庭木の上手な選び方とおすすめの種類40選!花が咲く木やおしゃれな庭木も

山田智美
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庭木の上手な選び方とおすすめの庭木を40種類紹介します。常緑、低木に分けて、花が咲く木や実がなる木、目隠しになる木、生垣、ちょっとおしゃれな庭木まで。庭木選びで迷った時の参考にしてください。
目次
- 庭木とは?庭木基本情報
- 庭木の剪定とは
- 庭木の種類
- 庭木の選び方のポイント
- おすすめ常緑樹の庭木3種
- おすすめ落葉樹の庭木3種
- 目隠しにおすすめの庭木3種
- 生垣におすすめの庭木4種
- 花を楽しめるおすすめの庭木10種
- 実がなるおすすめの庭木8種
- おすすめのおしゃれな庭木6種
- おすすめの手入れが楽な庭木4種
庭木とは?庭木基本情報
ミツマタ
庭木とは、庭の中に植えてある樹木を指す言葉です。庭とは、敷地の中で道路や建物がないスペースであり、その中に草花や樹木を植えます。庭木は、観賞、収穫、木陰、風除けや防犯などを目的として植えられます。
庭木の剪定とは
庭木の剪定とは、庭木を刈り込んだり、ハサミで枝を切ることを言います。剪定は、植物の生長のためや、多くの花や果実を楽しむため、また邪魔にならないようにするためなのどの目的を持って行います。
庭木の種類
ナツメ
庭木を選ぶときに知っておくと便利な庭木用語を紹介します。
常緑樹とは
常緑樹とは、四季を通じて緑の葉を絶やさない樹木を指します。庭木の中でも常緑樹は、目隠しや風除けとして役立ちます。
落葉樹とは
落葉樹とは、主に冬に葉を落として休眠する樹木を指します。春の芽吹き、夏の青葉、秋の紅葉が楽しめ、季節によって庭の風景が変わり、四季を感じられる樹木です。
高木とは
高木とは、樹高が3m以上になる樹木のことです。一般的には広いスペースが必要です。ただし、園芸店やホームセンターによっては3mに満たない樹木も高木とされていることもあります。気になる時は確認しましょう。
低木とは
低木とは大体3m未満までしか生長しない樹木のことです。種類によっては鉢植えでも育てることができます。50cmでも低木、大体3m程度でも低木とされているので、必要に応じて確認してください。
庭木の選び方のポイント
庭木の選び方のポイントは、目的を明確にしておくことです。家屋や建物の雰囲気と合わせることや、他の植栽との統一感など、周囲との調和を大切にしましょう。
他にも目隠しや風除けを目的とするならば、常緑樹の中でも枝葉の密度の高い種類を選ぶようにしてください。
また、庭木によって上に生長するもの、横に広がって生長するものなど、生長の仕方が違います。自分が植えたいスペースに合わせた庭木を選ぶと、植え付けてから時間が経過した後に、大きくなりすぎて手を焼くなどの悩みの種になりません。特にお隣との境界や通り沿いに植える庭木選びは、場所に合った庭木を選ぶことが大切です。
おすすめ常緑樹の庭木3種
ユズリハ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~15m
ユズリハは、古い葉が下を向き、新しい葉が上を向くところから、世代交代、子孫繁栄の木とされています。光沢のある大きな葉が印象的な庭木です。
シャリンバイ
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~4m
シャリンバイは、光沢のある葉と梅を思わせるような花が印象的な常緑低木です。生垣によく使用されます。
ソヨゴ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
ソヨゴは、冬に赤い小さな実を付ける常緑高木です。生長もゆっくりで病害虫の被害も少ないため育てやすい庭木です。
おすすめ落葉樹の庭木3種
モミジ
- 分類:落葉高木
- 樹高:5m以上
モミジは、春には若葉と小さな花、夏には青々とした葉、秋には紅葉と、四季を通じて楽しめる庭木です。
マンサク
- 分類:落葉高木
- 樹高:3~6m
