かせます。
ハクモクレン
- 出回り時期:2月~3月
ハクモクレンは、白い花が美しいマグノリアの仲間。硬いつぼみの状態から生けて、開花するまで楽しめます。
ミツマタ
- 出回り時期:2月~3月
ミツマタは、どこまでも枝が3つに分岐するという特徴を持つ花木。淡い黄色の砂糖菓子のような花が印象的です。低木なので枝ものとしても小ぶりで花瓶をあまり選ばず生けやすいのも魅力です。
ヒュウガミズキ
- 出回り時期:12月~3月
ヒュウガミズキは、細く華奢な枝に小さなクリーム色の花をたくさん咲かせる花木。空間に小さな花が舞っているようなかわいらしさがあります。枝が細く華奢なため重さもあまりなく、生けやすい枝ものです。
開花前の芽吹き枝としても出回り、部屋の中で次々と花を咲かせます。
ハナミズキ
- 出回り時期:3月~4月
ハナミズキは、春に白やピンクの花を咲かせる花木。葉が出る前に花を咲かせるので、花だけを楽しむことができます。
ユキヤナギ
- 出回り時期:2月~4月
ユキヤナギは、真白な小花を枝垂れる枝いっぱいに咲かせる花木。低木なので小ぶりで生けやすいのが特徴です。小花は咲き切るとはらはらと舞い始めますが、それもまたユキヤナギの美しさの一つです。
夏におすすめの枝もの7種
ドウダンツツジ
- 出回り時期:3月~9月
ドウダンツツジは、5枚に広がる小葉と横に広がる枝ぶりが美しい枝もの。明るいグリーンの葉が美しいドウダンツツジは、春から夏に出回ります。1本でも存在感があり、和洋関係なくインテリアにも馴染みやすいので人気の枝ものです。
スモークツリー
- 出回り時期:5月~8月
スモークツリーは、ふわふわとした羽毛のような花が魅力の花木。花色はグリーンからボルドーカラーまであります。
フサスグリ
- 出回り時期:6月~8月
フサスグリは、宝石のようなキラキラとした真赤な実をつける枝もの。花が少なくなる夏に彩りを与えてくれます。低木なのであまり大きくなく、生けやすいサイズであることも魅力です。
マートル
- 出回り時期:真夏を除く通年
マートルは、和名をギンバイカともいう枝もの。常緑なので、真夏以外は通年出回っっています。光沢のある青々とした葉が美しい枝ものです。銀香梅(ギンコウバイ)や祝いの木という名で販売されていることもあります。
ユーカリ
ユーカリ・ポポラス
- 出回り時期:通年
ユーカリは、南半球原産の樹木。枝ものとしては通年流通していますが、夏の暑さに負けず長く楽しめるので、夏に活躍してくれる枝ものです。最近はたくさんの品種が出回っています。
キイチゴ
- 出回り時期:2月~9月(通年)
キイチゴは、別名ベビーハンズという名前でも呼ばれる枝もの。明るいグリーンの葉が印象的です。通年流通していますが、春から夏に瑞々しいグリーンを楽しめる時期です。
ブルーベリー
ブルーベリーは、青みがかった丸い果実が特徴の果樹。実の付いたブルーベリーの枝ものは、初夏から夏にかけて出回ります。初夏にはまだグリーンの実、夏にかけて段々と色づいた実の枝ものが増えていきます。
秋~冬におすすめの枝もの12種
マユミ
- 出回り時期:9月~11月
マユミは、秋にピンク色のかわいらしい実を付ける落葉樹。ピンク色の小さな実を枝からぶら下げる姿は、派手さはありませんが、いつまでも眺めていたくなるようなかわいらしさです。
ガマズミ
- 出回り時期:9月~11月
ガマズミは、赤い小さな果実をたくさん実らせる落葉樹。実付きのガマズミは、空間の雰囲気を一気に秋へと変えてくれます。ガマズミの仲間にはガマズミの他、ビバーナムティヌスやビバーナムコンパクタなどがあります。
ドウダンツツジ(紅葉)
- 出回り時期:10月~11月
夏のドウダンツツジに変わり、秋には真赤に紅葉したドウダンツツジが出回ります。秋の深まりを感じさせるような枝ものです。
サンキライ
- 出回り時期:8月~12月
サンキライは、つる性の枝に小さな実を実らせる枝もの。晩夏からグリーンの実が付いた枝ものとして流通し始め、秋が深まるにつれて赤い実へと移っていきます。
サンキライの赤く色づいた実は、クリスマスやお正月の飾りにも使用されます。
ノバラ
- 出回り時期:9月~12月
ノバラは、晩夏から冬にかけて出回る枝もの。晩夏にはグリーンの実、秋から冬には赤い実になります。大きくしなるような枝が印象的です。赤く色づいたノバラの実は、クリスマスの装飾にも使用されます。
ムラサキシキブ
- 出回り時期:9月~11月
ムラサキシキブは、紫色の小さな実を実らせる落葉樹。華奢な枝と小さな紫色の果実が印象的で、独特の存在感のある枝ものです。
ヤドリギ
- 出回り時期:11月~12月
ヤドリギは、高木に寄生する半寄生植物。不思議なフォルムや伝承の多さから人気の枝ものです。特にクリスマスには欠かせない存在で、冬になると大きな木に寄生したものから小さなヤドリギの枝だけを束にしたものなどが出回ります。
松
- 出回り時期:11月~1月
松は、日本のお正月には欠かせない枝もので、年末から新年にかけて多く出回ります。
梅
- 出回り時期:12月~2月
梅は、日本の新春を代表するような花木。お正月飾りや新年の花生けなどで重宝されます。枝に苔が生えた苔梅も風情があって美しい枝ものです。
千両
- 出回り時期:11月~12月
千両は、常緑の葉に赤や黄色、オレンジ色の実を実らせる枝もの。お正月飾りには欠かせない縁起物です。
南天
- 出回り時期:11月~12月
南天は、真赤な実をたわわに実らせる枝もの。お正月飾りに欠かせない縁起物として年末に多く流通します。
アセビ
- 出回り時期:通年
アセビは、光沢のある葉が印象的な常緑樹。通年流通していますが、冬のグリーンが少ない時期に重宝される枝ものです。また、冬から春には花芽の付いたものが出回ります。
気になる枝ものはありましたか。存在感があり、長持ちする枝ものは室内の雰囲気を変えてくれるような効果があります。枝ものを飾るだけでいつもと同じインテリアに季節感を取り入れることもできます。枝ものを上手に利用して、植物のある暮らしを楽しんでください。
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