12月の庭で咲く花とやっておきたい庭仕事
山田智美
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12月の庭で咲く花を、多年草と一年草、花木にわけて紹介します。さらに、12月に色づく庭木ややっておきたい庭仕事も。初冬の庭の過ごし方のお話です。
目次
12月の庭で咲く多年草と一年草
イソギク
イソギクは、丸くて黄色い小花が集まって咲く、キク科の多年草。海岸近くに自生していることが名前の由来です。日当たりが良く、乾燥気味の環境を好み、晩秋から初冬に花を咲かせます。
カルーナ
カルーナは、ピンクや白の花を咲かせる、ツツジ科の常緑低木。分類上は低木ですが、小ぶりなので多年草のように扱われます。高温多湿に弱いので、風通し良く管理すれば長く楽しめます。ふわっと広がって咲く姿が優しい印象の花です。
ガーデンシクラメン
ガーデンシクラメンは、冬でも戸外で育てられるように改良された園芸種。草丈10~20cm程度と小ぶりで、色鮮やかな花を咲かせることから、寄せ植えから庭植えまで人気があります。
グレビレア・ラニゲラ
グレビレア・ラニゲラは、ヤマモガシ科の常緑低木。オージープランツと呼ばれる、南半球原産の花です。低木といっても、ほふくするように生長するので、丈は低く、広がるように増えていきます。ピンクの小ぶりな花は、しべ類が飛び出した、ちょっと独特なフォルムをしています。
クレマチス・アンスンエンシス
クレマチス・アンスンエンシスは、冬咲きの常緑性クレマチスです。12月~1月に白くて厚みのある花を咲かせます。
皇帝ダリア
皇帝ダリアは、12月に花が咲く、木立性のダリア。草丈2mほどまで生長し、大きな花を咲かせます。青みがかったピンク色の花は、12月の色の少ない庭の中で、ひと際華やかな存在です。
スイセン
スイセンは、冬から春にかけて開花する、ヒガンバナ科の球根植物。なかでも、ニホンズイセンなどの早咲きの品種は、12月から咲き始めます。
ストック
ストックは、パステルカラーの花を咲かせる、アブラナ科の一年草。明るく優しい色の花で12月の庭を華やいだ雰囲気にしてくれます。
ツワブキ
ツワブキは、キク科の常緑多年草。明るい半日陰でも花を咲かせます。光沢のある葉と黄色の花がシェードガーデンを明るく彩ってくれます。
ハツユキカズラ
ハツユキカズラは、キョウチクトウ科の常緑つる性木本。ほふくするように生長するので、グランドカバーに好まれます。最大の魅力は、12月に葉がピンクに紅葉すること。花ではありませんが、庭のなかで存在感を発揮します。
パンジー、ビオラ
パンジー、ビオラは、秋から冬に色とりどりの花を咲かせる、スミレ科の一年草。色、サイズ、花びらのフォルムやフリルなど、種類が豊富です。12月のお日様の下でたくさんの花を楽しめます。
ユリオプスデージー
ユリオプスデージーは、黄色の花を咲かせる、キク科の常緑低木。低木といっても、株元が木質化する程度なので多年草のように扱われます。12月の庭で明るい色の花をたくさん咲かせます。
12月の庭で咲く花木
十月桜(ジュウガツザクラ)
十月桜は、秋から春まで断続的に花を咲かせる、バラ科の落葉樹。ソメイヨシノよりも小ぶりな花を枝にちらちらと咲かせます。
サザンカ(山茶花)
サザンカは、白やピンクの花を咲かせるツバキ科の常緑低木。ツバキよりも小ぶりで、花付きが良いことから庭木に好まれます。12月に庭で色鮮やかな花を咲かせる花木です。
椿(ツバキ)
椿は、大きく色とりどりの花が美しいツバキ科の常緑高木。花色は、白、ピンク、絞りや複色など豊富です。八重咲きの品種は、バラのような豪華さです。
ボケ(木瓜)
