赤い実のなる木図鑑|春夏秋冬ごとに。食べられる実や毒のある実も
山田智美
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赤い実のなる木を、食べられる実や毒のある実、さらに春夏秋冬の季節に分けて、ずらりと紹介します。
目次
赤い実のなる木|食べられる種類
クサイチゴ
- 分類:落葉低木
- 結実期:5月~6月
クサイチゴは、初春から春にかけて、山林や藪の中で白い花を咲かせるバラ科の落葉低木。5月~6月に赤く色づいたクサイチゴの実は、小さな粒の集合して親指の爪ほどの大きさになります。ビーズ細工のようで可愛らしい実です。
サクランボ
- 分類:落葉高木
- 結実期:5月~7月
サクランボは、春に桜の花を咲かせ初夏に結実するバラ科の落葉高木。すべての桜の果実が食べられるわけではなく、食用になるのは、セイヨウミザクラやセイヨウスミミザクラなどの品種です。
ラズベリー
- 分類:落葉低木
- 結実期:5月~6月
ラズベリーは、春に5枚の花びらの可愛らしい花を咲かせ初夏に真赤な実を付けるバラ科の落葉低木。ラズベリーは和名をキイチゴ、フランス名をフランボワーズというベリー類です。小さな粒を集合させた果実は香りがよく、ほどよい酸味と甘みがあります。
ジューンベリー
- 分類:落葉高木
- 結実期:6月
ジューンベリーは、春に桜に似た小さな白い花を枝いっぱいに咲かせるバラ科の落葉高木。春の開花後、6月頃に直径1cm程度の真赤な実をつけます。黒ずんだ赤になるまで熟してから食べると、酸味のない甘さを楽しめます。生食のほか、ジャムやコンポートにして楽しめます。
スグリ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
スグリは、初夏に宝石のような半透明の美しい実を付けるスグリ科の落葉低木。スグリの実の色には赤のほか、白や黒茶、グリーンなどがあります。
ナワシロイチゴ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月
ナワシロイチゴは、春にピンク色の可愛らしい花を咲かせる落葉低木。低木といっても上に伸びるのではなく、地面を這うようにして枝を広げていきます。初夏に赤く色づくナワシロイチゴの実は、半透明で宝石かイクラのようなかわいらしさです。口に入れて舌できゅっと押すと甘い果汁が飛び出します。
ナワシログミ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月
ナワシログミは、秋に花を咲かせ、5月~6月に赤い実を実らせるグミ科の落葉低木。田植えの時期に実るから苗代(ナワシロ)とされたのが名前の由来。赤い実は柔らかく、甘酸っぱい味がします。
アキグミ
- 分類:落葉低木
- 結実期:9月~10月
アキグミは、春に花を咲かせ、秋に赤い実をつけるグミ科の落葉低木。実は小ぶりで、甘酸っぱいのが特徴です。秋に実を実らせるからというのが名前の由来です。
ヤマモモ
- 分類:常緑高木
- 結実期:6月~7月
ヤマモモは、初夏に真赤な実を付けるヤマモモ科の常緑高木。雌雄異株で、雌株にしか果実は付きません。とても大きな木にの上の方に果実をつけるので収穫は困難ですが、黒に近い赤まで熟した実は甘く、塩を振って食べると格別です。果肉部分は少なく、中には大きな種が入っていて、勢いよく噛むと痛い思いをするので気をつけてください。
ザクロ
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~10月
ザクロは、秋に実る宝石のような赤紫色の果実が美しいミソハギ科の落葉高木。オレンジくらいの大きさの実は、熟すと外側の果皮が裂開し、中から半透明のつぶつぶとした果肉が見えるようになります。甘くみずみずしい果肉は種ごと食べることができます。
ヤマボウシ
- 分類:落葉あるいは常緑高木
- 結実期:9月~10月
ヤマボウシは、春にハナミズキに似た花を咲かせるミズキ科の高木。秋に朱に近い赤い実を実らせます。ヤマボウシの実は外側の固い果皮を剥き、内側の柔らかい果肉を食用にします。
リンゴ(セイヨウリンゴ)
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~11月
