ハーブとは?料理に使えるハーブの種類30選!使い方と育て方
金子三保子
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生活に取り入れるといいことづくめのハーブ。今回はお茶や料理に使えるハーブとそれぞれの利用法、育て方をご紹介します。
料理に使うハーブを自分で育てると、使いたい時に使いたい量だけ収穫することができます。庭やベランダで自分が料理によく使うハーブを育ててみませんか?
目次
ハーブとは?
「ハーブ」とは、「暮らしに役立つ香りのある植物」を総称する言葉。昔から生活のあらゆるシーンで薬草や料理など様々な用途で利用されてきました。
現在ではハーブは園芸用に改良されて、主に利用目的が観賞用のハーブも多数流通しています。様々なハーブの苗は、ハーブショップなどの専門店の他、花屋さん、園芸店などで購入することができます。
ハーブを「料理用」として利用する時に気を付けたいこと
料理やお茶など、食材として利用するためのハーブを育てる場合は、品種名と利用用途(食用か観賞用か)がきちんと書かれている苗を選ぶと安心です。
一般に流通している園芸用の花苗と、野菜やハーブ苗などの食用の苗では、使用している薬剤が違うことがあります。料理用のハーブを購入する際はプランツタグを確認するか、お店の方に「食用にできるか?」を確認してみましょう。
料理に使えるハーブの種類30選!使い方と育て方
1.ミント
ミントはハーブの中では最も知っている人が多いハーブではないでしょうか。最近は八百屋さんやスーパーでもミントを販売しているお店も多くみかけます。ミントの利用法はお茶の他、最近はモヒートなども人気があります。
ミントの収穫は5月下旬~9月が一番の収穫適時ですが、ほぼ通年を通して収穫を行うことができます。ミントはたくさんの品種がありますが、料理に使うミントとしては「スペアミント」や「ペパーミント」が一般的です。最近はこの2種の系統でもたくさんの品種が流通しています。
ミントの育て方
ミントは苗で購入するのが一般的です。一苗でたくさんのミントの葉を収穫するためのポイントは、どんどん収穫すること。まめに摘み取ると、枝分かれしてたくさんの茎数になります。
ミントのハーブウォーターとローズマリー風味のオレンジジュース
2.バジル
バジルは「バジリコ」とも呼ばれているハーブで、イタリア料理には欠かせないハーブの一つです。さわやかな香りが食欲をそそり、生ではもちろんのこと、ジェノベーゼソースやパスタ、ピザにもよく使われます。トマトとの相性も抜群。たくさんあるハーブの中で庭やベランダで育てておくと便利なハーブのひとつです。フレッシュバジル、ドライバジル、それぞれに香りと風味が違います。
料理に直接使う他、乾燥させて単体でドライバジルにしたり、塩と混ぜて「ハーブソルト」にするのもおすすめ。
バジルの育て方
バジルは種まきをするか苗で購入するのが一般的です。一苗でたくさんのバジルの葉を収穫するためのポイントは、どんどん収穫すること。まめに摘み取ると枝分かれしてたくさんの茎数になります。
3.タイム
タイムは無農薬で育てられる性質が丈夫なハーブです。タイムの利用法は、肉料理や魚料理の臭み消し、防腐効果、殺菌効果などがあります。また、タイムは「ブーケガルニ」としてシチューやポトフなどの煮込み料理の風味付けにも使われます。
タイムはポット苗で購入した時は草っぽく見えますが、1年以上育てると古い枝は木質化してくる低木に分類されるハーブです。
タイムは品種がたくさんあるハーブのひとつですが、料理に使うなら「コモンタイム」を選びましょう。
タイムの育て方
タイムは株元が蒸れやすく、蒸れると株元が茶色くなっていきます。伸ばし放題にしておくと蒸れやすいので、まめに収穫をかねて株元で刈り込んでおくと、きれいな株を保つことができます。刈り込んだタイムは天日干しでドライハーブにすると長期保存が可能です。
4.月桂樹(ローリエ)
月桂樹(ローリエ)は、クスノキ科の常緑樹。
月桂樹(ローリエ)の一般的な利用法は、カレーやシチュー、スープなどの煮込み料理、肉料理、ピクルスなどの香り(風味)づけに使われます。月桂樹(ローリエ)の葉は少し苦みがありますが、乾燥させると苦みがなくなり香りもマイルドになります。