マンサクは、梅が咲く頃に糸のような独特な形状の花を咲かせ、紅葉も美しい落葉高木です。丸みのある葉が可愛らしく、和にも洋にも合う雰囲気の庭木です。
ムラサキシキブ
- 分類:落葉高木
- 樹高:3~5m
ムラサキシキブは、秋に紫色の美しい実を付ける落葉高木です。華奢な枝も美しく風情があります。
ムラサキシキブ(紫式部)は、秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。葉の色は実がなりだす初秋の緑から、秋が深まってくると黄色く紅葉し、紫色の実との色合いがとても美しい光景で、英名ではJapanese beautyberryとも言われています。実は葉が落葉した後もしばらくついていますが、冬に自然に落下します。
ムラサキシキブ(紫式部)の近縁にコムラサキがあり、流通上はコムラサキも含めてムラサキシキブ(紫式部)として販売されていることが多く、園芸店で販売されているムラサキシキブ(紫式部)はコムラサキであることの方が多いため、個人宅や公園などの公共スペースの植栽で見られるのはコムラサキです。それぞれは樹高や実の付き方に違いがありますが(下記参照)、育て方に違いはありません。
コムラサキの園芸種でシロシキブ(白式部)と言って、実が白の種類もあります。
目隠しにおすすめの庭木3種
キンモクセイ(金木犀)
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
キンモクセイは、秋に咲かせる香りの良い花が魅力の常緑高木です。葉の密度が高いので目隠しとして好まれます。
カラタネオガタマ
- 分類:常緑高木
- 樹高:3~5m
カラタネオガタマは、夏に甘い香りの花を咲かせる常緑高木です。開花するとバナナのような香りがするので、バナナブッシュあるいはバナナツリーとも呼ばれます。実際にはバナナよりももっと爽やかで甘い、梨のような香りです。
トキワマンサク
- 分類:常緑高木
- 樹高:3~5m
トキワマンサクは、春に咲く糸のような変わった形状の花と、丸い小葉が可愛らしい常緑高木です。紅花の他、白花もあります。
トキワマンサクはマンサク科の常緑樹で、生長すると樹高は5m近くにまでなる中高木です。花は枝先にいっせいに咲くので、遠くから見ると木全体が花に覆われているように見えるほどです。洋風・和風どちらの雰囲気にも合い、病害虫に強く丈夫なトキワマンサクは生け垣としてもとても人気があります。
トキワマンサクの花びらは葉よりも細く、ひょろりと長い変わった形をしています。花びらの先はくるりと丸まり反り返り、その集合体が花となっている一風変わった形をしています。
濃いピンクの花を咲かせるベニバナトキワマンサクは、トキワマンサクの変種で、葉も赤紫色になる種類があり観賞用として流通しています。
病害虫の害が少ない強い樹木のため、街路樹やマンションなどのエントランスの庭木としてもよく利用されます。
生垣におすすめの庭木4種
アベリア
- 分類:常緑低木
- 樹高:2m以下
アベリアは常緑で、さらに花も四季咲きということもあって、人気の低木です。刈り込みがいつでも自由にできるので生垣などにも使われます。斑入り種など種類も多い庭木です。
フェイジョア
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~6m
フェイジョアは、5~6mになる常緑高木です。短く刈り込むと枝葉の密度が高くなるため、小さく仕立てて生垣にされます。フェイジョアは、5月~6月に薄桃色の花を咲かせます。花の後には実がなり、花も実も食べることができます。
フェイジョア
フェイジョアは、高さ5~6mになるフトモモ科の常緑小高木で、庭木や生垣にも用いられます。葉は長さ5~7cmの卵形の楕円形で革のような光沢があります。葉の裏面には綿毛が密に生えて銀白色です。7月~8月に直径4cm程度の花が咲きます。分厚い花弁の外側は白い綿毛が生え、内側は薄紫色、鮮やかな赤いおしべが特徴的です。エディブルフラワーとして食べることもできます。フェイジョアの果実は卵状の楕円型で灰緑色。果肉はパイナップルのような香りがあり、生食やジャムにして食べられます。フェイジョアは別名をパイナップルグアバといい、日本には昭和初期にアメリカから渡来しました。暖地性の樹種ですが、寒さにも強く成木ではマイナス10度にも耐えられます。
