半日陰、明るい日陰って何?半日陰や明るい日陰で楽しめる花30選
とまつあつこ
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あまり日が当たらない場所では花が咲かないと思っていませんか。半日陰と明るい日陰、暗い日陰の違いを知っていますか?今回は、3つの日陰のタイプと、あまり日が当たらない場所でも楽しめる花やカラーリーフを紹介します。
目次
半日陰、明るい日陰って何?日陰のタイプ
日陰には、じつはいくつかのタイプがあります。ここでは、日陰を「半日陰」「明るい日陰」「暗い日陰」に分けてお話ししていきます。
半日陰とは
半日陰とは、1日の半分くらい日が当たる状態。または、日なたの半分くらいの明るさがある状況のことを言います。つまり、午前または午後だけ日が当たる場所や、木漏れ日のように日なたと日陰が半分ずつ混じっているような場所です。
半日陰であれば、本来日なたを好む植物でも適応性があるものは問題なく育ちます。日なたを好むけれど、夏の強すぎる日差しは苦手な植物も、半日陰の方が状態が良い場合もたくさんあります。近年の夏の暑さはどんどん厳しくなっているので、場合によっては半日陰の方が育ちやすい環境かもしれません。半日陰で育てられる花のバリエーションはとても豊富です。
明るい日陰とは
明るい日陰とは、直接日が差さないか、差しても数十分程度の場所です。直接日光が当たらなくても、隣の家の壁や塀に反射する間接光で明るい場所は明るい日陰といいます。壁の色が白っぽいと間接光はより明るくなります。樹木に差した日差しがうっすらと得られる優しい明るさがある場所も、明るい日陰といえます。
明るい日陰でも花は楽しめます。イメージとしては林の中などで見かけるような植物で、明るさを好むけれど直射日光が苦手なものが合っています。山野草から多年草まで様々あります。
暗い日陰とは
暗い日陰とは、1日中ほぼ日が差さず、間接光もない日陰のことです。建物に囲まれたスペースや、高い塀で日差しが遮られた場所に暗い日陰ができます。
暗い日陰は、森や林の中の日差しが届かない場所のイメージです。花を楽しめる植物はぐっと減りますが、シャガ、マンリョウ、ヤブコウジ、ヤブラン、ユキノシタ、フッキソウなどには向いている環境です。マンリョウやヤブコウジなどの赤い実や、色鮮やかなカラーリーフ、斑入り葉などを育てると明るい空間に演出できます。
庭やベランダの環境を知ろう
自宅の庭やベランダがどんなタイプの日陰なのかを知ると、その場所にふさわしい植物を選んで状態良く育てることができます。日当たりの具合や土の状態をチェックしてみましょう!
日の当たり方をチェック
この場所は日陰と思っていた場所に、日が当たっていることがあったりしませんか。日照条件は、季節や時間帯によって異なるので、季節ごとの1日の日の当たり方を知っておくといいですね。
例えば、太陽が一番高くなる夏至の頃に1日庭の様子を観察すると、6月~9月頃の日照条件がよくわかります。夏至をピークに太陽の高さは少しずつ低くなるので、前後の時期の日の当たり方や日陰のでき方が推測できます。
また、何が原因で日陰ができているかも確認しましょう。落葉樹で日陰ができているのであれば、その場所は冬から春には日なたになることもあります。
土の状態をチェック
日陰なので植物がよく育たないと悩んでいるという声を聞きますが、日当たりの問題だけでなく、土の状態が悪いことも考えられます。土がカチカチで有機質が不足していたり、粘土質で水はけが悪かったりしませんか。そんな場合は、腐葉土をすき込んでふかふかな土壌にしてから植物を植えましょう。排水性が良く、適度な保水性もある土に改良できれば、半日陰や日陰を好む植物がイキイキと育ちます。