月桂樹(ローリエ)は常緑樹なので、いつでも好きな時に収穫できるのも魅力です。使いたい分を少しずつ収穫して天日干しで乾燥させて保存しておくといいですね。
月桂樹(ローリエ)の育て方
月桂樹(ローリエ)は10mを超えることもある常緑の高木ですが、刈り込みに堪える植物なので丈や樹形を自由にデザインできます。鉢植えで育てることも可能です。料理に使うために育てるなら、収穫しやすい高さに毎年剪定して仕立てていくとよいでしょう。風通しをよくするために剪定し、剪定した葉は天日干しでドライハーブとして保存しておくと一年中、自家製のドライローリエが楽しめます。
5.パクチー
パクチー(コリアンダー)はセリ科の一年草です。
パクチーの利用法はサラダやスープ、肉や魚料理のトッピング、刻んで調味料の中に入れると、エスニックの風味になるハーブです。葉、根、種と余すことなく使うことができます。
独特な香りや味わいは好みがはっきりと分かれるハーブですが、好きな人にとってはやみつきになるハーブで、都内にはパクチー料理専門店もあります。
パクチーの育て方
パクチーは花もかわいいハーブですが、葉っぱを収穫する目的で育てるなら、花は咲かせない方が長くたくさん収穫することができます。パクチーは種まきか苗で購入するのが一般的です。収穫は葉が固くなる前に外葉から摘み取ります。
6.ルッコラ 7.セルバチコ
ルッコラ
ルッコラはゴマの風味のするアブラナ科の一年草です。サラダ、おひたし、炒め物、肉料理の付け合せ等、利用用途が幅広いハーブです。
セルバチコ
ルッコラ同様、ゴマの風味がするハーブでセルバチコというハーブがあります。ルッコラとセルバチコの違いは、葉の形、花などの見た目の他、大きく違うのがルッコラは一年草、セルバチコは多年草です。味はセルバチコの方が少し辛味が強いような気がしますが、ほぼ同じです。
ルッコラとセルバチコの育て方
ルッコラとセルバチコは種まきをするか苗で購入するのが一般的です。外側の葉っぱからどんどん収穫しましょう。どちらも花もかわいいハーブですが、花を咲かせると葉が固くなるので、料理用として育てるなら花は咲かせない方がよいでしょう。
8.ローズマリー
ローズマリーはシソ科の常緑低木のハーブです。辛みと甘みの両方を兼ね備えた清涼感のある香りがします。ローズマリーはたくさんの品種があって、同じローズマリーでも香りが違うので、香りに敏感な方は葉っぱを手でこすって好みの香りの品種を選びましょう。
ローズマリーの利用法は、オイルやバター、塩などに混ぜたり、香りづけをして調味料として使う他、タイム同様、「ブーケガルニ」にも利用されます。その他、豚肉や鶏肉料理の臭み消しや香りづけ、ハーブポテトなど様々な料理に使うことができます。
ローズマリーの育て方
枝が密集すると株元が蒸れたり、葉が黄色くなったりするので、枝の更新をかねて定期的に剪定をして風通しのよい株に仕立てます。剪定した枝は葉を枝から取り去って、天日干しで乾燥させるとドライハーブとして保存できます。
9.しそ
しそは和のハーブの代表的存在。料理やお刺身のつまなど、夏には欠かせない葉ものです。市販のものは10本で一組になっていることが多いので使いきれない葉をダメにしてしまった経験のある方も多いのでは。一株育てておくと必要な時に必要な枚数だけ摘んで使えるので便利です。
しその育て方
しそは種まきか苗で購入するのが一般的です。一苗でたくさんのしその葉を収穫するためのポイントは、どんどん収穫すること。まめに摘み取ると枝分かれしてたくさんの茎数になります。
10.パセリ
パセリと言えば料理の付け合わせというイメージですが、最近ではオリーブオイルの中にパセリやニンニクを刻みいれてハーブオイルにしたり、料理のソースなどにも使われるようになりました。栄養素を丸ごと取り入れられるスムージーなどでも使われています。
パセリの育て方
パセリは種まきをするか苗で購入するのが一般的です。収穫は外葉から摘み取りましょう。収穫しすぎると株が衰えてしまいます。常に10枚前後、葉を残しておくと次から次へと葉を出し、1年中収穫できます。長く収穫するためには花は咲かせないようにしましょう。
