グリーンカーテンの作り方|食べられる野菜とおすすめの花や植物一覧
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直射日光を遮り、節電につながるといわれるグリーンカーテンについて、効果やメリット・デメリット、作り方を解説。さらにグリーンカーテンにおすすめの野菜や花、おしゃれで個性的なつる植物も紹介します。
目次
- グリーンカーテンとは?
- グリーンカーテンの効果とメリット・デメリット
- とっても簡単!グリーンカーテンの作り方
- グリーンカーテン|食べられる野菜や果物
- グリーンカーテン|花が咲く種類
- グリーンカーテン|おしゃれな種類
グリーンカーテンとは?
グリーンカーテンとは、窓の外側につる植物を絡ませてカーテンのように仕立てたものを指します。設置する目的は直射日光を遮る他、目隠し、景観を整えるためです。植物で作るグリーンのカーテンだから、グリーンカーテン。シンプルでわかりやすい呼び名です。
緑のカーテンとは?
緑のカーテンとは、グリーンカーテンの別名です。違いは日本語か外来語かという点だけで、同じものを指します。仮にグリーンではなく、赤や青銅色の葉だったとしてもグリーンカーテン、造花のグリーンだったとしてもグリーンカーテンと呼びます。
グリーンカーテンの効果とメリット・デメリット
グリーンカーテンの効果
グリーンカーテンは、主に夏季などの陽射しが強い時期に効果を発揮します。窓の外にグリーンカーテンを設置することで、室内に入ってくる直射日光を遮ることができ、室内の温度が下がるという効果があります。これはつまり、クーラーの使用が控えめになるということから、節電対策につながります。また、葉と葉の間に隙間ができるので、全面的に遮光されることがなく、適度に光と風を通すという効果もあります。
日本では昔から、夏に葦簀(よしず)や簾(すだれ)を設置して、暑さを和らげる工夫がされてきました。グリーンカーテンはその現代版という感じでしょうか。
グリーンカーテンのメリット
- 遮光
- 室内温度を下げる
- 目隠し
- 壁面緑化
- 視覚的心地よさ
グリーンカーテンのメリットは、直射日光を遮り、室内温度を下げ、心地よく過ごせるようになるということ、さらには節電にもつながります。さらに、外からの気になる目線から室内を守る目隠しとなり、壁面緑化になるので、景観を整えられるというメリットまで得られます。何より、自宅にいながら森の中で過ごしているような心地よさを感じることができます。
グリーンカーテンのデメリット
- 虫が気になる
- 枯葉の掃除
- 水やりの手間
- 後片付け
グリーンカーテンの一番のデメリットは、虫ではないでしょうか。花が咲いていれば、蜜を求めて昆虫がやってきます。ただしこれは、授粉を助け、たくさんの実りの役に立ちます。カメムシやコガネムシのような歓迎し難い虫が産卵することもあるかもしれません。虫が苦手な方は、育て始めたばかりの頃から害虫忌避効が期待できる木酢液を散布するなど、対策を取ることをおすすめします。
枯葉の掃除や水やりの手間、片付けは、植物を育てるからには避けて通ることはできない作業です。早朝あるいは夕方の気分転換と割り切ってみてはいかがでしょうか?