半日陰できれいに咲く花
アガパンサス ~ユリ科 耐寒性多年草~
アガパンサスは5月~7月頃、光沢と厚みのある葉が茂った中からすっと花首を立ち上げて花火のような涼やかな青や白色の花を咲かせます。本来は日なたを好みますが、大変丈夫で育てやすいため、半日陰でも適応できます。肥料もそれほど必要とせず、公園や花壇の植え込みなどによく用いられます。
アガパンサスは冬でも落葉しないタイプのものと、冬になると地上部が枯れるタイプのものがあります。草丈は品種によって20cmくらいから1mを超える大型のものまであります。
アカンサス・モリス ~キツネノマゴ科 耐寒性多年草~
アカンサス・モリスは6月~7月頃に穂状の花を咲かせる大型の多年草。大きくなると背丈は1mを超えるので、庭や花壇のフォーカルポイントとなり、広い敷地に植えるのに向いています。イングリッシュガーデンなどにも多く使われます。
アカンサス・モリスの花は、大きな葉の株元から花穂を立ち上がらせて下から順に開花します。花のひとつひとつにはガクがついていて、花が散った後にもガクは残ります。アカンサス・モリスの葉はツヤがある濃い緑色で、深い切れ込みがあります。その葉がとても美しいことから、古くから「アカンサス模様」として建築などに使われています。
紫陽花(アジサイ) ~アジサイ科 耐寒性落葉低木~
アジサイは梅雨の季節の代表的な花。多種多様な園芸品種が出回り、いずれも日なた、半日陰、明るい日陰で育ちます。とても丈夫で旺盛に生長しますが、強い西日は葉焼けをおこすので注意しましょう。
ガクアジサイ
ガクアジサイの花は、じつは花のように見える部分はガクが変化した装飾花とよばれるもので、実際の花は装飾花が額縁のように咲く真ん中に集まって小さく咲いています。丈夫で育てやすく、日なたでも半日陰でも育ちます。
アナベル
アナベルは、アジサイの仲間の耐寒性落葉低木です。寒さ、暑さに強く育て方も容易で、初夏に20~30cmの大きな花が咲きます。花の色は最初はグリーン、咲き進むと白になる色の変化も素敵でとても人気があります。日当たりの良い場所から半日陰まで栽培可能です。
ピンク色の花が咲くアナベルもあります。アナベルは鉢植えの他、切り花でも出回っていて、ドライフラワーとしても使われています。
ヤマアジサイ
ヤマアジサイは、日本の各地で古くから自生している野生種のアジサイ。小さめの花と小ぶりな葉、細い茎が繊細な印象を与え、楚々とした雰囲気が魅力的です。日本の環境によく合い、日当たりの良い場所から半日陰まで育てやすい植物です。仕立て方によっては鉢植えで小さく育てる事もできます。
カシワバアジサイ
カシワバアジサイは、初夏に大きな円錐形の花穂を伸ばし、長期間にわたって花を咲かせ続けます。晩秋にはカシワの葉に似た大きな葉が美しく紅葉し、赤紫色に色づきます。日なたでも半日陰でも育ちます。
アスチルベ ~ユキノシタ科 耐寒性多年草~
アスチルベは日本の山野にも自生する多年草。円錐形の花茎を伸ばし、ふんわりとした白やピンクの小さな花をいっぱいに咲かせます。梅雨の時期から咲き始め、雨に当たっても花は傷みません。アスチルベは多湿に強く、日本の気候にぴったり合っているのでとても育てやすい植物です。耐陰性があるので、半日陰や明るい日陰に彩りを添えてくれます。冬は地上部を枯らして越冬します。
アストランティア ~セリ科 耐寒性多年草~
アストランティアは5月~7月頃、星のような形をした花を咲かせます。ごく小さな花が半球状に集まって咲く姿がとても繊細です。花びらに見える部分は「総苞」で、その中心に小さな小花が密集しています。素朴で野趣あふれる草姿がナチュラルな雰囲気です。