ツゲ
- 分類:常緑高木
- 樹高:1~5m
ツゲは強い刈込に耐えるため、短く刈り込んで生垣として利用されます。丸みのある小さい葉が可愛らしく、生長がゆっくりなのでメンテナンスの面からも生垣に向いている庭木です。イングリッシュガーデンのトピアリーなどに利用されるのもツゲの仲間です。
ドウダンツツジ
- 分類:落葉低木
- 樹高:1~3m
ドウダンツツジは、春には花、夏には新緑、秋には紅葉と、四季を通じて美しい庭木です。強い刈込にも耐えるので、生垣として好まれます。
花を楽しめるおすすめの庭木11種
常緑樹
クチナシ
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~3m
- 花期:6月~7月
クチナシは、初夏に咲く花の香りが印象的な常緑低木です。英名のガーデニアという名前でも有名です。
クチナシは常緑低木で、葉は光沢のある長い楕円で濃緑色で葉脈がはっきりとしています。クチナシはの花は6月~7月に白色の花を咲かせます。花弁はフェルトのような優しい風合いをしています。香りが特徴的で甘い香りを周囲に漂わせます。
花の形は八重咲と一重咲きがあり、一重咲きの品種は秋になると橙色の実をつけ、熟しても口を開かない事から「クチナシ」の名が付いたと言われています。
お庭に植えられる方も多いクチナシですがだいたい1m~2mにほどになります。枝が詰まって葉が育つ為、垣根としてに好まれます。また、『山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして(秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない)』という歌が由来の原点ともいわれています。
カルミア
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~3m
- 花期:5月~6月
カルミアは、初夏に咲く金平糖のような花が可愛らしい常緑低木です。花色はピンクや白、複色などがあります。
落葉樹
桜(ソメイヨシノ)
- 分類:落葉高木
- 樹高:5~10m
- 花期:3月~4月
桜は、日本の春を代表するような花木です。春に一斉に花開き、あっという間に散っていくその儚さも魅力の一つです。
桜(サクラ)はバラ科サクラ属の総称です。
日本の春の花代表である桜(サクラ)は種類が多く、日本に自生している種類だけでも15種類位あります。園芸用に品種改良された桜(サクラ)は300品種以上もあります。民家の庭から公共施設の公園や街路にも植えられている樹木です。早咲きの桜(サクラ)は2月くらいから、それに続くように3月から4月にかけて多くの種類が次々と咲き続けます。さらに秋に咲く品種もあります。
桜(サクラ)は非常にバリエーションが豊富で、花色は白から薄桃色、濃い桃色、薄黄色やグリーンなどがあります。咲き方も一重のものから八重咲まで多様です。サクランボが実る西洋実桜(セイヨウミザクラ)も桜(サクラ)の一種です。
春のお花見シーズンに華やかに咲く桜(サクラ)は染井吉野(ソメイヨシノ)という品種です。この染井吉野(ソメイヨシノ)は若木でも花を咲かせる特徴があり、戦後日本中に植えられました。今では日本の桜(サクラ)の代名詞のようになっています。
モクレン
- 分類:落葉高木
- 樹高:5~10m
- 花期:3月~4月
モクレンは、春に香りの良い紫がかったピンク色の花を咲かせる落葉高木です。マグノリアという名前でも有名です。
木蓮(モクレン・マグノリア)は中国原産の落葉小高木です。花は、花の内側と外側の色が異なっています。内側は白い色をしていますが、外側はピンクから紫色です。花が咲き始めると葉が出てきます。木蓮(モクレン・マグノリア)は中高木なので、樹丈が5m前後位まで生長し、横にも枝を広げます。 また、木蓮(モクレン・マグノリア)は、特別に剪定をしなくても樹形が乱れにくい樹木です。生長が早いので、植付けをしてから数年でも4~5m位まで樹丈が伸びます。開花時期に葉が出てくるので、花と葉を同時に鑑賞することができます。また、寒さや暑さに強いので、育てやすい樹木です。
