梅雨に咲く花30種|雨の中、美しく咲く花や6月から咲き始める花
金子三保子
このライターの記事一覧
梅雨に見ごろを迎える花や梅雨のころから開花が始まる花を、花木と草花別にご紹介します。
目次
梅雨に咲く花木17種
アジサイ
梅雨の時期に咲く花と言えばアジサイ。西洋アジサイ、ガクアジサイともに、品種が豊富で、毎年新品種が作出されています。アジサイの花と思っている部分はガクのため、雨に打たれても傷むことなく美しさを保ちます。
アナベル
アメリカアジサイの別名を持つアナベルは、アジサイの仲間の落葉低木。アナベルとアジサイの大きな違いは、花芽が出来る仕組みです。アジサイは前年の枝に花が咲く旧枝咲き、アナベルはその年に出た枝に花が咲く新枝咲きです。矮性種や花が大きな品種、花色がピンクの品種など、年々種類が増えています。
カシワバアジサイ
柏の葉に似た葉のアジサイ科の落葉低木、カシワバアジサイ。アジサイの仲間ですが、カシワバアジサイの花はピラミッド型。別名ピラミッドアジサイとも呼ばれています。一重咲きや八重咲き、矮性種など種類が豊富です。
常山アジサイ
常山アジサイ(ジョウザンアジサイ)は、アジサイの近縁種で暖地では常緑で越冬します。アジサイの開花時期と同じころ、星型の清楚な雰囲気の花が開花します。粒々のつぼみも可愛らしい雰囲気です。
クチナシ
雨が多い季節に良い香りを漂わせながら咲くクチナシ。雨上がりの湿度が高い日は、甘い香りがより濃厚に感じられます。花は一重の他、八重もあります。
ザクロ
秋に独特な形の実をつけるザクロは、5月後半から梅雨の時期にかけて、華やかなオレンジ色の花が開花します。果実を食べることが目的の「実ザクロ」と花を鑑賞することが目的の「花ザクロ」の2種類があります。
タイサンボク
タイサンボクは、樹高が20mにもなるモクレン科の常緑高木で庭木や公園樹として植えられています。6月頃、木の上の方で香りの良い大輪の白い花が開花します。香水の原料や化粧品の香料の「マグノリア」とは、タイサンボクのことです。
ヤマボウシ
ヤマボウシは、6月~7月に白い花を咲かせる落葉高木。白い花のように見える部分は、総苞 (そうほう)と呼ばれる部分で葉が変化したものです。よく似た花のハナミズキは4月~5月に開花、ヤマボウシは梅雨の時期に開花するので見分けることができます。基本種は落葉樹ですが、常緑タイプもあります。
シモツケ
シモツケは、枝の先に毬のような小さな花を咲かせる落葉低木。5月の中旬くらいから6月が開花時期です。生長しても1m前後なので扱いやすく、庭木や公園樹としてよく見かけます。
スモークツリー
スモークツリーの本来の花は、初夏に穂状の花序に黄色の小さな花が無数に開花します。花のあと、花柄と呼ばれる軸の部分が長く伸び、6月頃、煙のようなふわふわとした触感と見た目になるのがスモークツリーという名の由来です。ふわふわとした煙状の見た目になるのは雌木のみです。
ビヨウヤナギ
ビヨウヤナギは、6月~7月ごろ黄色い花を株一面に咲かせる半落葉低木。庭木のほか、公園樹や街路樹の足元の低木として、様々な場所に植栽されています。花は、とても目立つ雄しべが上を向いているのが特徴です。梅雨の時期に咲く花は、アジサイのような青、紫、ピンク系の花色が多い中で、黄色い花はとても目立ちます。
ヒペリカム(キンシバイ)
ヒペリカム(キンシバイ)は、オトギリソウ科の半常緑低木。金糸のような長い雄しべと梅のような形の花から「金糸梅(キンシバイ)」と名付けられました。黄色い花は、6月~7月に株一面に開花します。刈り込みに耐え、手入れも簡単なため、公園樹や街路樹の足元の低木としてなど、様々な場所に植栽されています。遠くから見るとビヨウヤナギと似ていますが、雄しべの部分と花の形で簡単に見分けることができます。
シャラノキ(夏椿)
シャラノキは、6月頃にツバキに似た白い花を咲かせる落葉高木。花芯部が黄色で花びらが白の花姿がツバキにそっくりです。夏椿(ナツツバキ)という和名は、ツバキに似た花を夏に咲かせることから名付けられました。
ヒメシャラ
ヒメシャラは、6月~7月頃ツバキに似た白い花を咲かせる落葉高木。シャラノキ(夏椿)によく似ていますが、花や葉がシャラノキより小さいのが特徴です。ヒメシャラという名は、シャラノキよりも小さな花が咲くことから付けられました。
クレマチス
クレマチスは、品種によって花の開花時期がまったく違います。6月に咲くのはヴィオルナ系、テキセンシス系をはじめとした中輪~小輪のクレマチス。写真はヴィオルナ系クレマチス・クリスパ。壺型のかわいい花が特徴のクレマチスです。
ムクゲ
梅雨のころから秋までの長期間開花する花木、ムクゲ。ひとつひとつは一日花です。よく似た花のフヨウはもう少し暑くなってからの夏咲きですが、ムクゲは梅雨のころから開花が始まります。
