3月が旬の魚、野菜、果物、花を40種。行事や五感で春を楽しむ
山田智美
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3月は春の到来を実感する季節。駆け足で過ぎて行ってしまう春を全身で楽しむために、3月に旬を迎える魚や野菜、果物、花を全部で40種類紹介します。3月の行事も紹介しているので、五感すべてを使って3月を満喫しましょう。
目次
3月ってどんな季節?行事や事柄
3月は春の始まりのような月。長かった寒い冬が終わり、花が咲き始め、虫や動物たちも春の訪れとともに動き出す季節です。
3月に迎える二十四節気
二十四節気とは、その昔に中国から渡ってきた暦です。二十四節気とは、太陽の位置を基準にして、一年を15日前後の24の時期に分けたもので、中国から渡ってきた暦です。
啓蟄(けいちつ)
啓蟄は毎年3月5日頃です。年によって1日程度前後します。
気温が上がり始め、冬眠していた虫や生き物たちが目覚め、地上に現れ始める日と言われています。特に祝日ではありません。
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春分(しゅんぶん)
春分の日とは、国で定められた国民の祝日の一つです。毎年3月21日頃、日付は年によって1日程度前後します。
春分の日は何のための祝日かというと、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」と目的が定められています。
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3月の行事や事柄
ひな祭り
ひな祭りは毎年3月3日に行われる、女の子の成長を祝うお節句です。ひな人形や桃の花を飾り、菱餅や雛あられ、甘酒を用意して楽しみます。
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春の彼岸
春の彼岸は春分の日を中日(ちゅうにち)として、前後3日間を加えた計7日間を彼岸と言います。
彼岸は自然や祖先に感謝を捧げる日本の伝統行事です。春と秋の彼岸には花を持ってお墓参りに行くのが昔から慣習として伝わっています。
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国際女性デー(ミモザの日)
国際女性デーとは、国連が定めた女性のための記念日です。毎年3月8日。特に祝日ではありません。
イタリアでは、身近な女性に感謝の気持ちを込めてミモザの花を贈る習慣があることから「ミモザの日」と呼ばれるようになりました。
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ホワイトデー
ホワイトデーは毎年3月14日。バレンタインデーにプレゼントをもらったお返しとして、男性から女性にお菓子やプレゼントを贈ります。
聖パトリックの日
聖パトリックの日、セント・パトリックス・デーは、毎年3月17日、キリスト教の祝日です。アイルランドにキリスト教を広めた聖人パトリックの命日で、イギリスやアメリカ、カナダなどでは祝日とされています。
3月が旬の野菜13種
ヨモギ
ヨモギはキク科の植物で、ヨモギ餅の材料として有名です。春の野原に芽吹き始めた柔らかい新芽を摘んで食用にします。ヨモギ餅の他、天ぷらやおひたしにして食べることができます。
つくし
つくしはスギナの胞子のばら撒き担当部分です。春になると顔を出すつくしは、柔らかい春の味です。きんぴらやおひたしにして食べられます。
ノビル
ノビルは春の野原に自生しているユリ科ネギ属の山菜です。人があまり足を踏み入れていないような土の柔らかい場所に生えているものは、手ですぽっと抜けます。根は玉ねぎのような球形で、根の部分を食べます。
ノビルは茹でて酢味噌をつけたり、おひたしなどにして食べます。
ふき
ふきはキク科の山菜です。食用にしているのは葉柄(ようへい)という茎の部分です。独特の香りとほろ苦さが特徴の野菜です。
タラの芽
