【初夏のガーデニング】庭や花壇におすすめの一年草、宿根草30種
金子三保子
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初夏の庭や花壇におすすめの一年草と宿根草や草花選びのポイントをご紹介します。
目次
初夏の庭や花壇の草花選びのポイント
初夏とは?草花選びのポイント
初夏とは、5月の上旬の立夏ごろから6月の上旬くらいまで、もしくは梅雨入りくらいまでの時期をさします。初夏に植える草花は「冬から5月くらいまで咲く草花」と「春から夏まで咲く草花」をうまく組み合わせておくと、春の庭から夏の庭に上手にバトンタッチでき、いつ見てもきれいな空間に仕上がります。今回は、初夏に咲く草花の開花期間や草花の特徴をご紹介します。庭や花壇に合った草花選びの参考にしてみてください。
草丈
花壇の前側、中央、後方、それぞれの場所に合った草丈の植物を選びましょう。這性、矮性、高性の草花を上手に組み合わせると、ワンランクアップした風景が仕上がります。
花の咲き方
アリウム・サマードラマー
花には丸い花、穂状の花など、形や咲き方はさまざま。いろいろな形を組み合わせたり、同じような形を群植したり……同じ季節に咲く花の形を意識して組み合わせを楽しみましょう。
宿根草(多年草)と一年草
一年草は、種をまいたその年のうちに発芽し、花が咲き、種をつけ枯れていくのに対して、宿根草(多年草)は、植えっぱなしで毎年同じ時期に花が開花する植物のことを言います。
毎年開花する宿根草(多年草)を植えると、その場所の季節の色が決まります。その色に合わせて毎年少しずつ違う一年草を組み合わせていくと、年によって雰囲気の違う庭の色合わせを演出することができます。毎年の色合いを写真におさめておくのも楽しいですね。
花壇をひとつの器に見立てて、フラワーアレンジをしているように、宿根草(多年草)と一年草の色合わせ、形選びをして素敵な初夏の庭をコーディネートしてみましょう。
初夏に咲く花はいつ植える?
初夏に咲く花苗の流通は、実際の開花時期より早く出回ります。苗として見かけるようになるのは10月後半あたりからです。
色を確認して植えたい草花は別として、おすすめなのは「未開花苗を早い時期に植え付けること」
開花までにたっぷりと根を張る期間を与えると、初夏にたくさんの花を楽しめます。未開花苗は見た目が地味ですが、春遅くに植え付けたものと比較すると、株の育ち具合や花数がまるで違います。秋以降、園芸店に行った際には未開花苗も組み合わせて春から初夏の庭づくりをしてみてください。
初夏の庭や花壇におすすめの宿根草15種
ゲラニウム
- 宿根草
- 開花時期5月~7月(晩秋まで咲く品種もあり)
ゲラニウムは、別名フウロソウとも呼ばれるフウロソウ科の宿根草。主に初夏が開花時期ですが、最近は秋まで開花が続く品種も登場しています。たくさんの品種があり、ナチュラルな雰囲気が好きな方に人気です。葉のフォルムも品種によってさまざまなのも魅力です。
ポテンティラ
- 宿根草
- 開花時期4月~8月(品種による)
ポテンティラは、バラ科の宿根草。花色は、オレンジ、アプリコット、黄色、白、赤、ピンク系濃淡などとても豊富です。
草丈は、矮性でグランドカバーとして使えるものから60cm以上になるものまでさまざまです。丈の高い品種は、株元付近で咲くというよりは、花茎があちこちに散らばるように咲きます。
クレマチス
- 宿根草
- 開花時期 系統による
クレマチスは系統によって開花時期が違う植物ですが、初夏に咲く品種はとてもたくさんあります。豊富な花色、咲き方にくわえ、つるの長さもそれぞれなので、植える場所に合わせた品種を選びましょう。
ジギタリス
- 宿根草もしくは二年草
- 開花時期 5月~6月
ジキタリスは、イングリッシュガーデンの定番として人気の花。穂状の花が下から上に咲き進む姿は存在感があります。花の色は、白、ピンク、イエロー、紫など。最近はアプリコット色などの中間色やブロッチのないタイプもあります。本来は宿根草ですが、暑さに弱いため春まきの二年草として扱われることがあります。品種によって草丈がかなり違うので、それぞれに適した場所に植え付けましょう。
バーバスカム
- 宿根草
- 開花時期5月~7月
バーバスカムは、ゴマノハグサ科の多年草。色数が豊富で、品種によって草丈に違いがあります。冬の間はロゼット状の下葉のみですが、春になると株元から花茎が立ち上がり、穂状の花が下から上に咲き進みます。
宿根サルビア、セージ
- 宿根草
- 開花時期5月~11月(品種によってさまざま)