ナンテン
花の時期より赤い実やお正月の縁起もの花材として、晩秋~年末の方が注目されるナンテン。5月の後半から6月にかけて、白い小さな花が開花します。庭木、公園樹、街路樹……いたるところに植えられているので、近所でも花が咲いているかもしれません。
梅雨に咲く草花13種
ギボウシ
小型から大型までたくさんの品種がある葉が美しいギボウシ。6月の半ばから7月の梅雨の時期に、株元から花茎が伸びて、下から順に開花します。ひとつひとつの花は一日花です。
半夏生
半夏生は、水辺や湿地に自生するドクダミ科の多年草。ドクダミと同じく地下茎で増えるので、地植えにするとよく広がります。6月下旬から7月にかけて、白い花穂をつけ、開花の頃になると花穂のすぐ下の葉が半分白くなるのが特徴です。
ドクダミ
ドクダミは、半日陰から日陰の湿地を好むドクダミ科の多年草。ドクダミの花びらに見える白い部分は葉が変化した総苞片で、中心の突出した黄色い部分が本来の花です。独特な香りがして地下茎でどんどん増えるため、厄介な雑草扱いされる一方で、10の効能があることから「十薬」とも呼ばれるほど効能が多い薬草です。写真のような八重咲きや斑入り種などはガーデニングの素材としても使われています。
アガパンサス
アガパンサスは、ユリ科の多年草。5月下旬ごろから7月頃、株元からすっと花茎を立ち上げて放射状に青紫の花を咲かせ、その姿は花火のような雰囲気です。丈夫で育てやすいため、公園や花壇の植え込みなどにもよく植えられています。花色も豊富になり矮性種など、新品種が続々登場しています。
タチアオイ(ホリホック)
タチアオイ(ホリホック)は、初夏から夏にかけて2m近く伸びる花茎に穂状の花が開花します。丈夫な性質で、空き地や線路沿い、道路わきなどで見かけることも多い多年草です。(園芸品種の中には一年草扱いのものもあります)タチアオイ(ホリホック)の花は、下から上に咲きあがる性質で、最初の花が咲きだすのは梅雨入りの頃、頂点の花が咲くのが梅雨明けの頃と言われています。
アーティチョーク
アーティチョークは、地中海原産のキク科の野菜で大型の多年草。日本では食材としてあまり普及しておらず、どちらかというとガーデニングや切り花などの鑑賞用として利用されています。つぼみが花のようなフォルムをしていますが、実際の花は写真中央のアザミに似た花が初夏に開花します。
睡蓮(スイレン)
睡蓮(スイレン)は、水の上に浮かぶように咲く花が印象的な水生植物。初夏から秋ごろまでと開花期間が長い花です。よく似た花の蓮(ハス)の開花の方が遅く、梅雨明けのころからです。
ハナショウブ
ハナショウブの花の見ごろは、5月の終わりごろから6月中旬にかけてです。花色が豊富でたくさんの品種があり、6月の前半~中旬、全国各地の菖蒲園では一斉に咲き誇る色とりどりの姿を鑑賞することができます。
ユリ
ユリは、主に6月ごろから夏にかけて香りの良い花を咲かせる球根植物。花の大きさは、ヤマユリのような大輪咲きからオトメユリのような小ぶりなものまであります。非常に種類が多い上に、園芸品種もたくさんあり、毎年のように新品種が作出されます。
ゼフィランサス
ゼフィランサスは、ヒガンバナ科の球根の花。雨が降ると一斉に開花するので、レインリリーとも呼ばれます。品種によって開花時期が違いますが、写真のサフランモドキと呼ばれるピンク色のゼフィランサス・カリナータは6月から秋まで開花します。
アリウム
アリウムはネギ科の球根植物で、矮性から高性まで種類が豊富です。花の形がユニークなものが多く、庭に植えると独特な雰囲気を演出できます。一般的な品種は、春咲きと初夏咲きが多いですが、夏咲き品種もあります。写真はサマードラマー。6月~7月に草丈が2m近くになる高性のアリウムです。園芸としてだけでなく、切り花の種類も豊富で、梅雨のころの花屋さんには素敵なアリウムがいろいろと並びます。
ツユクサ
梅雨の時期にしっとりと咲くツユクサは、ツユクサ科の多年草。とてもたくさんの種類があります。写真はムラサキツユクサ。
ホタルブクロ
ホタルブクロは、下向きに釣鐘型の花を咲かせる多年草。野山や林など様々な場所に自生しています。観賞用としても古くから親しまれ、強健で育てやすい植物です。
雨でお出かけしづらい時期ですが、梅雨の季節ならではの美しい植物もたくさんあります。晴れ間を探して、梅雨の植物散歩をされてはいかがでしょうか。
▼編集部のおすすめ
▼366日誕生花一覧
▼素敵な花言葉一覧
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「梅雨に咲く花30種|雨の中、美しく咲く花や6月から咲き始める花」の記事をみんなにも教えてあげよう♪