白花を咲かせる「ハクモクレン」とは似ているようで別種です。違いは花色だけではありません。ハクモクレンは樹高が10m以上にもなる高木です。
ベニバスモモ
- 分類:落葉高木
- 樹高:3~5m
- 花期:3月~4月
ベニバスモモは、桜を小さくしたような可愛らしい花を咲かせる落葉樹です。花の後に出てくる葉は赤味を帯びます。
高木
タイサンボク
- 分類:常緑高木
- 樹高:10m以上
- 花期:5月~6月
タイサンボクは、高木の上の方に大きくて香りの良い真白な花を咲かせます。あまりに高木なので、花が咲いていることに気付かないこともあります。香水の原料や化粧品の香料としての「マグノリア」は、タイサンボクのことを指します。
泰山木(タイサンボク)
泰山木(タイサンボク)は、樹高が20mにもなるモクレン科の常緑高木です。初夏に白く大きな花を咲かせますが、上の方の枝に花が付くので、下から見上げても気付かないことが多いくらいです。花は直径20cm以上はある大きな花で芳香があります。
香水の原料や化粧品の香料として「マグノリア」と言われる場合は泰山木(タイサンボク)のことを指します。マグノリアとは、モクレン( Magnoliaceae)科モクレン( Magnolia)属の植物の総称です。モクレンやコブシ、泰山木(タイサンボク)、オオヤマレンゲなど全て含まれます。泰山木(タイサンボク)は中でも香りが良い為、香料とし利用されます。
泰山木(タイサンボク)は葉の表面がツルツルとしていて光沢があるのが特徴です。反面葉の裏側は茶色く、少し毛羽立ったような手触りが特徴です。クリスマス時期になると出回るマグノリアのリースやマグノリアボールなどは、この泰山木(タイサンボク)の葉を使って作られています。
サルスベリ
- 分類:落葉高木
- 樹高:3~10m
- 花期:7月~10月
サルスベリは、夏に鮮やかな色とりどりの花を咲かせる花木です。名前の由来は、サルも滑り落ちてしまうくらい、木肌が滑らかだということからきています。
低木
アジサイ
- 分類:落葉低木
- 樹高:30cm~3m
- 花期:5月~6月
アジサイは、日本の梅雨を代表するような花です。花後は早めに剪定すると来年もたくさんの花を楽しめます。
デュランタ
- 分類:常緑低木
- 樹高:50cm~2m
- 花期:6月~10月
デュランタは、夏に涼し気な紫系の花を咲かせます。枝から下がるように咲く花姿が美しい花木です。
デュランタは青や白の小花が集まって房になり、垂れ下がって花を咲かせる熱帯花木。夏の鉢物や観葉植物としても人気があります。丈夫で開花期間が長く霜に当たらなければ屋外で冬越しできるので、暖地では庭木や生け垣としてよく使われます。暑さや乾燥に強く生育旺盛ですが、寒さにそれほど強くないので霜に当たらないように冬越し対策が必要です。
デュランタは日当たりの良い環境が大好きで、日がよく当たると花付きが良くなり、日が当たらないと花が咲かなくなります。室内で育てる際も、なるべく日当たりの良い明るい場所に置くようにしましょう。
デュランタの斑入り葉や黄金葉は、どちらかというと花よりもカラーリーフとして葉を楽しむ品種です。花が咲かない時期もその美しい葉色を楽しめます。
ハギ
- 分類:落葉低木
- 樹高:1~3m
- 花期:7月~9月
ハギは、秋の七草に数えられているマメ科の落葉低木です。晩夏から初秋にかけて咲く紫や白の花からは、秋らしい風情を感じられます。
ハギ(萩)は秋の七草にも入っているくらい古くから日本で好まれてきた落葉低木です。秋の花というイメージが強いハギ(萩)ですが、実は夏の盛りから咲き始めます。ハギ(萩)の花は夏から咲き始めて、初秋には満開になります。
ハギ(萩)の樹形は、枝垂れるように伸ばした枝に直径1~1.5㎝程の赤紫色のマメの花をたくさん咲かせます。単色ではなく僅かにグラデーションがかかったような色合いをしているので、花の表情に複雑さが出ます。枝垂れた枝に赤紫色の花を咲かせて風に揺れる姿は美しく、秋を感じさせる花です。赤紫色の花が一般的ですが、白花種もあります。