11.フェンネル 12.ディル
フェンネルやディルは、独特の風味で魚料理やハーブビネガーなどによく使われるハーブです。細かく刻んで、ドレッシングやマヨネーズなどの調味料にも使えます。葉以外に種もピクルスやお茶などにも利用されています。
とてもよく似たハーブ、ディルとフェンネル。見た目の違いは、葉はディルの方が葉の密集度が高いです。同じセリ科ですが、ディルはイノンド属、フェンネルはウイキョウ属です。また、ディルは一年草、フェンネルは多年草です。
ディルとフェンネルを近くで育てると交雑しやすいので植え場所には注意しましょう。
フェンネルとディルの育て方
どちらも直根性なので苗で植え付ける場合は、根を崩さないようにして植え替えましょう。花は初夏に黄色い花が開花します。花の後の種もピクルスなどに利用されています。花が咲いて種が出来ると葉は堅くなり株が弱ります。料理用に育てているのならば、花は極力咲かせず葉をどんどん収穫した方が長い期間収穫できます。
13.レモンバーム
レモンバームはレモンに似た香りのシソ科の多年草のハーブです。別名メリッサとも呼ばれます。一番よく使われるのはお茶。単体でもレモンの香りがして飲みやすいですが、ミントやレモングラスなどとブレンドすると、おいしくて飲みやすいハーブティーになります。
レモンバームの育て方
レモンバームは主に苗で購入するのが一般的です。レモンバームは花を咲かせると香りが落ちます。葉っぱを収穫するために育てている場合は、花が咲く前に切り戻しをしましょう。
14.レモンバーベナ
レモンバーベナはクマツヅラ科の落葉低木。フランスでは「ベルベーヌ」の名前で親しまれ、食後に飲むハーブティーとして有名です。レモンバーベナ単体でもおいしいハーブティーになりますが、飲みなれないうちは紅茶とブレンドするとよいかもしれません。お茶としての利用が一番一般的ですが、その他、料理やお菓子の香りづけなどにも使われます。
レモンバーベナは寒さには弱いハーブなので、東京でも地植えよりは鉢植えで育てた方が安全です。私は都内で鉢植えで育てていますが、室内に取り込まなくても戸外で越冬しています。落葉樹なので冬場は葉っぱが落ちて枯れ木のような見た目になります。葉っぱの芽吹きは他のハーブと比較すると遅い方で、毎年だいたいゴールデンウィークごろに芽吹いてくる感じです。
レモンバーベナの育て方
レモンバーベナは冬場は落葉して枯れ木のような見た目になりますが、根は生きているので鉢の表面を観察して土が乾いたら水やりをするようにしましょう。
15.レモングラス
レモングラスはイネ科の多年草のハーブで、レモンの香りより少し甘い香りのするハーブです。レモングラスはフレッシュハーブやドライハーブとしてお茶や料理の香りづけなどに利用されます。レモングラスを使った料理ではトムヤンクンが有名ですね。
レモングラスの見た目は地味ですが、とってもよい香りのする葉っぱです。どのハーブにも言えることですが、フレッシュハーブの香りや風味とドライのそれとでは、まったく香りや味わいが変わります。フレッシュで採れるうちはフレッシュで、冬越しを兼ねた剪定の時にまとめて乾燥させてドライハーブとして保存しておくとよいでしょう。
レモングラスの育て方
レモングラスの苗は5月ごろから流通が始まります。暑いのが好きなハーブなので、地域によっては地植えで多年草として育てることもできますが、寒冷地では鉢植え、もしくは一年草として育てることになります。東京でも地植えで育てていると、越冬できる年とできない年があります。
レモングラスは葉がとても鋭いので、素手で葉の両側に触れると手を切ってしまうことがあるのでご注意。
16.カモミール
リンゴのような甘さとさわやかさを兼ね備えた優しい香りがするカモミール。カモミールティーは、ヨーロッパで安眠効果のあるハーブとして就寝前に飲むハーブティーとして愛用されてきました。日本でもドライハーブとして花の部分が販売されている他、数種のメーカーからティーパックでも販売されているほど普及しているハーブのひとつです。
カモミールはいくつかの種類がありますが、お茶に使われるカモミールは一年草のジャーマンカモミールです。