アストランティアは冷涼な気候で湿り気のある場所を好みます。夏の強い日差しと高温多湿が苦手なため、日本では夏越しが難しい草花ですが、寒冷地ではこぼれ種で発芽することもあります。風通しの良い半日陰で育てましょう。冬は地上部を枯らして越冬します。
インパチェンス ~ツリフネソウ科 非耐寒性多年草~
インパチェンスの花期は5月~10月頃。初夏から秋まで次々と華やかに花を咲かせるため、寄せ植えはもちろん、ハンギングバスケットや鉢植え、花壇植えに用いられます。
インパチェンスは半日陰で美しく花が咲き、夏のシェードガーデンにぴったりです。暑い国が原産地なので、高温多湿にも強い性質です。真夏の強すぎる日差しは、葉焼けをおこす場合があります。本来は多年草ですが、寒さに弱く一年草扱いされていることも多い植物です。室内の明るい窓辺に取り込めば翌年も楽しめます。
カサブランカ ~ユリ科 耐寒性多年草(球根)~
カサブランカは、秋に植えると初夏から夏に良い香りがする美しい花を咲かせる球根植物。うつむきかげんに大きな真っ白い花が咲き、花の内側に小さなつぶつぶがあり、花粉はオレンジ色をしています。カサブランカは長時間の直射日光や西日などの強い日差しが苦手で、半日陰や明るい日陰を好みます
コリウス ~シソ科 非耐寒性一年草~
コリウスは、ダークな赤色から爽やかなライム色、赤の斑入り、黄色の斑入りなど様々な葉色が楽しめるカラーリーフ。品種が多く、葉の大きさも草丈も品種によって異なります。
コリウスは、よく日光に当てると葉がきれいな色になりますが、真夏の強い日差しでは葉色があせてしまうことがあります。真夏は半日陰くらいが丁度よいでしょう。また、花を咲かせると葉色が悪くなってしまうので、美しい葉色を楽しむ場合は蕾をカットして葉だけの状態をキープします。本来は多年草ですが、寒さに弱いので日本では一年草として扱われています。
ジキタリス ~ゴマノハグサ科 耐寒性多年草~
ジギタリスは初夏の5月~6月頃、茎をすっと伸ばしてベル型の花を穂状に咲かせ、花は下から上へと咲き進みます。バラと並べて植えられることが多く、イングリッシュガーデンの定番としても人気があります。背が高いので花壇の後方によく用いられます。本来は毎年花を咲かせる多年草。寒さには強いのですが、暑さに弱いため日本では二年草として扱われることも多いです。丈夫なので環境が合えばこぼれ種から増えます。
シモツケ ~バラ科 耐寒性落葉低木~
シモツケは、初夏に赤、ピンク、白色などの小さな花を枝先にたくさんつけます。生長しても1m前後なので管理しやすい樹木です。日当たりの良い場所を好みますが、半日陰や木陰になるような所でも育ちます。
シラー ~キジカクシ科 耐寒性多年草(球根)~
シラーは、秋に植えて春に花を咲かせる球根植物。ベル型の小花を咲かせるタイプや、小花が集まって放射状に咲くタイプなど、咲き方は種類によって違います。花色もブルー以外に、青紫、紫、ピンク、白など様々あります。
シラーは日向から半日陰を好みます。花を咲かせた後、夏になると自然に葉が黄色くなって地上部が無くなります。シラーはとても丈夫で、球根を植えたら数年植えっぱなしで楽しめるものが多いです。
ジンチョウゲ ~ジンチョウゲ科 耐寒性低木~
ジンチョウゲは、春先に外側が桃色で内側が白色の小さな小花が手まりのように集まって咲く常緑低木。花びらに見える部分はじつはガクです。花には強い芳香があります。夏の強い直射日光を嫌うので、西日が当たらない半日陰が最適。移植を嫌います。樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。