宿根草のサルビアやセージは、矮性から高性までたくさんの品種があります。ブルー系の穂状の花がさわやかな雰囲気を演出してくれます。サルビア、セージ類はおおむね開花期間が長いものが多いですが、品種によっては初夏咲きや晩秋咲きのものもあるので、プランツタグなどで開花期間を調べましょう。
スイカズラ(ハニーサックル)
- 宿根草
- 開花時期5月~10月
スイカズラは、半落葉性のつる性植物。開花中の良い香りも魅力です。次々と園芸品種が作られ、色合いが豊富です。生長力があるので、フェンスやトレリス、アーチなどに這わせると見事な光景になります。
アリウム
- 球根植物
- 開花時期4月~9月(品種による)
アリウムは、ヒガンバナ科の耐寒性球根植物。種類によって草丈、花のサイズや形が違います。ユニークなフォルムをしたものが多く、切り花でも親しまれています。ひときわ目を引く大輪種は、初夏の庭を華やかにしてくれる存在です。植えっぱなしで管理できるものと開花後に掘り上げたほうがよいものがあります。
クナウティア
- 多年草
- 開花時期5月~10月
クナウティアは、スイカズラ科の耐寒性多年草。暑さにも強く、開花期間が長いので、夏の庭や花壇に植えると重宝する草花です。品種によって草丈はかなり違い、40cmくらいのものから1mを越すものまでさまざまです。多くの宿根草は、植え付けて数年してからたくさんの花が開花するものが多いですが、クナウティアは初年度からたくさんの花を楽しめます。
宿根草のアネモネ
アネモネ・バージニアナ
- 宿根草
- 開花時期5月~6月
球根のアネモネは春に咲くものが多いですが、開花時期が初夏の宿根草のアネモネもあります。白系やグリーン中心のお庭におすすめ。草丈が低いものから高性まで色々あるので、植え付ける場所に合わせて品種を選びましょう。
ペンステモン
- 多年草
- 開花時期5月~10月
ペンステモンは、オオバコ科の多年草。日本のような高温多湿が苦手な一部の品種は一年草として扱われることがあります。釣鐘のような花が穂状についているものが多く、豊富な花色があり草丈も矮性から高性まであります。また、「春から初夏に咲くもの」「初夏から秋にかけて咲くもの」など、品種によって開花時期が違います。
ポレモニウム
アプリコットデライト
- 多年草
- 開花時期5月~7月
ポレモニウムは、ハナシノブ科の耐寒性多年草。丈夫で育てやすく、根付けば特別な管理をしなくても育ちます。冬の間はロゼット状の下葉だけの状態で常緑で越冬し、春になると株元から花茎を立ち上げて開花します。ポレモニウムは、温暖地の梅雨~真夏の気候が若干苦手です。夏を乗り切れば宿根化しますが、どちらかというと寒冷地向きの草花です。真夏に蒸らさないようにすることがポイントです。
アンチューサ
- 宿根草
- 開花時期 5月~6月
アンチューサは、春から初夏に青い花が開花するムラサキ科の草花。品種によって草丈に差があり、30~150cmくらいまでさまざまです。高温多湿に弱いため、一年草扱いとされることもあります。
宿根リナリア
- 宿根草
- 開花期5月~7月
宿根リナリアは、ゴマノハグサ科の宿根草。リナリアは一年草と宿根草があり、一年草のリナリアは春が花期ですが、宿根リナリアは初夏が開花時期です。草丈も一年草と違い50cm以上になります。優しい雰囲気の花も魅力的ですが、シルバーグリーンの葉も美しく、カラーリーフとして楽しめます。一通り花が終わった7月頃に切り戻しておくと、秋に再び開花します。
丁字草
- 宿根草
- 開花時期 5月
丁字草は、透明感のある水色の星型の花を初夏に咲かせる宿根草。半日陰で肥沃な土が好みですが、日当たりの良い場所でも問題なく育ちます。開花期間は短いですが、植えっぱなしで毎年開花する手入れが楽な草花です。
初夏の庭や花壇におすすめの一年草15種
シャーレーポピー
- 一年草
- 開花時期5月~7月
シャーレーポピーは、5月に開花するポピーです。薄紙のような繊細な花びらで、ゆらゆらと揺れながら咲く姿は、か弱そうですが性質は丈夫。一重咲きのほか八重咲きもあり、色合いもとても豊富です。
最近はシックな色みのものが人気です。
セリンセ・マヨール
- 一年草
- 開花時期4月~6月
セリンセ・マヨールは、シックな雰囲気のする人気の一年草。春になると茎を伸ばし、茎先に筒型の小さな花を下向きに咲かせます。環境にあうと横幅40~50cm程度になりますが、小さな花のため隣を圧迫するようなことはなく、色々な植物と組み合わせがしやすい草花です。環境に合うとこぼれ種で増えます。
アークトチス・グランディス
- 多年草(日本では一年草扱い)
- 開花時期4月~7月
アークトチス・グランディスは本来は多年草ですが、日本では一年草として扱われることが多い草花。高温多湿に弱い性質なので、夏を越せれば多年草化します。草丈40~50cm程度で、花付近には葉はなく、地際から花茎をまっすぐ伸ばして頂点で開花します。丸型の花と直線的な茎のコントラストが庭や花壇で引き立つ存在です。寒冷地では、春から秋まで長く花を楽しめます。