タラの芽はタラノキの新芽のことです。葉が大きく開く前に摘んで食用にします。天ぷらの他、煮たり焼いたりして食べます。
ウルイ
ウルイはオオバギボウシの新芽です。葉が開く前の筒のような形状のものを食用にします。加熱すると粘り気のあるシャキシャキとした食感を楽しめます。
こごみ
こごみはクサソテツというシダ類の新芽です。葉が開く前の状態を食用にします。フォルムがかわいらしい山菜です。
ウド
ウドはウコギ科の多年草で、春が旬の山菜です。「ウドの大木」という表現がありますが、実際には多年草なので大木にはなりません。
「ウドの皮は大名に剥かせろ」と言われるように、皮を厚く剥いて中の柔らかい部分を食べます。ウドは酢の物にしたり、皮をキンピラにして楽しみます。
新玉ねぎ
新玉ねぎとは収穫してすぐに出荷された玉ねぎのこと。乾燥保存された玉ねぎと違い、瑞々しく甘味が強いのが特徴です。流通時期は2月~5月くらいまでと短いので、春に積極的に食べたい野菜です。
新じゃがいも
新じゃがいもは採れたてで出荷されたじゃがいものことです。皮も薄くみずみずしいので、皮ごと調理して食べられます。
春キャベツ
キャベツはアブラナ科の野菜です。葉が球形に丸まるのが特徴。冬キャベツはしまっていて甘味が強いのに対して、春キャベツは柔らかく瑞々しいのが特徴です。
クレソン
クレソンは通年流通していますが、露地のものは葉茎が柔らかい春が旬です。花が咲く前の葉茎を摘み取って食用にします。生でサラダの他、おひたしにしてもおいしい野菜です。
セリ
セリは春の七草の一つでもあるセリ科の春野菜です。シャキシャキとした歯ごたえと香りが特徴。鍋料理やおひたし、天ぷらにして楽しみます。
3月が旬の果物2種
ザボン(ブンタン)
ザボンはブンタンとも呼ばれる柑橘類です。グレープフルーツのような大きな果実が印象的。酸味と甘味のバランスの良い果物です。
ネーブルオレンジ
ネーブルオレンジは通年流通していますが、2月~3月に旬を迎えます。甘味が強く、食べやすいのが特徴です。
3月が旬の魚6種
ホタルイカ
ホタルイカは身の部分が5cmに満たないくらいの小さなイカです。鮮度の問題から、流通しているもののほとんどは釜茹でされたものです。春野菜と一緒にぬた合えにしたり、刺身にして食べます。
ハマグリ
ハマグリはひな祭りのお吸い物に欠かせない貝類。ハマグリの旬は産卵期を迎える前の春です。酒蒸しやお吸い物の他、焼きハマグリ、アクアパッツァなどにして食べます。
赤貝
赤貝の旬は冬から初春の産卵前です。初春の赤貝はまずはお刺身、他にも湯引きや和え物にして楽しみます。
マダイ
マダイの旬は冬から春にかけて。産卵前のマダイは脂が乗って身がしまっています。マダイは刺身の他、塩焼き、蒸し煮にして楽しめます。
鰆(サワラ)
魚に春と書いてサワラ。サワラは冬から初春に脂がのって味が良くなると言われています。サワラは西京焼きが有名です。塩焼きにしても楽しめます。
サヨリ
サヨリの旬は冬から初春にかけての寒い時期です。サヨリはお刺身の他、天ぷらや唐揚げにして楽しめます。
3月が旬の花19種
スミレ
スミレは春の訪れを知らせてくれるスプリングエフェメラルの一つ。スミレの花が咲くのは3月~5月。新緑が生い茂る前の木陰でひっそりと小さな花を咲かせます。
ムスカリ
ブドウを逆さにしたようなフォルムがかわいらしいムスカリ。露地植えの球根は3月~4月に開花します。
クロッカス
クロッカスは啓蟄の頃から春の訪れを報せるかのように咲き始めます。春の柔らかい陽射しの中で明るい色の花を咲かせます。
バイモユリ
バイモユリはユリ科の植物。葉の先端がくるりと巻きひげのような役割をして、周囲の植物に絡みます。淡いグリーンの花がかわいらしい植物です。
イフェイオン(ハナニラ)
イフェイオンの和名はハナニラ。3月~5月に開花します。草丈低く群生するので、満開の時期には、星型の絨毯のようなかわいらしい姿を見せてくれます。
アセビ
アセビは早春に咲く花木の一つ。3月には満開の美しい姿が見られます。小ぶりな花をかんざしのように下垂させて咲かせる姿が印象的です。
沈丁花(ジンチョウゲ)