とっても簡単!グリーンカーテンの作り方
実際にグリーンカーテンを作ってみましょう。とっても簡単なグリーンカーテンの作り方を紹介します。
用意するもの
- ネット
- 支柱
- プランター
- 培養土
- 鉢底石
ネットの上部は物干し竿などに、足元はプランターに固定します。購入前に高さを計測しておきましょう。
グリーンカーテンの作り方
①プランターに鉢底石を敷き、その上に培養土と元肥を入れます。
②ネットと支柱を結び付け、支柱をしっかりとプランターに埋め込んで固定します。この支柱がネットを支える役割を果たします。ネットがたわまないように、支柱は間隔を空けて何本かセットしてください。
③物干し竿にネットの上部をしっかりと固定します。緩んで外れることがないようにワイヤーや結束バンドなどで何ヶ所か留めるようにしましょう。
④最後に、プランターにグリーンカーテンにしたい植物を植えたら出来上がりです。
植え付け直後はたっぷりと水やりをしましょう。植物が生長してネットに絡みついていけば、ネットの強度も上がります。
グリーンカーテンにおすすめ|食べられる野菜や果物
ゴーヤ
- 科・属:ウリ科・ツルレイシ属
- 分類:つる性一年草
ゴーヤは、独特の苦味が特徴の野菜。日当たりが良ければ、毎日のように黄色くかわいらしい花を咲かせ、次々と実るので、たくさんの実を収穫できます。水やりさえ忘れなければ、あまり手間もかからず、育てやすいのでおすすめです。
キュウリ
- 科・属:ウリ科・キュウリ属
- 分類:つる性一年草
キュウリは、みずみずしくパリッとした食感が魅力。カリウムを多く含んでいるので、汗をかくことの多い季節に食べたい野菜です。みずみずしいキュウリを楽しむためにも、水やりは忘れないようにしましょう。
シカクマメ
- 科・属:マメ科・シカクマメ属
- 分類:多年草(一年草)
シカクマメは、名前の通り角張ったさやが特徴。さやの中の豆を食べるのではなく、さやごと切って炒めたりゆでたりして調理するので、扱いとしてはモロッコインゲンに似ています。熱帯原産の植物で、原産地では多年草ですが、日本では一年草として扱われています。
マイクロきゅうり(きゅうりメロン)
- 科・属:ウリ科・メロトリア属
- 分類:つる性一年草
マイクロきゅうりは、2cm程度の小さなキュウリに似た実をつける野菜。名前にキュウリと付きますが、分類上はキュウリとは別属です。野菜としての流通は少ないので、自分で育てて食べるという楽しみができます。
パッションフルーツ
- 科・属:トケイソウ科・トケイソウ属
- 分類:つる性多年草
パッションフルーツは、香り良く、甘くみずみずしい果実が魅力のトロピカルフルーツ。夏の暑い時期に次々と花を咲かせ、実を実らせます。実は表面に少しシワが寄ってきたくらいが食べ頃です。熱帯の原産なので、日本では冬越しできずに一年草のように扱われていますが、最近は温暖化のせいか関東でも冬でも葉を残している様子を見かけます。
ブラックベリー
- 科・属:バラ科・キイチゴ属
- 分類:つる性落葉低木
ブラックベリーは、つぶつぶとしたかわいらしい実をつける果樹。ブラックベリーの実は、色づき始めは赤、やがて熟すと黒になっていくので、色の変化も楽しめます。つる性ですが、自ら絡みついていくことはないので、誘引が必要です。株は木質化しますが、剪定で大きさを管理できる上に、秋には落葉して日差しを通すので、グリーンカーテンにおすすめです。
ヘチマ
- 科・属:ウリ科・ヘチマ属
- 分類:つる性一年草
ヘチマは、ウリ科のつる植物。野菜としてはあまり馴染みのない方も多いかもしれませんが、沖縄ではナーベラーという名前で食べられています。味が浸みこんだナーベラーチャンプルーは絶品です。生育旺盛で育てやすいので、グリーンカーテンにおすすめ。この機会に野菜としてのヘチマを味わってみませんか。
グリーンカーテンにおすすめ|花が咲く種類
アサガオ(朝顔)
- 科・属:ヒルガオ科サツマイモ属
- 分類:つる性一年草(多年草)
アサガオは、夏の早朝から昼前まで花を咲かせるつる性植物。昔から人気のあった花で、江戸時代には園芸品種が盛んに作られたといいます。一年草の他に、多年草や昼過ぎまで咲いている品種もあります。アサガオは、水彩絵の具を混ぜ合わせたような淡く繊細な色合いが魅力の花です。グリーンカーテンにすれば、この花の美しさに会いたくて早起きするようになるので、生活習慣改善のメリットも期待できそうです。
クレマチス
- 科・属:キンポウゲ科・センニンソウ属
- 分類:つる性多年草
クレマチスは、優しい色合いの花を咲かせる多年草。常緑の品種もありますが、グリーンカーテンには、秋には落葉して日差しを通す、非耐寒性多年草の品種がおすすめです。可憐な花をたくさん楽しめる、目にも美しいグリーンカーテンです。
スネールフラワー