非常に生育旺盛で、短く切り詰めてもすぐに大きく枝を伸ばします。他のマメ科の植物と同じように根に根粒菌を保持していますので、土壌を肥沃にする特性があります。
アニソドンテア・マルバストロイデス
- 分類:常緑低木
- 樹高:50cm~2m
- 花期:四季咲き
アニソドンテア・マルバストロイデスは、四季咲きで花の開花期間がとても長く、花付きが良いのが魅力の低木です。環境が合えば、ほぼ毎日花を咲かせます。こまめに株元で切り戻しを続ければ、宿根草のように育てることも可能です。剪定の仕方次第で色々な仕立て方を楽しめます。
実がなるおすすめの庭木7種
常緑樹
ビワ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
ビワは、冬に花を咲かせ、初夏に果実を実らせる果樹です。放っておくと大きくなるので、手入れが必要です。
ビワ(枇杷)
ビワ(枇杷)は、家庭果樹としても栽培される暖地に適した常緑の小高木で、生長が早く約10メートルの樹高で自生しているものもあります。長さ15センチ~25センチほどの葉は革のように厚く、裏面に褐色の綿毛が密生しています。開花は11月~12月にかけて枝先に1~2センチほどの芳香のある小さな花を円錐型に房咲きにします。ビワ(枇杷)の果実は6月頃にオレンジ色に熟します。果樹として栽培されている品種は日本に自生しているものとは違って中国品種を改良したものが多いです。学名のEriobotryaはerion(軟毛)+botris(ブドウ)で白い軟毛におおわれたブドウのように房状になる実をつけることを意味します。
落葉樹
ザクロ
- 分類:落葉高木
- 樹高:50cm~5m
ザクロは、宝石のような赤い実が美しい落葉高木です。初夏に咲く花も可愛らしく、たくさんの伝説も持つ魅力的な果樹です。
ザクロ(石榴・柘榴・ざくろ)
ザクロはミソハギ科ザクロ属の落葉小高木です。夏に咲くオレンジ色の花も、秋に熟す果実も観賞用とされています。果実は食用にもなります。生食ができる他、ジュース果実酒にして楽しめます。
私たちがよく見かけるザクロの実は、直径5~10cmほどのオレンジ色のボールのような果実ですが、これは熟れる直前のものです。木に実るザクロは熟すと果実がはじけ、果皮が裂けて果肉が見えるようになります。中には小さな種子を包む半透明で赤紫色の果肉がたくさん入っています。この小さな果肉は一つの果実に多いと800粒も含まれていると言われています。
果実ばかりが注目されますが、ザクロの花も観賞価値があります。花は緋色のようなオレンジ色で一重咲きから八重咲まであります。また、淡い黄色がかった白い花が咲く品種もあります。
ザクロは落葉性小高木に分類されますが、大きなものは5m以上にもなります。反対にヒメザクロや一才ザクロのように、小さなままで開花、結実する品種もあります。
意外と知られていないことですが、ザクロの木には鋭いトゲがあります。枝に触れるときには気を付けるようにしてください。
ジューンベリー
- 分類:落葉高木
- 樹高:5~10m
ジューンベリーは、名前の通り6月に赤く小さなさくらんぼのような実を付ける果樹です。春に咲く白い花も可愛らしい庭木です。
ジューンベリー
ジューンベリーは名前の通り6月に赤い果実をつける落葉小高木です。春に咲く白い花、新緑の葉、初夏の小さな宝石のような果実、秋の紅葉と四季折々に楽しむことのできる果樹です。果実はほんのりとした酸味と甘み、芳香があります。ジューンベリーは耐寒性・耐暑性があり、自家結実性があるので1本で収穫することができます。
ジューンベリーの花は直径1~2㎝程度と小さく、花びらが5枚あり桜のような形状をしています。ジューンベリーの花の見頃は3月下旬から4月地上旬です。桜のソメイヨシノが咲き始めるよりも少し早く満開を迎えます。華奢な枝の先に小さな花をたわわに咲かせるのが特徴です。風で散ってしまう花びらの儚さも魅力の一つです。
ジューンベリーの果実の食べ頃は6月です。4月に花が終わった後段々と果実が色づき始め、5月には真赤になります。さらにもう少し辛抱強く待って、黒んずんだ赤になった頃がジューンベリーの果実の食べ頃です。ちょうど良い熟し具合になると鳥が食べにきます。ジューンベリーは高木ですから上の方の枝の果実は鳥たちに、下の方の枝の果実を自分たちで収獲するとたくさん楽しめます。
