初夏から秋まで長く咲く夏の花、多年草と一年草35選【夏のガーデニング】
金子三保子
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暑さが厳しい夏のガーデニングは、長時間の作業が難しい時期。そんな時期に取り入れたいのが、暑さに強くて開花期間の長い花。
初夏から秋まで長く咲く多年草(宿根草)と一年草を夏のガーデニングに取り入れてみませんか。草花をきれいに長く咲かせるための手入れのコツもご紹介します。
目次
一年草、宿根草、多年草の違いって?
一年草
一年草は、種をまいた年に発芽し、花が咲き、種をつけ、枯れていく植物のこと。本来は多年草だけど、日本の環境だと冬越しや夏越しができない理由で一年草扱いになる、という多年性植物も多くあります。この場合はプランツタグなどに「日本では一年草扱い」のような表現がされています。
宿根草、多年草
宿根草と多年草は、同じ株から何年も続けて花を咲かせる植物。宿根草と多年草の違いは、冬になったら地上部(葉や茎)が枯れるのが宿根草、地上部分に葉が存在するのが多年草です。場合によっては多年草も含めて宿根草と表現されることもあります。
初夏から秋まで長く咲く夏の花|一年草
1.ジニア
矮性から高性まで種類が豊富なジニア。ジニアの和名は「百日草」。百日間咲き続けるということからですが、実際は5月~11月まで開花するので、百日どころではない長期間咲く草花です。新品種が次々と出て、色合いのバリエーションも豊富。夏のガーデニングにおすすめの草花です。
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2.ペチュニア、サフィニア、カリブラコア
ペチュニア
ペチュニア、サフィニア、カリブラコアは、夏の一年草の中でも品種がとても豊富。夏のガーデニングの定番的存在です。咲き方、色あいが豊富なので、イメージにあわせた色を選ぶことができるのが魅力です。ペチュニア類は本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われています。
ペチュニア
最近ではシックな色や八重咲き、小輪種など、ますますバリエーションが豊富になっています。
▼ペチュニアの育て方はこちら
3.サルビア
サルビア
品種が豊富なサルビア。夏の暑さに強く、真夏でも咲き続ける花です。品種によって、一年草のものと多年草のものがあります。
ブルーサルビア
寒色系から暖色系まで色数が豊富。庭の雰囲気に合わせて、色合わせを楽しめます。
▼サルビアの育て方についてはこちら
4.ヘリクリサム(帝王貝細工)
ドライフラワーにもできるヘリクリサム。初夏から晩秋まで長く咲く夏の暑さに強い草花です。乾燥にも強いので暑い夏にぴったり。
▼ヘリクリサムの育て方についてはこちら
5.千日紅
千日紅はドライフラワーにしても色が抜けず美しさを保つ花です。庭や花壇の彩りとして楽しみつつ、ドライフラワーになりやすい素材を植栽して、お部屋にも取り入れるのもよいですね。
▼千日紅の育て方についてはこちら
6.ペンタス
ペンタスは、熱帯アフリカ、アラビア半島原産の常緑性の多年草。星型の花は直径1cmに満たないような小輪ですが、傘状に30~40輪咲くのでよく目立ち、華やかです。春から秋まで長期間開花し、暑さにも強く途切れることなく咲かせるため、公園の花壇にも利用されています。本来は多年草ですが、日本だと一年草扱いされることが多い草花です。
▼ペンタスの育て方についてはこちら
7.ポーチュラカ
カラフルな色合いで這性のポーチュラカ。華やか、元気な色合いでカラフルです。ポーチュラカは本来は多年草ですが、日本だと一年草として扱われることが多い草花です。最近は斑入りのポーチュラカもあり、花だけでなく葉ものとしても楽しめる存在です。
▼ポーチュラカの育て方についてはこちら
8.ニチニチソウ
ニチニチソウは本来は多年草ですが、寒いのは苦手なので、日本では一年草として扱われています。花の開花が5月~10月と半年近くも咲き続ける上に、暑さや強い光にも強いこと、さほど手入れをしなくても咲き続けることなどから夏のガーデニングの定番的存在です。