タイツリソウ(ケマンソウ) ~ケシ科 耐寒性多年草~
タイツリソウは4月~5月頃、枝垂れた茎にハートの形をした花を連ねて咲かせます。花色は、白の他にピンク色があります。釣り竿にたくさんの鯛がぶら下がっているようにも見えることからその名が付きました。秋から冬にかけては休眠するため地上部が枯れますが、根は生きていて春にまた芽吹きます。
トレニア ~アゼナ科 非耐寒性一年草~
トレニアは4月~10月頃、子つばめが口を開けたような小さな花を次々と咲かせます。草姿は立性と、横に広がる匍匐性のタイプがあり、匍匐性のトレニアは目線の高い位置に飾ると美しさが引き立ちます。
トレニアは基本的に日なたを好みますが、真夏の直射日光は苦手なことと、耐陰性があるので半日陰でも育てることができます。トレニアは一年草が多いですが、トレニア・コンカラーは多年草タイプです。多年草タイプでも寒さには弱いので、冬は室内で管理するなど冬越し対策が必要です。
ベゴニア ~シュウカイドウ科 非耐寒性多年草(一年草)~
ベゴニアは4月~10月頃、小さな可愛い花を次々と咲かせます。直接雨が当たらない風通しの良い日なた~半日陰を好み、真夏の直射日光は苦手です。寒さに弱く、日本の気候では一年草として扱われていますが、寒くなる前に室内の明るい場所に移動させると翌年も楽しめます。挿し木で増やすことができます。
ベロニカ ~オオバコ科 耐寒性多年草(一年草)~
ベロニカは、青や紫、白、ピンクなどの花を咲かせます。縦にすっきり伸びた花穂とシンプルで小ぶりな花が印象的で、花壇や寄せ植えに縦方向のアクセントを加える花として欠かせない存在です。暑さ寒さに強く、本来日当たりを好みますが環境によく適応するため半日陰でも育ちます。品種が多いため春咲き、秋咲きの区別だけでなく一年草、多年草、落葉性、常緑性と様々なバリエーションがあります。
ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト ~トウダイグサ科 非耐寒性低木~
ユーフォルビア・ダイアモンドフロストは、夏の暑さに強く、4月~11月頃に白い繊細な小花を次々と咲かせます。花に見える部分は苞(ほう)と呼ばれる花のすぐ下の葉で、本当の花は苞の中心部に小さく咲いています。低木でありながら寒さに弱いので一年草扱いされていることが多いですが、暖地では屋外で冬越しできることもあります。真夏の強い日差しが苦手なため、半日陰になるくらいの場所で管理すると状態良く育ちます。
ユーフォルビア・ダイアモンドフロストは、切り花で言えばカスミソウのような存在。どんな花とも合うので、寄せ植えに使うとメインの花を引き立たせ、爽やかさを演出してくれます。
ワスレナグサ ~ムラサキ科 耐寒性一年草~
ワスレナグサは4月~6月頃、青や白、ピンク色の小花を咲かせます。日当たりを好みますが、花が咲き始めている苗であれば半日陰でも育てられます。こぼれ種でどんどん増える繁殖力の強い植物です。原産地のヨーロッパでは多年草として分類されますが、暑さと過湿を嫌うので夏越しできないことから日本では一年草として扱われています。最近は草丈が高い品種も出てきています。
明るい日陰でもきれいに咲く花
アジュガ ~シソ科 耐寒性多年草~
アジュガは4月~5月頃、紫や青、ピンク色の花を咲かせるカラーリーフ。地面を這うように生長する匍匐性植物です。寒さに強く、耐陰性もあり、ランナーを伸ばしてあまり日が当たらない場所でもよく育ちます。
アジュガの葉色は黒っぽいチョコレート色、紫がかった銅葉色、明るいグリーン、白やピンクの斑入り、複色など様々あります。常緑性なので花が咲かない時期もバラエティー豊かな葉色を楽しめます。アジュガの美しい葉色を保つには、強い日差しよりも半日陰や明るい日陰のやわらかい光で育てることが好ましいです。暗い日陰でも育てられますが、花つきは悪くなります。