ジューンベリーはシンボルツリーとしてよく使われる他、街路樹としても植栽されています。白い花とかわいい赤い実、紅葉、樹形が美しいことなど、1年を通して楽しみがたくさんあることが庭木として好まれる理由です。
高木
ヤマボウシ
- 分類:落葉高木
- 樹高:10~15m
ヤマボウシは、春には花、夏には瑞々しいグリーン、秋には果実と紅葉と一年を通して楽しめる落葉高木です。
ヤマモモ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
ヤマモモは、高木の枝の先にみっしりと赤い果実を実らせる果樹です。果実には硬く大きな種が入っているので、いきなり強く嚙まないように気をつけてください。
低木
ブラックベリー
分類:落葉低木
樹高:1.5~5m
ブラックベリーは、春に咲く花と初夏の黒い果実が魅力の果樹です。つる性ですが自ら絡みついてはいかないので、適宜誘引が必要です。トレリス、フェンス、アーチなどに絡ませると美しい光景になります。
万両(マンリョウ)
- 分類:常緑低木
- 樹高:50cm
万両は、冬に赤い実を実らせる常緑低木です。その名前からも縁起のよい庭木とされ、お正月のお飾りにも使用されます。
おすすめのおしゃれな庭木6種
常緑樹
マートル
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~3m
マートルは、光沢のある葉と梅を思わせる花が美しい庭木です。和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。別名、「祝いの木」とも言われ、ヨーロッパでは昔から結婚式で使用されてきました。葉に芳香がありハーブとしても人気です。
ギンバイカ(マートル)
ギンバイカ(マートル)は地中海沿岸原産の常緑低木です。春に花びらが5枚の梅に似た花を咲かせるところから、和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。ハーブとして扱われる場合は「マートル」という名前で流通しています。
冬にはオリーブに似た黒い果実を付けます。光沢のある明るいグリーンの葉には芳香があり、ハーブとして肉料理などに利用される他、ギンバイカ(マートル)の精油も人気があります。ギンバイカ(マートル)は古代ギリシャを始め、ヨーロッパでは昔から神聖な樹とされてきました。「祝いの木」とも言われ、ヨーロッパでは昔から結婚式で使用されてきました。
常緑で葉の密度も高いことから生垣としてもよく利用されます。斑入りの品種「バリエガタ」は、より柔らかい印象を与えます。日当たりの良い場所に植えると花付きも良くなります。
ウエストリンギア
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~1.5m
ウエストリンギアは、別名オーストラリアンローズマリーともいい、ローズマリーによく似た常緑低木です。ローズマリーのように食用にはできません。日当たりさえ良ければ、一年中花が楽しめる四季咲きです。花の色は、薄紫、白、ピンクがあります。また、斑入りの品種もあります。
落葉樹
スモークツリー
- 分類:落葉高木
- 樹高:5~10m
スモークツリーは、春から初夏に、綿あめのようなふわふわとした花を咲かせます。和名をケムリノキともいいます。
高木
ミモザ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
ミモザは、春に明るい黄色のふわふわとした可愛らしい花を咲かせる花木です。花には芳香があります。
「ミモザ」はギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称です。シルバーリーフと呼ばれる銀色がかったグリーンの葉が特徴的な半落葉~常緑高木です。本来の「ミモザ(mimosa)」はオジギソウの学名ですが、黄色の房状の花が咲くアカシアの仲間の呼び名として使われています。