定番カラーはピンク系濃淡、白、赤などですが、最近はシックな色あいや、カクタス咲きや小輪種など種類がとても豊富になりました。
▼ニチニチソウの育て方はこちら
9.マリーゴールド
マリーゴールドはキク科の一年草で、5月~11月頃まで長く咲き続けます。日当たりと水はけの良い場所に植えれば次から次へと開花し、管理も楽なので公園の花壇などの植栽にも使われます。
オレンジ、黄色などのビタミンカラーの色合いが主流ですが、最近はグリーンやアンティークカラーなど色幅も増えてきました。
▼マリーゴールドの育て方はこちら
10.ケイトウ
ケイトウはヒユ科の多年草で、夏から秋にかけて長く咲く花です。炎のような鮮やかな花色が秋の花壇の彩りとして親しまれています。花の色は、赤、ピンク、オレンジの他、最近は中間色やニュアンスカラーなど色幅も豊富です。産地では多年草ですが、日本の気候では一年草として扱われています。
▼ケイトウの育て方についてはこちら
11.イソトマ
イソトマは、星形の花を初夏から秋まで多数開花させる一年草。本来は多年草ですが、寒さには弱いため、日本では一年草として扱われるのが一般的です。星の形、涼し気な色合いは、寄せ植えに使うと涼やかな雰囲気を演出してくれます。真夏になる前に一度株を半分程度切り戻し、真夏は花を休ませると、秋になると再びたくさんの花が次から次へと開花します。
▼イソトマの育て方はこちら
12.バタフライピー
バタフライピーは、マメ科のつる性のハーブ。原産地では多年草扱いですが、冬の寒さに弱いため、日本では一年草として扱われています。バタフライピーは暑さにとても強く、真夏でもつるをぐんぐんと伸ばし、初夏から秋までたくさんの花を咲かせます。つる性なのでグリーンカーテンにもなります。バタフライピーの花の青には、アントシアニンという天然の青い色素が含まれ、お茶として煎じるときれいな青いお茶になります。ハーブのマロウティーと同じく、レモンなどの酸性の液体を垂らすと、青からピンクに変化します。花はフレッシュでもドライでも利用することができます。
▼バタフライピーの育て方はこちら
13.アメリカンブルー
アメリカンブルーは、ヒルガオ科の半耐寒性多年草。暖地では屋外で冬越しできますが、霜にあたると枯れてしまうため、日本では一年草として扱われています。這うように伸びながら、1~3cmのかわいらしい青い花を次々と咲かせます。花壇の前側やグランドカバー、ハンギング仕立てなど幅広く楽しめます。
▼アメリカンブルーの育て方はこちら
14.アサガオ
アサガオは、多くの品種が流通し、一年草を始め宿根草のものもあります。
西洋アサガオ系の「ヘブンリーブルー」は8月から晩秋まで開花し続け、グリーンカーテンの材料としても人気です。青、紫系だけでもたくさんの種類があるので好みの色あいをセレクトしてみては。
▼アサガオの育て方はこちら
初夏から秋にかけて長く咲く夏の花|多年草(宿根草)
植えっぱなしで毎年咲く多年草(宿根草)は、買った年より2年目、3年目以降の方がたくさんの花を楽しめることが多いので、じっくりと育てて年々大株にしていく楽しみがあります。その中でも初夏から秋まで長く咲く多年草(宿根草)をご紹介します。
1.エキナセア
エキナセアはもともとハーブですが、最近は園芸種のエキナセアの品種がとても増えました。
品種によって草丈が様々なので、草丈を確認してから植え付けましょう。
▼エキナセアについての育て方はこちら
2.ガイラルディア
ガイラルディアも写真のような八重咲き種など新品種が続々登場しています。赤や黄色など明るくてはっきりとした色が多いので、強い日差しにとても生える色合いです。品種によって草丈が違うので、地植えにする場合は丈を確認してから植え付けましょう。
▼ガイラルディアの育て方についてはこちら
3.チェリーセージ