- 科・属:マメ科・ササゲ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
スネールフラワーは、カタツムリのようなフォルムの花が特徴のつる植物。この花のフォルムが Snail flower(カタツムリの花)という名前の由来です。熱帯原産で日本では冬越しできないので、一年草として扱われています。独特なフォルムと優しい色合いの花が、おしゃれなグリーンカーテンです。
トケイソウ
- 科・属:トケイソウ科・トケイソウ属
- 分類:つる性多年草
トケイソウは、個性的な花が印象的なつる性多年草。平たい円盤のような花と飛び出したしべ類を、日本では時計に例えましたが、欧米では十字架に張り付けられたキリストに見立て、Passion flower(受難の花)と呼ばれます。花は一日花ですが、夏の間次々と開花します。多年草ですが、秋には落葉するので日差しを通すことから、グリーンカーテンにおすすめです。
バタフライピー
- 科・属:マメ科・チョウマメ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
バタフライピーは、真青な花が美しいつる植物。熱帯地域では多年草ですが、日本では越冬できないので、一年草として扱われています。花を煎じたハーブティーは鮮やかな青色で、目にも涼し気です。生育旺盛で夏の間たくさんの花を楽しめます。
マンデビラ
- 科・属:キョウチクトウ科マンデビラ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
マンデビラは、夏に色鮮やかな花を咲かせるつる植物。マンデビラの花は、同じキョウチクトウ科のプルメリアに似ていて、トロピカルムード満点です。耐寒性が弱いため、日本では一年草として扱われていますが、生育旺盛でよく伸びて、たくさんの花を咲かせます。
ルコウソウ
- 科・属:ヒルガオ科サツマイモ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
ルコウソウは、赤や白、ピンクの星型の小さな花が魅力。マルバとモミジバの品種があり、モミジバはレースのような葉から風が抜ける様子が目にも涼やかなグリーンカーテンになります。原産地では多年草ですが、日本では越冬が難しく一年草として扱われています。
グリーンカーテンにおすすめ|おしゃれな種類
オキナワスズメウリ
- 科・属:ウリ科・オキナワスズメウリ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
オキナワスズメウリは、直径2~3cmの小さな実がかわいらしいつる植物。熱帯地域では多年草ですが、越冬が難しく一年草として扱われています。夏に小さな黄色い花を咲かせ、実はグリーンから赤に色づいていきます。赤く色づいてもウリ特有の縞模様が残る様子がかわいらしく、ドライフラワーとしても人気があります。ちょっと個性的でおしゃれなグリーンカーテンにおすすめです。
ドリチョス・ラブラブ
- 科・属:マメ科・フジマメ属
- 分類:つる性多年草(一年草)
ドリチョス・ラブラブは、紫色の花と濃い紫色の実が美しいつる植物。熱帯原産で、本来は多年草ですが、越冬が難しく一年草として扱われています。鮮やかでつやのある紫色の実は、目を奪われる美しさです。おしゃれなグリーンカーテンにおすすめです。
ノブドウ
- 科・属:ブドウ科・ノブドウ属
- 分類:つる性落葉低木
ノブドウは、晩夏から秋に宝石のような色とりどりの実をつけるつる植物。幹は木質化しますが、秋には落葉するので日差しが入るようになります。斑入りの園芸種が流通しているので、グリーン1色ではない色の変化を楽しめます。他とは違う、個性的なグリーンカーテンをお探しの方におすすめです。
フウセンカズラ
- 科・属:ムクロジ科・フウセンカズラ属
- 分類:つる性一年草
フウセンカズラは、風船のような実がかわいいつる植物で、英名もそのまま Balloon vine(風船つる植物)です。ゴム風船というより、紙風船のような雰囲気が、さらにかわいさを後押ししています。この膨らんだ実の中には小さな種が入っていて、黒地にベージュのハート型にも、サルの顔にも見えるところがまた魅力です。生育旺盛でよく茂り、育てやすいのでおすすめです。
グリーンカーテンにしてみたい植物は見つかりましたか?夏の陽射しを遮ってくれて、見た目にも涼やかなグリーンカーテン。葉擦れの音がするたびに風を感じられ、葉の隙間から入ってくる木漏れ日にも癒されます。
室内で森の中にいるような気分を味わえるグリーンカーテンに、ぜひチャレンジしてみてください。
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