エゴポディウム・バリエガータ(斑入りイワミツバ) ~セリ科 耐寒性多年草~
エゴポディウム・バリエガータは、明るいグリーンにクリーム色の斑が入った爽やかなカラーリーフ。半日陰~日陰を好み、強い直射日光に当たると葉焼けをおこします。半日陰~日陰の湿り気のある場所で育てると葉が大きくなり、地下茎でどんどん広がります。丈夫でほとんど手をかけなくても育ちます。美しい葉は4月~10月頃に観賞することができ、冬は地上部を枯らして越冬します。
エゴポディウム・バリエガータは、6月頃にホワイトレースフラワーに似た白い花を咲かせます。
ギボウシ ~ユリ科 耐寒性多年草~
ギボウシは涼し気な大きな葉が美しいカラーリーフ。日本の山野にも自生し、日本の気候に合って放任でよく育ちます。明るい日陰を好みます。葉の大きさや色、形は品種によって様々あり、初夏から夏にかけて花茎を長く立ちあげてラッパ型の花を咲かせます。冬は落葉して地上部がなくなります。
クリスマスローズ ~キンポウゲ科 耐寒性多年草~
クリスマスローズは、花が少ない冬の時期に花を咲かせる常緑の多年草。ややうつむきながら咲く花の顔をこちらに向けてみると、その美しさに魅了されます。お手入れもそれほど難しくないので初心者にもおすすめです。花色は、白、ピンク、緑、紫、黄、黒、アプリコットなどがあります。咲き方も豊富で一重咲き、半八重咲き(セミダブル)、八重咲き(ダブル)など様々です。
花びらに見える部分は本当は「ガク片」です。本来の花びらは退化して蜜腺となり、雄しべの周りにあります。花が咲き終わってもガクが残り、ガクの色が変化する様子も美しく長い期間楽しめます。
クリスマスローズは明るい日陰や半日陰を好みます。日なたでも育ちますが、真夏の直射日光が長時間当たる場所は避けましょう。
コクリュウ ~キジカクシ科 耐寒性多年草~
コクリュウは、つやのある黒くて細い葉が特徴的な常緑の多年草。インパクトのある上品な葉が、寄せ植えやハンギングバスケットのアクセントにも重宝されます。暑さ寒さに強く、日陰にも適応するのでグランドカバーとしても使われます。初夏~夏に花を咲かせ、秋に黒い実がなります。和風のイメージだけでなく、洋風のワンポイントとしても好まれます。
シャガ ~アヤメ科 耐寒性多年草~
シャガは、春に白や薄紫色の花を咲かせる常緑の多年草。雑木林の木陰など、明るい日陰の湿り気のある場所に多く自生していて日本各地でも見ることができます。日陰の下草やグランドカバーにも適していますが、暗い日陰では花つきが悪くなります。葉はやや厚く光沢があり、草丈は30~70㎝ほどです。
スキミア(シキミア) ~ミカン科 耐寒性常緑低木~
スキミアは秋にぷちぷちした蕾をつけ、3月頃に小さな白い花がまとまって咲きます。蕾の期間も合わせて秋から春まで長い期間楽しめる樹木です。赤い蕾と緑色の葉の組み合わせがクリスマスカラーであることから、海外ではクリスマスシーズンの植物として人気があります。赤い蕾の他にグリーンの品種や、葉にクリーム色の縁取りが入る品種なども流通しています。
スキミアは耐陰性がありかなり暗い場所でも育てることができますが、暗すぎると花つきが悪くなります。木漏れ日のような日光を好むので、明るい日陰や半日陰くらいが適しています。
写真は、スキミアが咲き始めた様子です。蕾がどんどん咲き進み、満開になるとすべて白い花になります。
ドクダミ ~ドクダミ科 耐寒性多年草~