カモミールの育て方
カモミールは種まきをするか苗で購入するのが一般的です。苗は花が開花する前の若いうちに定植した方がしっかりとした株立ちになります。
17.マロウ
マロウはアオイ科の宿根草です。マロウの花はハーブティーにして飲むことができます。マロウティーは鮮やかな青色が特徴的です。さらにレモンを入れるとピンクに変化することから、とても人気のあるハーブティーです。マロウはたくさんの種類があり、中には園芸メインの品種もあるので購入時に確認すると安心です。
マロウの育て方
マロウは種まきか苗で購入するのが一般的です。マロウは直根性なので、植え付けをする際は根をいじらないようにしましょう。花をお茶などに利用する場合は、開花した日に摘み取ります。
18.ワイルドストロベリー
ワイルドストロベリーは、バラ科の常緑多年草のハーブです。ワイルドストロベリーという名前からもわかるように、イチゴの野生種なので性質がとても丈夫なハーブです。料理としては実の部分をお菓子やジャムなどに利用できます。
ワイルドストロベリーの育て方
ワイルドストロベリーは苗で購入するのが一般的です。とても丈夫で地植えにすると、株元からランナーを出して広がるように増えていきます。生長の仕方からハンギングや少し高い位置に植栽しても見栄えがします。
19.ラベンダー
ラベンダーはハーブの中でもとても人気のあるハーブのひとつ。初夏に薄紫色の穂状の花が開花します。色の表現でも最近では「ラベンダー色」という表現をされるほど認知度が高いハーブです。
料理としてのラベンダーは、お茶やお菓子などの香りづけや、花の部分を利用するのが一般的です。また、「エルブ・ド・プロヴァンス」と言って、南仏地方のミックスハーブの調味料の中にもラベンダーが入っていることもあります。
ラベンダーはいくつかの系統がありますが、お茶や料理に使うのなら、イングリッシュラベンダーの系統のラベンダーがおすすめ。最近流通しているレースラベンダーは、ラベンダーの香りがしないガーデニング専用のラベンダーです。
ラベンダーの育て方
ラベンダーは苗で購入するのが一般的です。乾燥気味を好むので水のやりすぎには注意しましょう。株が蒸れると株元が茶色くなって見苦しくなってくるので、花が終わったら収穫をかねてバッサリと剪定し、梅雨と真夏に株が蒸れるのを防ぐときれいな株を保ちます。その後、冬前にも地際で剪定をします。
20.オレガノ
オレガノはシソ科の多年草のハーブ。7月~8月にピンクの花が開花します。オレガノはつぼみの色は左の写真のようなえんじ色のような色をしていますが、開花すると淡いピンクになります。花は切り花やドライフラワーにもなります。
料理としてのオレガノは、葉の部分をドライにしたものをスパイスやお茶として使われることが多いハーブです。オレガノはトマトとの相性がよいハーブなので、ピザやパスタなどのイタリア料理、フランス料理、タコスなどのメキシコ料理にもよく使われます。またミックスハーブの調味料の中にもオレガノが入っていることも多いので、機会があれば市販のミックスハーブのボトルの原材料を見てみてください。
ハーブの中には、フレッシュとドライの両方で使用するものもありますが、オレガノはドライで使われることの方が多いハーブです。
最近「花オレガノ」という名前で、園芸種のオレガノが多数流通しています。(代表的なものとしては、オレガノ・ケントビューティー)こちらは香りがしないのでガーデニング用です。
オレガノの育て方
オレガノは種まきか苗で購入するのが一般的です。草丈30~60cm以上になるので、庭植え向きのハーブです。蒸れには弱く乾燥気味を好むハーブです。冬前になったら地際で刈り込んでおきます。
21.ナスタチウム
ナスタチウムの花の色は鮮やかな暖色。オレンジ、黄色、赤と鮮やかな色合いが中心です。葉や花を食せるエディブルフラワーとして重宝されています。葉が丸くてかわいい形なのでサラダに入れると引き立ちます。花の色がカラフルなので料理の彩におすすめ。観賞用としても人気のナスタチウムです。
ナスタチウムの育て方
ナスタチウムは日当たりがよく、風通しのよい場所で育てます。夏の花ですが、真夏の暑さは苦手です。真夏は日が当たりすぎない場所で管理しましょう。夏前に一度切り戻しをして株を休ませると秋に再び開花します。