ミモザ(アカシア)は庭木としても人気です。銀色がかったグリーンの葉と、春先に咲く明るい黄色の花のコントラストが美しい樹木です。ただしミモザ(アカシア)は庭植えにすると非常に大きくなるので、植える場所を考える他に毎年の剪定が必要になります。
3/8は国際女性デーといって、女性の政治的自由と平等を訴える日として国連が制定しています。この日はイタリアでは「女性の日」とされ、女性への日頃の感謝を込めて、男性から女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣があります。日本でも「ミモザ(アカシア)の日」とされ、女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣が定着しつつあります。
低木
セイヨウニンジンボク
- 分類:落葉低木
- 樹高:2~3m
セイヨウニンジンボクは、夏に薄紫色の香りの良い花を咲かせる花木です。暑い時期に涼やかな花を咲かせる庭木の一つです。
ローズマリー
- 分類:常緑低木
- 樹高:1~2m
ローズマリーは、香りの良いハーブとして有名です。その香りは料理にも、ポプリなどの香りの小物にも使用されます。
ローズマリー
ローズマリーは、地中海沿岸地方が原産の常緑性低木です。ローズマリーは食用から化粧品まで幅広く利用されているハーブです。清々しい香りが特徴のハーブで、煮込みからグリルまで色々な料理に使われています。
ローズマリーは非常に強健で、乾燥した痩せ地でも育ちます。また強風にもよく耐える性質なので、非常に育てやすい植物です。ローズマリーには真っ直ぐ上に伸びる木立性と地面を這うように伸びるほふく性があります。ほふく性のローズマリーはグランドカバーとしても人気があります。ローズマリーは春から秋にかけて、青から青紫、またはピンクの小さな花を咲かせます。ローズマリーの花は環境さえあえば四季咲きです。
おすすめの手入れが楽な庭木4種
常緑樹
常緑ヤマボウシ
- 分類:常緑高木
- 樹高:5~10m
常緑ヤマボウシは、名前の通り、冬でも緑の葉を絶やさないヤマボウシです。落葉するヤマボウシと違って、果実は食用になりません。
落葉樹
ガマズミ
- 分類:落葉高木
- 樹高:3~5m
ガマズミは、秋に宝石のような真赤な果実を実らせる落葉高木です。自然樹形が美しいので、あまり手を入れずとも育てられます。
高木
エゴノキ
- 分類:落葉高木
- 樹高:5~15m
エゴノキは、初夏に咲く星のような白い花が可愛らしい落葉高木です。自然樹形で整うので、あまり手間がかかりません。
エゴノキ
エゴノキとは、樹高は7~15m前後になる落葉高木で日本にも広く分布しています。雑木林などにも自生している他、庭木としても親しまれています。樹皮は暗紫褐色でつるんとしてなめらかです。
エゴノキの葉は長さ4~8cmで互生します。5~6月頃に直径2cmほどの5弁の白い花が鈴なりにぶら下がって咲き、独特の美しさがあります。エゴノキの花の散り方は、花びらを散らさずに、咲いていた形のままで落下していきます。白い花がくるくると回りながら落ちていく姿は、とても可愛らしい趣きがあります。秋早めに果実が熟して、1果に1つだけ入っている種を出します。
株立ちのエゴノキは華奢な幹と風が抜けるような涼し気な姿が美しく、シンボルツリーとして人気があります。暑さ、寒さに強い丈夫な樹種で自然樹形のままで整うのも、庭木として人気の理由です。緑陰樹にはなりませんが花が美しいので公園や緑地にも植えられます。ピンクの花が咲く品種もあります。
低木
ヒュウガミズキ
- 分類:落葉低木
- 樹高:2~3m
ヒュウガミズキは、春に咲く淡いクリーム色の花が可愛らしい低木です。花の後に出てくる葉も丸みを帯びていて、柔らかい印象で、観賞価値があります。
好みの庭木は見つかりましたか。紹介しきれなかった魅力的な庭木は、他にもたくさんあります。
庭木選びは、まずお庭のイメージを決めて、それから目隠しや観賞用などの目的を決めると選びやすくなります。
ずっと育てたくなるような庭木が見つかりますように。
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