リンゴは、春に桜に似た花を咲かせ、秋に真赤な実を付ける落葉高木。果樹として人気があります。食用になるリンゴは正確にはセイヨウリンゴという種類です。
赤い実のなる木|毒のある種類
イチイ
- 分類:常緑高木
- 結実期:9月~10月
イチイは、秋に赤い実を付けるイチイ科の常緑高木。オンコという別名でよばれることもあります。針のような濃いグリーンの葉の間から中心部が少しくぼんだ赤い実を覗かせます。イチイの種子は有毒ですので、食べないようにしてください。
ヒョウタンボク
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- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
ヒョウタンボクは、春にスイカズラによく似た花を咲かせ、初夏には真赤なきれいな実を付けるスイカズラ科の落葉低木。ヒョウタンボクの名前の由来は、初夏に結実する実が枝の両脇に2つ並んで付くところが、ヒョウタンを連想させるからだそうです。ヒョウタンを連想させるかどうかは人それぞれですが、初夏に色付く果実は赤く半透明で美しく、観賞価値があります。ただし、ヒョウタンボクの実は有毒です。間違って食べないように気をつけてください。
ミヤマシキミ
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~12月
ミヤマシキミは、山野にひっそりと自生しているようなミカン科の常緑低木。晩秋から冬にかけて赤く色づく実はかわいらしく、ついつい手を伸ばしたくなりますが、有毒なので決して口に入れないようにしてください。光沢のある濃いグリーン葉と、赤い実の美しいコントラストを眺めて楽しみましょう。
赤い実のなる木|春から初夏
ユスラウメ
- 分類:落葉低木
- 結実期:6月~7月
ユスラウメは、春に梅に似た小さな花を咲かせるバラ科の落葉低木。初夏にさくらんぼのような真赤な実を、枝の先にたわわに実らせます。実は甘く、食べることができますが、目が覚めるほどおいしいというほどではありません。
赤い実のなる木|夏
アオハダ
- 分類:落葉高木
- 結実期:8月~9月
アオハダは、モチノキ科の落葉高木。夏に真赤な実をたくさん実らせます。丸みを帯びた明るいグリーンの葉がかわいらしく、ほっこりするような庭木です。
サンゴジュ
- 分類:常緑高木
- 結実期:8月~9月
サンゴジュは、身近な場所で見かけるレンプクソウ科の常緑高木。夏になると光沢のあるグリーンの葉の間から、真赤な実をブドウの房のように実らせます。公園や学校の校庭などに植栽されています。
赤い実のなる木|秋
アロニア
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
アロニアは、北アメリカ原産のバラ科の落葉高木。アロニアには赤い実を付ける品種と、黒い実を付ける品種があります。赤い実を付けるアロニア・アルブティフォリアのほうが果実自体が小さく、風情があります。
イイギリ
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
イイギリは、高木の上の方に赤い実を下げるように実らせるイイギリ科の落葉高木。イイギリの実はブドウのような房状で、熟すと真赤に色付きます。秋も深まり、葉がすべて落ちてからも実だけが枝に残っていることもあります。
イチゴノキ
- 分類:常緑低木
- 結実期:10月~11月
イチゴノキは春に花を咲かせ、晩秋に赤い実をつけるツツジ科の落葉低木。イチゴノキの名前の由来は果実がイチゴに似ているからだそうです。真赤に色付いたイチゴノキの実はクサイチゴの実によく似ています。
ウメモドキ
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
ウメモドキは、冬に小さな赤い実を付けるトチノキ科の落葉低木。庭に色が少なる秋から冬に赤い果実を枝に実らせて、庭を賑やかに彩ってくれます。
オトコヨウゾメ
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
オトコヨウゾメは、レンプクソウ科の落葉低木。春に小さな白い花を咲かせ、秋に直径1cmに満たない小さくて真赤な実をつけます。派手さのない素朴な雰囲気と、株立ちの樹形が美しく、庭木として人気があります。