22.サラダバーネット
サラダバーネットの葉は、キュウリに似た爽やかな香りがします。サラダやスープの風味付け、お茶の他、クリームチーズやバターなどに練り込んで、ハーブバターとして使うこともできます。
サラダバーネットの育て方
サラダバーネットは日本に自生するワレモコソウの仲間で、生育環境さえ合えばとても育てやすいハーブのひとつです。サラダバーネットの葉のふちは、ギザギザとした波上の形態で、ロゼット状に広がりながら生育します。
サラダバーネットの開花期は主に初夏で、細長い茎を伸ばし球状の緑色のガクから、赤いひも状の雄しべを出します。サラダバーネットの花は切り花やドライフラワーとしても楽しむことができますが、花を咲かせると葉が固くなるので、食用として育てるなら花は早めに株元から摘み取ります。葉が20枚以上になったら外葉から摘んで収穫し、一気に収穫して株を弱わらせないようにするために、収穫する際は最低でも10枚以上の葉を残しましょう。
23.バタフライピー
バタフライピーはマメ科のツル性のハーブです。原産地では多年草扱いですが、冬の寒さに弱いため、日本では一年草として扱われています。バラフライピーは暑さにはとても強く、真夏でもツルをぐんぐんと生長させ、たくさんの花を咲かせます。
バタフライピーの花の青にはアントシアニンという天然の青い色素が含まれ、お茶として煎じるときれいな青いお茶になります。ハーブのマロウティーと同じく、レモンなどの酸性の液体を垂らすと、青からピンクに変化します。また、バタフライピーの若いさやも食べることができます。花はフレッシュでもドライでも利用できます。最近、メディアでバタフライピーの美容や健康効果が紹介されて、一気に人気になったハーブのひとつです。
バタフライピーの育て方
バタフライピーはツル性のハーブなので、ツルを這わせる何かが必要です。(行燈仕立て、トレリス、フェンスなど)直根性なので移植の際は根をいじらないようにして植え付けましょう。バタフライピーの丈が10cm以上になったら茎の先を摘芯すると、摘んだ下のからわき芽が伸びてくるので、これを何度か繰り返し、茎の数を増やしボリュームを出していくことによってたくさん収穫できる株になります。
24.チャイブ
チャイブはネギの仲間のハーブ。5月~7月に写真のようなボール状の花がたくさん開花します。草丈が低いので鉢植えでも地植えでも育てることができます。
一般的な利用法としては、日本のネギやニラのような使い方です。細かく刻んで薬味や風味づけとして、サラダ、スープ、卵料理など、幅広い料理に利用できます。バターなどに練り込んで、ハーブバターとして使うこともできます。
チャイブの育て方
チャイブは種で育てることもできますが、苗での購入が一般的です。チャイブは酸性土壌を嫌います。鉢植えとして草花用やハーブ用の土に植え付ける場合は問題ありませんが、庭に植える場合、土が酸性に傾いているようなら、事前に有機石灰などをすき込んで土壌改良してから植え付けましょう。冬場のチャイブは地上部分がなくなりますが、適切な処理をしていれば春になると株元から芽吹きます。チャイブは花の部分もエディブルフラワーとして利用できます。ただし、花を咲かせると一般的なハーブ類と同じく葉が固くなります。葉を利用することが主な目的な場合は、花を咲かせない方がよいでしょう。
25.チャービル
チャービルは、育てやすい定番のハーブです。シダのような細かい切れ込みの入った葉は、古代ローマ時代からすでに食用とされてきました。サラダ、スープ、肉、魚など何にでも使える点はパセリに似ていますが、チャービルはよりマイルドで甘い香りが特長です。そのため「美食家のパセリ」とも呼ばれます。チャービルの葉はケーキなどのお菓子の飾りつけにもよく使われています。
チャービルの育て方
チャービルは春まきでも秋まきでも収穫できます。少量必要な方は春以降にポット苗として苗が流通しています。手間がかからず、すぐ収穫できるのでベランダで育てる方にもおすすめです。やや日陰になる場所で育てると柔らかい葉に仕上がります。次々と株元から新芽を出すので、まめに収穫しましょう。