ドクダミは、梅雨時に白い花を咲かせます。強健な性質で、日なた日陰を問わず、乾燥地や湿地でも育ちます。他の雑草が生えないようにグランドカバーとして使われることもありますが、全草に強い香りがあり、地下茎でどんどん広がるためやっかいな雑草として扱われることも多い植物です。でもじつは、古くから民間治療薬として重宝されてきた和のハーブのひとつでもあります。
八重咲きドクダミ
最近は写真のように八重咲きタイプのドクダミも出回り、オシャレなガーデンや公園の下草として使われいる姿をよく見かけます。八重咲きタイプも普通のドクダミと同じくとても強い性質なので、八重咲きならグランドカバーに使っても可愛いと思う方も多いのではないでしょうか。
斑入りドクダミ
写真のように斑入りの品種も流通しています。ピンク・黄・クリーム色などカラフルな斑が入るので、斑入りのドクダミを植えると日陰の暗い雰囲気の場所がぱっと明るくなります。
ヒューケラ ~ユキノシタ科 耐寒性多年草~
ヒューケラの葉はカエデの葉に少し似ていますが、とんがりがなく、丸みを帯びた形をしています。葉を横に広げてこんもりと茂ります。葉が平たくて面積が大きいので、色の美しさが目立ちます。葉色は、グリーン、ライム、紫、オレンジ、茶、シルバー、黒、斑入りなど非常に多様です。ヒューケラの色違いを組み合わせるだけでも、葉色のグラデーションが楽しめます。5月~7月頃に茎を伸ばして小さな花を咲かせます。花色は品種によって違い、白、ピンク、赤などがあります。
ヒューケラは耐寒性が強く、耐暑性があり、乾燥にも耐えますが、真夏の強い直射日光で葉焼けしたり、どちらかというと高温多湿に弱い性質があります。夏は半日陰か日陰になる場所で管理すると葉色が美しくしっとりと育ちます。耐陰性もあるので、あまり日の当たらないシェードーガーデンの寄せ植えに使うカラーリーフにぴったりです。
プルモナリア ~ムラサキ科 耐寒性多年草~
プルモナリアは、早春に下葉から花茎が伸びて青、紫、水色、白、ピンクなどの花を咲かせます。葉色は銀白色、緑、斑入りタイプもあります。葉に斑点があるものが多いですが、園芸種では斑点がないものもあります。明るい日陰や半日陰で育ち、ひっそりと咲く姿が愛らしくて人気があります。
ホウチャクソウ ~イヌサフラン科 耐寒性多年草~
ホウチャクソウは、4月~5月頃に白から緑のグラデーションが美しい花を咲かせます。日本全国の山林に分布している宿根草です。食用の山菜として食べられているアマドコロに似ていますが、ホウチャクソウは茎の先端に花をつけるのに対し、アマドコロは茎の途中に花をつけます。ホウチャクソウは有毒成分を含むため食べられません。ホウチャクソウは摘むと独特の臭いがするため見分けることができます。斑入りの葉がきれいなホウチャクソウも園芸品種として出回っています。
ホトトギス ~ユリ科 耐寒性多年草~
ホトトギスは8月~11月頃、一般的に紫色のまだら模様をした花を咲かせるのが特徴です。花の斑点が鳥のホトトギスの羽毛の模様に似ていることからその名前がついたそうですが、種類によっては模様のないものもあります。日本でも山野の崖や傾斜地などの明るい日陰や半日陰で適度に湿り、かつ水はけが良いところを好んで生育しています。
半日陰や明るい日陰で花を育てよう
直射日光をたっぷり浴びた方が、華やかな花がたくさん咲くイメージがあるかもしれません。でも、夏に人が木漏れ日のさす涼しい場所でほっとするように、半日陰や明るい日陰を好む花もたくさんあります。やわらかい日差しの中で育つ花は、優しくしっとりとした印象があります。半日陰や日陰をいかして、その場所だからこそ美しく咲く花を育ててみてはいかがでしょうか。
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