沈丁花は香りの良い花を咲かせる花木です。2月の後半から3月に開花します。どこからともなく沈丁花のすっと爽やかな香りが漂ってくると春が来たことを実感します。
カワヅザクラ
カワヅザクラは2月~3月に開花する早咲きの桜です。鮮やかなピンクの花が美しく、ソメイヨシノに比べて開花期間が長いのが特徴です。
シデコブシ
シデコブシは白やピンクなど花色が豊富な花木です。桜よりも一足早く花を咲かせます。
ソメイヨシノ
ソメイヨシノは日本の桜を代表するような桜の品種です。3月後半から4月前半にかけて開花します。満開の姿は美しく、散り際の儚さも魅力の桜です。
キブシ
キブシは枝の先から薄黄色のかんざしのような花を咲かせる花木です。葉が出てくる前に花を咲かせるのが特徴です。
ヒュウガミズキ
ヒュウガミズキは春に淡い黄色の花を咲かせる落葉低木です。花の後に出てくる葉もハート型でかわいらしい花木です。
タンポポ
タンポポは黄色の花を咲かせるキク科の野草です。春になると空き地や花壇、森の中、公園などいたるところで見かけます。春の訪れを実感させてくれる花です。
桃
ひな祭りには欠かせない桃の花。実際に露地で咲き始めるのは3月後半です。ピンク色の桃の花は、母性とかわいらしさを併せ持った女性らしい印象の花木です。
ミモザ
ミモザは黄色のふわふわとした花がかわいいマメ科の花木です。3月8日のミモザの日にはミモザの花を贈る習慣があります。
オオイヌノフグリ
オオイヌノフグリは小さな青い花を咲かせる野草です。草丈低く地面を覆いつくすように群生するので、満開になると青い絨毯のようで走り寄っていきたくなります。
ホトケノザ
ホトケノザは日本に自生する在来種の多年草です。濃いピンク色の小さな花を咲かせます。花には蜜があり、蝶や蜂が寄ってきます。
ヒメオドリコソウ
ヒメオドリコソウはシソ科の多年草です。ホトケノザと似ているため混同されることも多いようです。淡いピンク色の花を咲かせます。
カラスノエンドウ
カラスノエンドウはマメ科の越年草。濃いピンクと淡いピンクの2色で構成された花を咲かせます。道端や空き地など身近な場所で見かける野草です。
3月が旬の食材で料理!春野菜レシピ
いよいよ春本番の3月。春野菜は芽吹きのエネルギーを持ったものばかりです。春の野菜をたくさん食べられるレシピを2種類紹介します。
ウドとワカメの酢味噌和え
材料
- ウド
- ワカメ(生でも乾燥でも)
- a味噌 大さじ2
- a砂糖 大さじ1
- a酢 大さじ1
作り方
- ウドは厚めに皮を剥いて短冊切りにし、酢水に浸けておく
- ワカメは乾燥なら水で戻し、食べやすいサイズに切る
- aの調味料をすべて滑らかになるまで混ぜる
- ウドとワカメを小鉢に盛り付け、上に混ぜ合わせた酢味噌をかけて出来上がり
お好みで酢味噌に和からしを混ぜても楽しめます。和からしを混ぜるなら小さじ1弱くらいがおすすめです。混ぜすぎると刺激が強くなるので注意してください。
山菜のナムル
材料
- フキ
- ウルイ
- コゴミなど食べたい山菜
- aコチュジャン大さじ2
- a味噌小さじ2
- a砂糖小さじ1/2
- a酢大さじ1と1/2
- aすりニンニク少々
- aすりごま少々
- a塩少々
作り方
- フキは板ずりをしてから熱湯で茹でザルに上げ、冷水で冷ましてからスジを取り、食べやすいサイズに切る
- ウルイは茎と葉に切り分け、熱湯に茎、葉の順に入れて10秒程でザルに上げ、食べやすいサイズに切る
- コゴミは下の茶色くなった部分を切り落とし、葉の部分を指で弾くようにして汚れを落としてから水の中で洗い、熱湯で1分程茹でてザルに上げ、食べやすいサイズに切る
- aの材料をボウルに入れ混ぜ合わせてナムルのソースを作る
- ボウルに山菜を入れ、全体を和えたら出来上がり
山菜はウドやノビルでも楽しめます。好みの野菜で試してみてください。
3月に旬を迎える食べ物は、春の芽吹きのエネルギーがいっぱい。さらに春を楽しむ行事もたくさんあります。目で見て触れて、舌で味わって、春を体中で楽しんでください。
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