26.イタリアンパセリ
イタリアンパセリは、ヨーロッパ地中海原産のセリ科のハーブ。パセリの中でも、イタリアンパセリは葉が縮れていない形をしています。栄養価も高く、料理の彩りとしての他、肉料理、魚料理、スープ、生の葉はサラダなど様々な料理に使うことができます。パセリより苦味が少ないのも利点です。
イタリアンパセリの育て方
イタリアンパセリは日なたから半日陰で、水はけの良い土を好みます。夏の高温と乾燥で葉色が悪くなるので、夏は直射日光は避け、適度に日が当たる風通しの良い場所で管理しましょう。
27.ヤグルマギク(コーンフラワー)
ヤグルマギクは、キク科の一年草。ハーブ名ではコーンフラワーと呼ばれ、花びらの部分はエディブルフラワーとして、料理の彩やお茶の素材として使われています。
ヤグルマギクの育て方
ヤグルマギクは、日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。エディブルフラワーとして流通しているヤグルマギクは、背丈が高くなる品種です。直根性の性質なので、植え付ける時には根をいじらず優しく苗を扱います。種からでも簡単に育てることができます。たくさんの花を咲かせたいなら、終わった花はこまめに摘み取って種を付けないようにしましょう。
28.ユキノシタ
ユキノシタは、かつて医者や薬がなかった時代には民間薬として重宝され、食用としても利用されたため、どこの家の井戸周りにもある生活になじみの深い植物でした。現在でも化粧品の素材としてや天ぷらなど、様々な用途で使われています。
ユキノシタの育て方
半日陰から日陰のやや湿った環境を好みます。一度根付けば肥料を施すなどの手間がいらず育てやすい植物です。春の生長期は日当たりの良い場所でも問題ありませんが、真夏は風通しの良い半日陰~日陰が適しています。直射日光が当たりすぎると、葉が焼けてしまうので注意しましょう。
29.ドクダミ
毒や傷みを抑える効果を持つといわれる和のハーブ、ドクダミ。雑草として厄介者扱いされることもありますが、実は様々な効用がある植物です。おばあちゃんやお母さんにこの葉を煎じて飲ませてもらった思い出をお持ちの方も多いのでは。
ドクダミの育て方
ドクダミは、やや日陰の湿った場所を好みます。一度根付けば地下茎で増えていきます。増やしたくない方は、芽吹き始めた頃に増えてほしくない場所から出てきた茎を掘り起こして整理して管理していくとよいでしょう。
30.カレンジュラ
ハーブとしての流通の際はカレンジュラ、もしくは英名のポットマリーゴールドの名前で流通しています。名前にマリーゴールドとありますが、夏の園芸で人気の花のマリーゴールドとは属が違うため別種です。
ハーブショップなどで花びらを乾燥させた商品が「マリーゴールド」という名で出回っていますが、それはカレンジュラのことです。
花はエディブルフラワーに分類され、サラダ、ケーキの彩りに重宝されています。皮膚や粘膜の修復、殺菌作用、身体の内側の炎症の抑制、その他様々な効能があるため、「万能ハーブ」、「皮膚のガードマン」と言われることもあります。
最近は園芸用としてたくさんの種類のカレンジュラが出回っていますが、食用として利用する際はハーブショップなどで販売されている食用にできる苗を購入することをおすすめします。一般に流通している園芸用苗は、食用には向かない薬剤が使用されている場合があるため、必ず確認してから購入しましょう。
カレンジュラの育て方
日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。カレンジュラは性質が強いので育てやすく、冬の花壇や寄せ植えにも使われています。本来の開花時期は春ですが、最近は冬のうちから花苗が出回るため、冬から春まで長く楽しめる花となっています。一番たくさんの花を収穫できるのは春になってからです。
料理に使うハーブを自分で育てると、使いたい時に使いたい量だけ収穫することができます。庭やベランダで自分が料理によく使うハーブを育ててみませんか?
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