ガマズミ
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月
ガマズミは、春に真白な花を咲かせ、秋に真赤な実を付けるレンプクソウ科の落葉高木。秋に実る赤い果実は、小さな実を集合させたような形状をしていて、秋の陽射しに照り輝く姿は宝石のようです。ガマズミの果実は酸味が強く、生食には向きません。果実酒などに利用されます。
カンボク
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
カンボクは、レンプクソウ科の落葉低木。春に白いアジサイのような花を咲かせ、秋に透明感ある赤い実をつけます。実が赤くなるころには葉も色づき始めるので、秋らしい姿を楽しむことができます。
ヨウシュカンボク(ビバーナム・コンパクタ)
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
ヨウシュカンボク(ビバーナム・コンパクタ)は春に白い花が咲き、秋に真赤に熟す実が美しいレンプクソウ科の落葉低木。切り花でもビバーナム・コンパクタ、あるいはコンパクタベリーという名前で流通しています。
クコ
- 分類:落葉低木
- 結実期:10月~11月
クコは、ナス科の落葉低木。夏に紫色の小さな花を咲かせ、秋に1.5~2cm程度の卵型の実をつけます。クコの実はゴジベリーとも呼ばれ、乾燥させたものを食用にします。生薬としても有名です。きれいな実ですが、生食には向きません。
クラブアップル(ヒメリンゴ)
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
クラブアップルとは和名をヒメリンゴとも言い、小さなリンゴの実をつけるバラ科の落葉高木の俗称。クラブアップル(ヒメリンゴ)は実が小さく、酸味も強いので、生食には向きません。ジャムやコンポートなどにして利用されます。
ゴンズイ
- 分類:落葉高木
- 結実期:10月~11月
ゴンズイは、ミツバウツギ科の落葉高木。山野や公園などで見かけます。熟すと赤い果皮が裂け、中の黒い種子が見えるようになります。木の上の方の枝から実がぶら下がるように実っている様子がおもしろく、立ち止まって眺めてしまいます。
サネカズラ
- 分類:常緑つる性木本
- 結実期:10月~11月
サネカズラは、別名ビナンカズラともいう、マツブサ科の常緑つる性木本。山野で周囲の木に絡まっていたり、公園や庭園の生垣に利用されているのを見かけます。秋にビーズ細工のような、赤いつぶつぶとした実をぶら下げるように実らせます。熟した実は柔らかく、手で触れるとぽろぽろと取れます。
サンキライ
- 分類:落葉つる性木本
- 結実期:10月~11月
サンキライは、サルトリイバラという名前でも呼ばれる、サルトリイバラ科の落葉つる性木本。枝に小さなトゲがあるのが特徴で、サルトリイバラという名前の由来にもなっています。日本の山野に自生している、身近な場所で見かけられる植物です。秋に真赤に色づく実はころころとしてかわいらしく、ドライフラワーになっても見劣りしないので、クリスマスリースや正月飾りの花材として人気があります。
サンザシ
- 分類:落葉低木
- 結実期:9月~10月
サンザシは、春に梅に似た花を咲かせるバラ科の落葉低木。花色は白やピンクがあります。秋に赤く熟すサンザシの実は、酸味が強く生食には向きません。ジャムや果実酒にして利用されます。
ズミ
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~10月
ズミは、バラ科の落葉高木。春に白いな花を枝いっぱいに咲かせ、秋に直径1cm足らずの小さなサクランボのような赤い実をつけます。実は酸味が強く生食には不向きです。
ツルコケモモ
- 分類:常緑低木
- 結実期:9月~10月
ツルコケモモは、つるのように枝を伸ばすツツジ科の常緑低木。春に小さな花を咲かせ、秋に結実します。赤く熟した実は直径1~1.5㎝程度。酸味が強く生食には向きませんが、ジャムや果実酒にして楽しめます。
ノイバラ
- 分類:落葉低木
- 結実期:9月~11月