品種が豊富なチェリーセージ。暑さに強く真夏でもよく咲きます。植えて数年するとかなりの大株に。セージ類はブルー系のものが多いですが、チェリーセージはピンクやアプリコット色、複色など、カラーバリエーションがとても豊富です。最近では葉がライムグリーンの品種もあります。
▼チェリーセージの育て方はこちら
4.宿根サルビア、セージ
サルビア・ネモローサ
宿根草のサルビア、セージはたくさんの品種があります。サルビア、セージ類はおおむね開花期間が長いですが、品種によっては晩秋咲きのものもあるので、念のためプランツタグで開花期間を調べましょう。
5.ルドベキア
丈夫で放任でもよく育つルドベキア。最近は写真のようなシックな色みの新種も登場しています。
▼ルドベキアの育て方についてはこちら
6.エキベキア
エキベキアは、「ルドベキア」と「エキナセア」を交配して作られた新しい植物です。エキナセアの丈夫さとルドベキアの花つきの良さ、大輪などの特徴が出ていて、見た目はどちらかと言うとルドベキアに近い雰囲気です。開花期間が初夏から晩秋まで長く咲く宿根草で、ひとつひとつの花持ちも良いため、切り花として楽しむこともできます。
▼エキベキアの育て方についてはこちら
7.ペンステモン
ペンステモンはとても種類が多い花で、品種によって開花時期が変わります。今回ご紹介するのは、初夏から秋まで長く咲く高性のペンステモン。品種名は「ダークタワーズ」や「ハスカーレッド」。とても丈夫で育てやすく、ワンシーズンでたくさんの花が楽しめます。
8.サクシセラ・フロステッドパールズ
サクシセラ・フロステッドパールズは、マツムシソウの仲間の耐寒性のある宿根草。小さな球状の花が、夏から秋まで長く休みなく開花します。丈は、環境によっては1m近くになります。横幅も50cm以上になるので、広い空間や花壇の後方に植栽すると見栄えがします。
▼サクシセラ・フロステッドパールズの育て方についてはこちら
9ガウラ
ガウラは、初夏から秋まで夏の暑さにも負けずよく咲きます。丈のある花なので地植えにすると見事です。
花色は、定番の白のほかピンクがあります。基本種は高性ですが、矮性種は鉢植え栽培におすすめです。
▼ガウラの育て方についてはこちら
10.宿根フロックス
宿根フロックスは品種によっては春に咲く種類もありますが、夏咲きの宿根フロックスは高性タイプ。年々大株になって見事になります。宿根フロックスは、初夏に切り花としても出回っています。
▼宿根フロックスの育て方についてはこちら
11.宿根バーベナ
宿根バーベナは、這性で丈の低いもの、高性で1m以上になるものなど、品種によって丈がかなり違います。写真は高性のバーベナ。とても丈夫で植えっぱなしでよく育つ宿根草です。
▼宿根バーベナの育て方についてはこちら
12.キキョウ
キキョウは、夏に花を咲かせる宿根草。秋の七草で知られ、秋の花のイメージが強いキキョウですが、真夏の暑い時期でも涼しげに咲き続ける丈夫な花です。
▼キキョウの育て方についてはこちら
13.アガスターシェ
アガスターシェは、シソ科の宿根草。初夏から晩秋までたくさんの花が咲きます。品種によって丈は違いますが、低めのものでも50cm近くなります。紫系、赤系、オレンジ系、黄色系など色幅も豊富なので、夏の花壇や寄せ植えにおすすめです。
▼アガスターシェの育て方はこちら
14.ハイブリッドジギタリス
ハイブリッドジギタリスは、ジギタリスとイソフレクシスを交配して作られた新しいタイプの宿根草のジギタリスです。もともとのジギタリスより耐暑性にすぐれ強健、色の発色がとても良いのが特徴です。ジギタリスは東京だと5月~6月が開花時期ですが、ハイブリッドジギタリスの開花時期は6月~11月。開花期間が長く花茎が分枝する性質に優れ、1株でたくさんの花を立ち上げます。
▼ハイブリッドジギタリスの育て方はこちら
15.モナルダ
モナルダは、開花期間の長い宿根草のハーブ。和名が「タイマツバナ」と言われるのは、もともとの基本種が赤い花で、タイマツのような形に見えることにちなみます。品種改良が進み、赤の他、白、ピンク、パープル(紫)など、多くの花色があります。