ボケは、ウメに似た花を咲かせるバラ科の落葉低木。秋から春まで開花します。枝にトゲがあるので生垣に利用されることもあります。
12月に実がなる庭木
アオキ
アオキは、日陰に強いことで有名な常緑樹。シェードガーデンの一番暗いエリアに植えられていることの多い庭木ですが、冬に赤い果実を実らせます。ツヤのある大きな葉と真赤に色づいた実のコントラストが鮮明です。アオキは、12月の姿が一番美しいように思います。
キンカン
キンカンは、冬に黄色の実をつける、ミカン科の常緑低木。暖かみのある黄色の実は、縁起が良いともいわれ、昔から庭木として人気があります。
コトネアスター
コトネアスターは、赤い実を実らせるバラ科の常緑低木。低木ですが、ほふくするように生長し、高さは出ないのでグランドカバーとして利用されます。小さな真赤な実と、グリーンの小葉の組み合わせがクリスマスの飾りのようでかわいらしい庭木です。
千両(センリョウ)
千両は、正月の縁起木としても有名な、センリョウ科の常緑低木。実の色は赤の他に、オレンジや黄色と暖色ばかりで、12月の庭を明るく彩ってくれます。
トベラ
トベラは、トベラ科の常緑低木。グリーンの葉を密度濃く茂らせるので、生垣に使用されることの多い庭木です。冬にかわいらしい実を実らせます。
南天(ナンテン)
南天は、真赤な実をたわわに実らせる、メギ科の常緑低木。縁起の良い木として有名です。実は風や鳥たちにさらわれて、すぐに寂しい景色になってしまうので、早めに眺めて楽しみましょう。
バラの実
バラの仲間は、春に花を咲かせて、秋に真赤な実を実らせます。多くは秋のうちに鳥たちに食べられてしまいますが、12月になってからも実が残っている枝も多くあります。
マサキ
マサキは、ニシキギ科の常緑低木。常緑でよく茂ることから、生垣や目隠しとして人気があります。花も目立たない地味な庭木ですが、12月にはこんなにかわいらしい実をつけます。
万両(マンリョウ)
万両は、サクラソウ科の常緑低木。正月の縁起木として有名です。小さな木に小さな実をぶら下げるように付ける様子がかわいらしい庭木です。
万両には、白い実をつける品種もあります。
ミカン
ミカンは、冬にオレンジ色の甘い実をつける、ミカン科の常緑低木。寒冷地を苦手としますが、強健で育てやすいので庭に植える果樹として好まれます。ミカンの実を熟したまま枝に残して放っておくと、鳥たちがついばむかわいい姿を眺めることができます。
12月にやっておきたい庭仕事、冬越し
12月は庭に栄養を与えて、ゆっくり休ませる季節です。寒肥という春のための栄養や、根を寒さから守る作業、それから剪定や掃除などの手入れをして過ごしましょう。
寒肥
寒肥とは、来年の春の生育のために、冬の間に落葉樹に施す肥料のこと。寒肥は休眠中の根に負担をかけないように行います。
マルチング
雪が降らなくても、霜が降りるような地域ではマルチングを施して、根を寒さから守ります。根が凍ると根腐れを起こし、枯死してしまう心配があります。
落葉樹の剪定と掃除
落葉樹の剪定は、主に休眠している落葉期に行います。とはいっても、厳寒期の剪定は木に負担がかかるので避けて、12月のうちに済ませるようにするとよいでしょう。剪定の際に落ちた葉や枝と一緒に、このタイミングで腹を括ってお庭中の落ち葉の掃除をしてしまいましょう。後々の掃除が楽になります。
12月の庭は寂しいようで、色づいた実の色彩豊かで賑やかな景色を楽しめる季節。熟した実を枝に残しておけば、鳥たちがついばみにやってきます。鳥の声を聴きながら、今年の実りに感謝して、来年のための準備をしましょう。
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