ノイバラは春に可憐な白い花を咲かせ、秋には小さな赤い実をつけるバラ科の落葉低木。ノイバラは、枝の先に直径5mm程度の小さな実をたくさん実らせます。小さな赤い実はドライフラワーにして長く楽しむことができます。
ハナミズキ
- 分類:落葉高木
- 結実期:9月~11月
ハナミズキは、春に白やピンクの花を咲かせ、秋に赤く色付いた実を付けるミズキ科の落葉高木。秋にはどんぐりのようなフォルムの赤い実を枝の先に数個実らせます。ハナミズキは、春の花、夏の新緑、秋の紅葉と果実と四季を通して楽しめる魅力的な庭木です。
赤い実のなる木|冬
アオキ
- 分類:常緑低木
- 結実期:12月~4月
アオキは、アオキ科の常緑低木。冬にはアーモンド形の赤い実を付けます。葉は大きく光沢があり深いグリーンを、斑入り種もあります。耐陰性が強いので、日陰の庭の強い味方。鮮やかな赤い実で暗い庭を明るく彩ってくれます。
コトネアスター
- 分類:落葉、または常緑低木
- 結実期:11月~1月
コトネアスターは、ほふく性のバラ科の落葉あるいは常緑低木。春に白い小さな花を咲かせ、冬に真赤な直径1cm足らずの実を付けます。地表を覆うように生長していくので、グランドカバーとしても人気があります。
セイヨウヒイラギ
- 分類:常緑高木
- 結実期:11月~1月
セイヨウヒイラギは、ヒイラギに似たギザギザとした葉を持つモチノキ科の常緑高木。冬に赤い実を付けます。光沢のあるグリーンの葉と赤い実のコントラストが美しい庭木です。セイヨウヒイラギは、果実がクリスマスの頃に赤く色付くことから、クリスマスホーリーという別名もあります。
ソヨゴ
- 分類:常緑高木
- 結実期:11月~1月
ソヨゴは、モチノキ科の常緑高木。秋から冬にかけて、小さなサクランボのような真赤な実をつけます。鮮やかなグリーンの葉の間から見え隠れするようにぶら下がる実はかわいらしく、冬の寂しい景色の中で目を楽しませてくれます。
タラヨウ
- 分類:常緑高木
- 結実期:11月~1月
タラヨウは、モチノキ科 の常緑高木。厚みと光沢のある葉と、小さな実を密集させるようにつける様子が美しい木です。公園や寺社境内などで見かけます。葉を傷つけると黒く変色したことから、この葉に文字を書いて送りあったのが「葉書(はがき)」の語源だといわれています。
南天(ナンテン)
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~2月
南天(ナンテン)は、冬に色付く赤い実が印象的な、メギ科の常緑低木。冬の寒い最中に赤果実を実らせることや、名前が「難を転ずる」を連想させることから縁起がよいとされ、庭木として人気があります。正月飾りにもよく利用されます。
万両(マンリョウ)
- 分類:常緑低木
- 結実期:12月~3月
万両(マンリョウ)は、冬に赤い実を付けるサクラソウ科の常緑低木。真赤な小さな実を数個まとめて枝から下げるように実らせる様子が縁起がよいとされ、万両(マンリョウ)と名付けられました。
千両(センリョウ)
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~1月
千両(センリョウ)は、冬に真赤な実を付けるセンリョウ科の常緑低木。万両(マンリョウ)との見分け方は、千両(センリョウ)は枝の先端に上向きに粒々とした赤い実を付けます。対して万両(マンリョウ)は枝から下げるように実を付けます。実の付き方で、見分けられます。
ヤブコウジ
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~2月
ヤブコウジは、サクラソウ科の常緑低木。十両という別名でも流通しています。樹高10~30cm程度ととても小さく、山野の高木の足元でひっそりとたたずんでいるような木です。春に小さな白い花を咲かせ、晩秋から冬に赤い実を実らせます。
ピラカンサ
- 分類:常緑低木
- 結実期:11月~2月
ピラカンサは、春に小さな白い花を枝いっぱいに咲かせ、冬に真赤な実を実らせるバラ科の常緑低木。低木といっても放っておくと3m程まで大きくなります。
春から夏の若葉の季節の赤い実も、秋から冬の葉が落ちてから枝に残る赤い実も、どちらも美しく見ごたえがあります。赤い実のなる木を探しに、お散歩に出かけてみませんか。
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