暑さ寒さに強く丈も高い宿根草なので、夏の花壇の後方に植栽すると見事です。性質が強く、植えっぱなしでどんどん大株になります。地下茎で増えるので根付いて数年すると、元の株から違うところから出てくることも。
▼モナルダの育て方についてはこちら
16.クナウティア
クナウティアは、スイカズラ科の耐寒性多年草。スカビオサに似た花が、初夏~秋まで長くたくさん開花します。品種によって草丈はかなり違い、40cmくらいのものから1mを越すものまでさまざまです。暑さにも強く、開花期間が長いので、夏の庭や花壇に植えると重宝する草花です。
▼クナウティアの育て方はこちら
17.モミジアオイ
モミジアオイは、7月~9月が開花時期の丈が2m近くになる大型宿根草。花は一日花で、朝に開いた花は夕方にはしぼみますが、シーズン中、たくさんの花が次々と開花します。花の色は赤の他、白もあります。
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18.キャットミント(ネペタ)
キャットミント(ネペタ)は、シソ科の宿根草で鑑賞用のハーブ。初夏から秋まで開花期間がとても長い草花です。色は淡い紫系、ピンク、白があります。横に広がって生長するのでグランドカバーとしても利用できます。
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19.ダリア
ダリアは、咲き方、色、花のサイズがとても豊富な夏に咲く球根の花。最近は、種から育てるタイプも登場しています。初夏に開花した後、切り戻しておくと秋に再び美しく返り咲きます。
▼ダリアの育て方はこちら
20.アスクレピアス・ツベロサ
アスクレピアス・ツベロサは、アスクレピアスの中でも耐寒性の強い品種です。背丈が60~80cmになるので花壇の後方に植え付けるのに適しています。一度植え付けると、植えっぱなしで毎年楽しめます。花は初夏から秋まで長期間開花します。
21.クリーピングボリジ
クリーピングボリジは、一般的なボリジとは違い匍匐性の多年草。株全体がゴワゴワとした固い剛毛に覆われています。
一年草のボリジは立性で、地植えにすると1m近くに生長しますが、クリーピングボリジは横に這うように広がって生長するため丈は20~30cmほどです。花の開花時期は、ボリジは春に咲くのに対して、クリーピングボリジは春から秋の長い期間花を咲かせます。色は褪せたデニムのような淡い水色で、一年草のボリジに比べると控えめな色です。環境に合えばこぼれ種で増えていきます。
▼クリーピングボリジの育て方はこちら
長く咲く夏の花のお手入れのコツ
花がら摘み
たくさん咲かせるためには大切な作業、花がら摘みはまめに行いましょう。植物は、終わった花をそのままにしておくと、種をつける方にエネルギーが回るので、花数が少なくなってしまったり、株が弱ってしまいます。
切り戻し
梅雨の間から真夏に入る前までに株を全体的に切り戻すと、真夏にエネルギーを温存して、秋に再び返り咲きます。夏の間、伸ばしっぱなしにしていると、蒸れて枯れてしまうこともあるので風通しを良くする意味もあります。ただし切り戻しをする必要がない草花もあるので、事前に調べてから作業に入りましょう。
開花中の肥料とお礼肥え
特に限られた土で育てている鉢植えの草花は、それぞれの草花にあった頻度で追肥しましょう。草花によって肥料を欲しがる草花、逆に少なめの肥料の方がいい草花があります。プランツタグなどに書いてある肥料の頻度を確認しましょう。
多年草(宿根草)は、シーズン最後に来年綺麗な花を咲かせてくれるようお礼肥えを与えましょう。
多年草(宿根草)はシーズン最後に適切な剪定をしましょう
最後の開花が終わったら地際で切り戻すなど、適切な剪定をして冬を迎えましょう。それぞれお住いの地域によって冬の気温が違うので、同じ植物でも冬越しの仕方が変わってくる場合があります。
最近は開花期間が長い一年草、宿根草の新種が続々登場しています。上手に取り入れて、夏のガーデニングも素敵な植栽にしたいですね。
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