シノグロッサム
- 一年草
- 開花時期 4月~6月
シノグロッサムは、ワスレナグサに似た花を初夏に咲かせるムラサキ科の一年草。水色のほか、白やピンクもあります。
ヤグルマギク
- 一年草(品種によっては宿根草もあり)
- 開花時期4月~7月
ヤグルマギクは、キク科の一年草。花びらの形は矢車に似ていて放射状に広がっています。花色は白、青、ピンク、紫、ブラックなどがあり、草丈は1m位まで生長する高性から矮性種までさまざまです。環境に合うとこぼれ種で増えます。
カリフォルニアポピー(花菱草)
- 一年草
- 開花時期4月~7月
カリフォルニアポピーは、春から初夏に咲く一年草。オレンジをはじめ、赤、アプリコット、クリーム色、ピンクなど色が豊富です。咲き方も一重のほか八重咲き種もあります。繊細そうに見えますが、性質はとても丈夫で、秋のうちに定植しておくと大株になり、たくさんの花を楽しめます。
太陽に向かって開き、日没とともに閉じる性質で、艶のある花びらが太陽に当たってキラキラと見える姿はとても魅力的。周囲を明るく華やかにしてくれます。環境に合うとこぼれ種で増えます。
フロックス
- 一年草
- 開花時期4月~7月
フロックスは一年草と宿根草があり、開花時期や草丈などが違います。一年草のフロックスは春から梅雨の頃までが開花時期です。花色がとても豊富で、明るい色をはじめベージュなどのシックな花色や、花の形が星形のものもあります。
カレンジュラ
- 一年草
- 開花時期4月~7月
カレンデュラは、キク科の一年草。花びらに光沢があり、太陽に反応して開花する性質があります。
オレンジ、黄色系のほか、シックな色や淡い色みなど、年々品種が豊富になっています。花がら摘みをまめにすれば、ワンシーズンでたくさんの花を楽しむことができます。
ラークスパー
- 一年草
- 開花時期 5月~7月
ラークスパーは、初夏に青や紫色の穂状の花を咲かせるキンポウゲ科の一年草。背丈が1mを越すものもあり、庭や花壇に植えると線状の花が目を引く存在になります。色は青、紫、白、ピンクを始め、最近は「ラークスパー・アールグレイ」のようなアンティークカラーの色あいも登場しています。
デルフィニウム
- 多年草(日本では一年草扱い)
- 開花時期5月~7月
デルフィニウムは、青系の濃淡の清涼感のある色の花を咲かせるキンポウゲ科の多年草。背丈が高くなり、穂状の花茎にたくさんの花を咲かせます。高温多湿に弱いため、日本では夏を越せないことが多く、一年草として扱われることも多いようです。
ギリア
ギリア・レプタンサ
- 一年草
- 開花時期4月~6月
ギリアは、フォルムがおもしろいハナシノブ科の一年草。品種によって花の形がまったく違います。初夏に見ごろを迎えるのは、写真のギリア・レプタンサやカピタータ。
ギリア・トリコロールは、東京だと春から5月いっぱいくらいが花の見ごろです。
ニゲラ
- 一年草
- 開花時期 4月~7月
ニゲラは、花も葉も独特なフォルムで、小さな花ながらとても存在感がある草花です。繊細そうな姿をしていますが、性質は強く、環境が合えばこぼれ種でも増えます。花びらに見える部分はガク片で、本来の花びらは退化して目立たない形状です。青以外に、ピンク、白など数色あり、新品種も次々と登場しています。
オルレア
- 一年草
- 開花時期4月~7月
清楚でナチュラルな感じが魅力で人気の草花、オルレアはセリ科の一年草。蒸れに弱いので夏に枯れてしまうことが多く、一年草として扱われることが多いようです。草丈が60~100cm程度になり、開花期が長く花付きも良いので、見ごろの時期はとても目を引きます。環境に合えばこぼれ種で増えます。
ビスカリア
- 一年草
- 開花時期4月~6月
ビスカリアは、ナデシコ科の一年草。風にゆらゆらと揺れながら咲く姿は、か弱そうですが性質は丈夫。次から次へとたくさんの花が開花し、派手さはありませんが、ナチュラルな雰囲気が好きな方にはおすすめの草花です。色はピンク系濃淡、紫、白などがあります。
アグロステンマ
- 一年草
- 開花時期
アグロステンマは背丈が高く、地植えにすると1メートル近くになるナデシコ科の一年草。風にゆらゆらと揺れながら咲いている姿は、弱そうに見えますが性質は丈夫です。写真のピンクのほか、淡いピンクや白もあります。
ご紹介したのはほんの一部。素敵な草花が咲き誇る初夏。色、形、咲き方……好みのものをセレクトして、素敵な庭を作ってみませんか。
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